日刊ゲンダイは安倍首相が気にして国会でも取り上げた新聞です。その新聞が、web上でニューヨークタイムズ東京支局長のはなしを載せていました。
国の根幹が変わるのに、新聞が反論を載せない異常
相変わらず安倍政権の支持率は高いが、不思議なことだ。
庶民にアベノミクスの恩恵はまったくないし、
イスラム国の人質事件は最悪の結末に終わった。
政治とカネの醜聞が噴出し、大臣がまた辞任した。
そんな中で、安倍政権は平和憲法をかなぐり捨てる法整備を進めているのに、世論は怒るわけでもない。
その理由を尋ねると、来日して12年になるニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏からは明快な答えが返ってきた。
「報じない大メディアが悪いのです」――。
――この調子でいくと、今月中にも自衛隊が世界中に出ていって、
戦争協力する法案が提出されることになります。
国の形が完全に変わってしまうのに、日本人は関心も示さない。どう思いますか?
こうなっているのは2つの大きな要因がありますね。
ひとつは自民党一強、野党不在の政治状況。
もうひとつはメディアが安倍政権を怖がって批判を控えていることです。
――やっぱり、怖がっているように見えますか?
見えますよ。
日本はいま、これまでとは全く異なる国家をつくろうとしている。
憲法に基づいた平和主義を守るのではなく、米国や英国の仲間になろうとしている。
果たして、それでいいのか。
大きな岐路、重要な局面に立っているのに、そうした議論が何もないじゃないですか。
これは本当に不思議なことです。
恐らく多くの国民は、
戦後以来の大きな変化が起こっていることすら
知らないんじゃないですか。
私は何も新聞に反安倍のキャンペーンをやれと言っているわけではないんです。
安倍政権はこういうことをやろうとしているけれども、そこにはこういう問題点や危険性がある。
こういう別の意見もある。
せめてさまざまな立場の見方を紹介して、幅広い議論を喚起することが必要なんじゃないですか。
――しかし、それすら大新聞はめったにやらない。
何か安全保障の問題はタブー視されているような印象すらありますね。
なぜ、タブー視されるのでしょうか。
9・11の直後、米国では国を守るためには団結しなければダメだという危機感がメディアの批判精神を鈍らせました。
これは大きな失敗でした。
あの時こそ、メディアは冷静になって、きちんとブッシュ政権に問うべきだったんです。
本当にイラクに大量破壊兵器はあるのか。
本当に、この戦争をしなければいけないのか。
しかし、それをやらなかった。
それと同じ失敗を日本のメディアは犯そうとしていますね。
いま、日本の国家はどういう危機に直面しているのでしょうか?
台頭する中国への不安や懸念ですか?
イスラム国の脅威ですか?
そんな小さなことでジャーナリズムが批判精神を失うのでしょうか。
――イスラム国の人質事件ではニューヨーク・タイムズ紙に掲載された風刺画が非常に印象に残っています。
「イスラム国は平和主義から逸脱する日本を後押しするか」というタイトルで、車夫(=日本人)の鼻先にイスラム国の旗をぶら下げ、「憲法改正」の車を走らせる安倍首相が描かれていた。キャプションには「安倍晋三“大統領”は復讐を呼びかけた」とあった。
ニューヨークタイムズの風刺画 世界はわかっている。わかってないのは日本だけ?
ニューヨーク・タイムズの論評を扱う部署には複数の風刺画家がいます。
そのうちのひとりがアイデアを提示した。
私が関わったわけじゃありません。
権力を見ない新聞を国民が信じますか?
――ということは、米国人は一般的に安倍首相のことを、
そういう目で見ているということですね?
