前回は白血病の話題だったので、今回は白血病の死亡統計をグラフにしてみました。(1995年までは5年おき、1997年以降は1年ごとのデータをプロットしています。)
【白血病の死亡統計】(厚生労働省の人口動態統計より)
インターネットで白血病について検索すると、「今では白血病は不治の病ではない」などと言う専門家もいますが、このグラフを見る限り、死亡者数は直線的に増加しており、西洋医学が白血病治療で大失敗を繰り返しているのは明白です。
そこで、日本の伝統医学である漢方に白血病に有効な薬がないか調べたところ、小柴胡湯(しょうさいことう)と十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)という漢方薬を使用した治験例がありました。(参考資料:「急性前骨髄球性白血病の治験」(中田敬吾:著))
このうち、小柴胡湯については、本ブログの「蓄膿症」という記事で説明させていただいているので、ここでは十全大補湯について説明させていただきます。
『漢法医学講演集 第一輯』(森田幸門:口述、木曜会:1940年刊)という本によると、十全大補湯は、四君子湯(しくんしとう)と四物湯(しもつとう)に、肉桂(にくけい)と黄耆(おうぎ)を合わせたものです。
十全大補湯 = 四君子湯+四物湯+肉桂+黄耆
そして、四君子湯は、胃腸が弱く精神力の振るわない人に用いる薬で、四物湯は、体液・血液・内分泌液・外分泌液等の欠陥を補うのに非常に有効な薬だそうです。
また、『民間治療法全集 第二巻 和漢洋自療薬営養療法全集』(平田内蔵吉:著、春陽堂:1931年刊)という本によると、肉桂は、肝、肺の血液循環をよくし、皮膚をあたためる働きがある補温・補血薬で、黄耆は、寝汗を止め、皮毛の気をみたして、肺気を補う薬だそうです。
こういった成分を有する十全大補湯は、身体のすべてにわたってうまく補うことができる、すなわち十全の功があるとされる薬で、精神的、肉体的な様々な病気に有効なのだそうです。
なお、四君子湯に含まれる人参は、大根や白菜によって効果が打ち消されてしまうそうです。
また、別の本には、四物湯に含まれる地黄は、大根と一緒に食べてはいけないと書かれています。
こういった注意事項は他にもありますし、体質との適合性もありますから、漢方薬を使う場合は自己判断せず、漢方医に診断してもらって最適な薬を処方してもらうようにしてください。