ネイチャーゲーム&自然・趣味

ネイチャーゲームで知った自然。テニスやハーモニカ、ウォーキングなど遊びの世界。

映画「日日是好日」―身近にある自然や生き方の豊かさの発見―

2019年03月16日 | 日記・思い出
 以前、森下典子氏の同書を手にして、主人公の茶を通して人や自然に関わり、広がっていく世界の豊かさに惹きつけられた。

 やがて映画が来るとすぐ観に行った。主人公黒木華と、茶道の先生役の樹木希林を中心とする俳優陣によって、淡々とした茶会や自然が描かれていく。主人公は、なかなか覚えられない作法と形式的な決まりの中で挫折などを繰り返し、25年間習うことになる。

 その年月の中でようやく「がんじがらめの決まりごとの向こうに見えてきた自由」に気付いた。

 それこそが「雨の日は雨を聴く、雪の日は雪を見る。夏は暑さを、冬には身の切れるような寒さを・・・。」と五感で季節を味わうことを通して分かった「季節のように生きること」であり、掛け軸の「日日是好日」の意味だった。

 毎日見ていた掛軸が実は、「目を覚ましなさい。人間はどんな時だって楽しむことができるのだ。」と呼びかけていたのだった。

 これを見た後、再度本に戻って読みながら、折しも読み終えた種田山頭火句集の「山行水行」の中に、
「山あれば山を観る/ 雨の日は雨を聴く/ 春夏秋冬/あしたもよろし/ゆうべもよろし」
とも通じると膝を打った。

 また、前にこのブログでも紹介した貝原益軒の「養生訓」や「楽訓」にある自然観と生き方とも相通じるものを感じた。
 「楽訓」には「春は生じ、夏は長じ、秋は収め、冬は春をはらんでいる」など、四季それぞれの特徴とそれを五感で感じる生き方がいかに楽しいことか述べている。

 また、私がやっているネイチャーゲームは、まさにこの自然観であるし、単なる知識ではなく、いつも五感の大切さを分かち合っている。
 創作面では俳句や短歌は当にその世界であると思う。私も俳句の決まりごとの中にある自由を楽しむことができるまでにはあと何年かかるのだろう。

 茶道には縁のない生活であったが、日々喫茶する折にも、ネイチャーゲームの指導の折にも、そして作句の折にも奇をてらうのではなく、自然の深さ豊かさに謙虚に向き合うようにしなくてはいけないなあと思わされた。余韻の残る映画であった。



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