そうだと思いますね。
ひとりがアイデアを出して、みんながそうだね、と賛同したわけでしょうからね。
――それなのに、日本の大メディアは風刺画どころか、
安倍政権が人質救出に何をしたのか、しなかったのか。
イスラム国と戦う国への2億ドル支援演説の是非もほとんど論じていませんね。
私は中東で調査をしたわけではありませんが、
東京から見ている限り、安倍政権はあらゆるルートを駆使したわけではないでしょう。
最初からあきらめていたように見えます。
身代金の支払いにしても早い段階から拒否しているし、この事件を政治的に利用し、テロに屈しないと宣言して米英の一員であることを国内外にアピールするのが狙いだったように感じました。
――人質救出に全力を挙げると言っていましたけどね。
政治っていうのは、みんなそんなもんですよ。
オバマ政権も一緒です。
ただ違うのはメディアが政府の言い分をうのみにするかどうかです。
国の根幹が変わるのに、新聞が反論を載せない異常
相変わらず安倍政権の支持率は高いが、不思議なことだ。
庶民にアベノミクスの恩恵はまったくないし、
イスラム国の人質事件は最悪の結末に終わった。
政治とカネの醜聞が噴出し、大臣がまた辞任した。
そんな中で、安倍政権は平和憲法をかなぐり捨てる法整備を進めているのに、世論は怒るわけでもない。
その理由を尋ねると、来日して12年になるニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏からは明快な答えが返ってきた。
「報じない大メディアが悪いのです」――。
――この調子でいくと、今月中にも自衛隊が世界中に出ていって、
戦争協力する法案が提出されることになります。
国の形が完全に変わってしまうのに、日本人は関心も示さない。どう思いますか?
こうなっているのは2つの大きな要因がありますね。
ひとつは自民党一強、野党不在の政治状況。
もうひとつはメディアが安倍政権を怖がって批判を控えていることです。
――やっぱり、怖がっているように見えますか?
見えますよ。
日本はいま、これまでとは全く異なる国家をつくろうとしている。
憲法に基づいた平和主義を守るのではなく、米国や英国の仲間になろうとしている。
果たして、それでいいのか。
大きな岐路、重要な局面に立っているのに、そうした議論が何もないじゃないですか。
これは本当に不思議なことです。
恐らく多くの国民は、
戦後以来の大きな変化が起こっていることすら
知らないんじゃないですか。
私は何も新聞に反安倍のキャンペーンをやれと言っているわけではないんです。
安倍政権はこういうことをやろうとしているけれども、そこにはこういう問題点や危険性がある。
こういう別の意見もある。
せめてさまざまな立場の見方を紹介して、幅広い議論を喚起することが必要なんじゃないですか。
――しかし、それすら大新聞はめったにやらない。
何か安全保障の問題はタブー視されているような印象すらありますね。
なぜ、タブー視されるのでしょうか。
9・11の直後、米国では国を守るためには団結しなければダメだという危機感がメディアの批判精神を鈍らせました。
これは大きな失敗でした。
あの時こそ、メディアは冷静になって、きちんとブッシュ政権に問うべきだったんです。
本当にイラクに大量破壊兵器はあるのか。
本当に、この戦争をしなければいけないのか。
しかし、それをやらなかった。
それと同じ失敗を日本のメディアは犯そうとしていますね。
いま、日本の国家はどういう危機に直面しているのでしょうか?
台頭する中国への不安や懸念ですか?
イスラム国の脅威ですか?
そんな小さなことでジャーナリズムが批判精神を失うのでしょうか。
――イスラム国の人質事件ではニューヨーク・タイムズ紙に掲載された風刺画が非常に印象に残っています。
「イスラム国は平和主義から逸脱する日本を後押しするか」というタイトルで、車夫(=日本人)の鼻先にイスラム国の旗をぶら下げ、「憲法改正」の車を走らせる安倍首相が描かれていた。キャプションには「安倍晋三“大統領”は復讐を呼びかけた」とあった。
ニューヨークタイムズの風刺画 世界はわかっている。わかってないのは日本だけ?
ニューヨーク・タイムズの論評を扱う部署には複数の風刺画家がいます。
そのうちのひとりがアイデアを提示した。
私が関わったわけじゃありません。
権力を見ない新聞を国民が信じますか?
――ということは、米国人は一般的に安倍首相のことを、
そういう目で見ているということですね?
そうだと思いますね。
ひとりがアイデアを出して、みんながそうだね、と賛同したわけでしょうからね。
――それなのに、日本の大メディアは風刺画どころか、
安倍政権が人質救出に何をしたのか、しなかったのか。
イスラム国と戦う国への2億ドル支援演説の是非もほとんど論じていませんね。
私は中東で調査をしたわけではありませんが、
東京から見ている限り、安倍政権はあらゆるルートを駆使したわけではないでしょう。
最初からあきらめていたように見えます。
身代金の支払いにしても早い段階から拒否しているし、この事件を政治的に利用し、テロに屈しないと宣言して米英の一員であることを国内外にアピールするのが狙いだったように感じました。
――人質救出に全力を挙げると言っていましたけどね。
政治っていうのは、みんなそんなもんですよ。
オバマ政権も一緒です。
ただ違うのはメディアが政府の言い分をうのみにするかどうかです。
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