知らないということは、滑稽で、悲しくて、恐ろしいことにも！＝思いやり予算

　知らなくていいことはもちろん多いし、知ることには限度があることは当然です。
しかし、こんなことはどうでしょう。毎年1893億円ずつ、アメリカ軍のために「思いやり予算」を差し上げているという事実は？
　
それが、今年から向こう5年間で9465億円にも上るお金を米軍に差し上げることに合意したということは？
これは、「思いやり予算」＝在日米軍駐留経費の日本側負担と言われると言われるものです。駐留軍？そうです、まだ軍事的には占領状態なのですね。

　世界には70か国あまり、800ヵ所あまりの基地を持っている米軍。そのうち日本には100か所以上ありますから大きな割合を占めています。

　問題は、日本には4万人ほど、韓国3万人ほど、ドイツ5万人ほど(2011年度米国防総省統計)と大きな規模で駐留している国で、日本が特別な「思いやり予算」を計上しているということです。

　始まりは、1978年金丸信防衛庁長官の時「思いやりというものがあってもいい」と発言し負担した62億円からと言います。このお金は、豪華米軍住宅、学校、教会、ゴルフ場、銀行、ファーストフード店など、米軍が快適に暮らせるように使われていますが、もちろんそれは国民の税金です。

　米軍の世界戦略での駐留ですから、米軍は「自由に使える基地を提供してもらっている」というのに、日本人は「守ってもらっている」という負い目の意識といいます。

　同じ駐留をさせている国でも、こんな屈辱的なことはやっていないということですから、わが日本人というよりは日本政府の米国への「おもいやり」は素晴らしい！米軍の高官も「満足の意」を表明してくれていると言います。米軍にとって日本はパラダイスなんですね。

　ところが、こんな日本人が知らない実態をドキュメンタリー映画にしてしまったアメリカ人がいます！神奈川に住んでいる、バークレー氏です。
映画のタイトルは、『ザ・思いやり』。

　この映画を見たフランス人は、「そこまで思いやるならフォアグラを食わせればいい」と皮肉ったそうです。

　何か、滑稽で、悲しくて、恐ろしいことと思いませんか。
　国会では、日本の国防予算が5兆円を超えたこと、国民には消費税と社会保障費の削減、大企業には減税の政府の姿勢が追及されていますが・・・・。

　(毎日新聞のネット夕刊をヒントに作成しました。「思いやり予算・毎日新聞」で検索可能です。)