前回の続きです。ジャパンハンドラーと言われる人々、およびその意味についても。(青が支局長の話)
私は列強の仲間入りをしたいという安倍首相が悪いとは言いません。
彼は素直に自分のやりたいことをやっている。
それは就任前の言動から容易に推測できたことです。
問題はそれに疑問も挟まず、従って何の質問もせず、説明も求めないメディアの方です。だから、安倍首相が積極的平和主義を唱えれば、
多くの国民が何の疑問も持たずに“そんなもんか”と思ってしまう。
ここが危険なところです。
――積極的平和主義で、米国と一緒になって戦う。それが日本を守ることになる。
こういう主張の政治家、官僚、学者、評論家たちは、米国がやっていることが正義であるという大前提に立っていますね。
ただし、そういう人々の多くは、アーミテージ元国務副長官に代表されるジャパンハンドラーと呼ばれる人としか付き合っていない。
このほど、ファクラーさんが出された孫崎享さん(元外務省国際情報局長)との対談本、「崖っぷち国家 日本の決断」(日本文芸社)の中には、こういうことが書いてあって、本当に驚きました。
ハンドラーという言葉は「犬を扱う」ようなイメージだというし、そのジャパンハンドラーの人々が米国を動かしているわけでもない。これは非常におかしなことだと思います。
ジャパンハンドラーの人々は非常に保守的で、オバマ政権にも入っていないし、
決して米国の意見を代表しているわけではありません。
それなのに、自民党の政治家や外務省の官僚はジャパンハンドラ―に頼ってしまう。
――対談本でファクラーさんは、
「ジャパンハンドラーは『既得権益集団』で、
コンサルティンググループなどをつくり、強欲な商売をしている」とおっしゃっていた。
鳩山政権の時に脱官僚を唱えた瞬間、日米関係がぶっ壊れたでしょ?
あんなにすぐ壊れるものかと驚きました。
このことは日米のパイプがいかに細いかの裏返しです。
一部の自民党の政治家や官僚とジャパンハンドラーとの付き合いしかないのです。
日米関係に関わっている人は非常に少数で、そういう人が同盟関係を管理している。
だから、普天間基地の移転問題にしても辺野古しかないという結論になってしまう。
もっと幅広い人脈と付き合っていれば、さまざまな意見、選択肢が出てくるはずです。
―集団的自衛権についても、それが日米同盟では当たり前ということになってしまう。
確かに戦後70年間、米国と一緒にやってきて、ある意味、安全だった過去の実績はあります。でも、今後もそれでいいのか。
平和憲法を捨てず、平和主義を貫く選択肢もあるし、
鳩山政権や小沢一郎氏が唱えたようなアジア重視の道もある。
どちらがいいかは国民が考えた上で決めるべきです。
―ところが、日本人には、それを判断する情報すら与えられていないんですよ。
新聞が選択肢すら報じないものだから。
日本のエリートの上の方で、物事が決まっている。
大きな新聞はそちらの方を見て記事を書いている。そんな印象です
―このまま米国追随路線をエスカレートさせたら、この国はどうなっていくと思われますか?
イスラム国のような事件がまた起こりますよ。
米英豪仏などと同じ一員になれば、彼らの敵が日本の敵にもなる。
日本人はそこまでの覚悟をしているのでしょうか。
いずれにしても、
民主主義国家でこれほど異常な一党支配の国は
私の知る限り、見たことがない。
戦前と似ていると言う人がいますが、野党不在で政権と違う意見を許さないという雰囲気においては、似ているかもしれません。
健全な民主主義に不可欠なのは議論なのに、それを忘れているとしか思えません。
▽マーティン・ファクラー 1966年生まれ。ダートマス大卒業後、イリノイ大、カリフォルニア大バークレー校で修士。ブルームバーグ東京支局、AP通信東京支局、ウォールストリート・ジャーナル東京支局などを経て、ニューヨーク・タイムズ東京支局長。近著に「崖っぷち国家 日本の決断」(日本文芸社)。
***長いインタビューでしたが、いかがだったでしょうか。日本の支配層が従っているのは、アメリカの一部の人々、ジャパンハンドラーといわれる、助言者とも犬のように日本を調教するという意味のあることばで言われる人々と。これらの事は国民にはほとんど知らされていないということです。調べないとわからないのですね。ネットで「ジャパンハンドラー」と入力すればわかるのですが、安倍政権はじめ歴代の政権がアメリカ詣でして、日本には不利なことなのにアメリカの意に沿う政策を打ち出している不思議の一端が見えてくるようです。憲法より上位にあるに日米安保、それに反する政策や人は切られるということでしょう!***
私は列強の仲間入りをしたいという安倍首相が悪いとは言いません。
彼は素直に自分のやりたいことをやっている。
それは就任前の言動から容易に推測できたことです。
問題はそれに疑問も挟まず、従って何の質問もせず、説明も求めないメディアの方です。だから、安倍首相が積極的平和主義を唱えれば、
多くの国民が何の疑問も持たずに“そんなもんか”と思ってしまう。
ここが危険なところです。
――積極的平和主義で、米国と一緒になって戦う。それが日本を守ることになる。
こういう主張の政治家、官僚、学者、評論家たちは、米国がやっていることが正義であるという大前提に立っていますね。
ただし、そういう人々の多くは、アーミテージ元国務副長官に代表されるジャパンハンドラーと呼ばれる人としか付き合っていない。
このほど、ファクラーさんが出された孫崎享さん(元外務省国際情報局長)との対談本、「崖っぷち国家 日本の決断」(日本文芸社)の中には、こういうことが書いてあって、本当に驚きました。
ハンドラーという言葉は「犬を扱う」ようなイメージだというし、そのジャパンハンドラーの人々が米国を動かしているわけでもない。これは非常におかしなことだと思います。
ジャパンハンドラーの人々は非常に保守的で、オバマ政権にも入っていないし、
決して米国の意見を代表しているわけではありません。
それなのに、自民党の政治家や外務省の官僚はジャパンハンドラ―に頼ってしまう。
――対談本でファクラーさんは、
「ジャパンハンドラーは『既得権益集団』で、
コンサルティンググループなどをつくり、強欲な商売をしている」とおっしゃっていた。
鳩山政権の時に脱官僚を唱えた瞬間、日米関係がぶっ壊れたでしょ?
あんなにすぐ壊れるものかと驚きました。
このことは日米のパイプがいかに細いかの裏返しです。
一部の自民党の政治家や官僚とジャパンハンドラーとの付き合いしかないのです。
日米関係に関わっている人は非常に少数で、そういう人が同盟関係を管理している。
だから、普天間基地の移転問題にしても辺野古しかないという結論になってしまう。
もっと幅広い人脈と付き合っていれば、さまざまな意見、選択肢が出てくるはずです。
―集団的自衛権についても、それが日米同盟では当たり前ということになってしまう。
確かに戦後70年間、米国と一緒にやってきて、ある意味、安全だった過去の実績はあります。でも、今後もそれでいいのか。
平和憲法を捨てず、平和主義を貫く選択肢もあるし、
鳩山政権や小沢一郎氏が唱えたようなアジア重視の道もある。
どちらがいいかは国民が考えた上で決めるべきです。
―ところが、日本人には、それを判断する情報すら与えられていないんですよ。
新聞が選択肢すら報じないものだから。
日本のエリートの上の方で、物事が決まっている。
大きな新聞はそちらの方を見て記事を書いている。そんな印象です
―このまま米国追随路線をエスカレートさせたら、この国はどうなっていくと思われますか?
イスラム国のような事件がまた起こりますよ。
米英豪仏などと同じ一員になれば、彼らの敵が日本の敵にもなる。
日本人はそこまでの覚悟をしているのでしょうか。
いずれにしても、
民主主義国家でこれほど異常な一党支配の国は
私の知る限り、見たことがない。
戦前と似ていると言う人がいますが、野党不在で政権と違う意見を許さないという雰囲気においては、似ているかもしれません。
健全な民主主義に不可欠なのは議論なのに、それを忘れているとしか思えません。
▽マーティン・ファクラー 1966年生まれ。ダートマス大卒業後、イリノイ大、カリフォルニア大バークレー校で修士。ブルームバーグ東京支局、AP通信東京支局、ウォールストリート・ジャーナル東京支局などを経て、ニューヨーク・タイムズ東京支局長。近著に「崖っぷち国家 日本の決断」(日本文芸社)。
***長いインタビューでしたが、いかがだったでしょうか。日本の支配層が従っているのは、アメリカの一部の人々、ジャパンハンドラーといわれる、助言者とも犬のように日本を調教するという意味のあることばで言われる人々と。これらの事は国民にはほとんど知らされていないということです。調べないとわからないのですね。ネットで「ジャパンハンドラー」と入力すればわかるのですが、安倍政権はじめ歴代の政権がアメリカ詣でして、日本には不利なことなのにアメリカの意に沿う政策を打ち出している不思議の一端が見えてくるようです。憲法より上位にあるに日米安保、それに反する政策や人は切られるということでしょう!***
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