今日は侵略戦争に駆り立てられ、満州・シベリアで戦死した兄だけではなく、多くの戦死者や銃後の護りをさせられて犠牲になった人々はじめ、ナガサキ・ヒロシマ原爆、東京空襲など多くの犠牲者が出たことを忘れてはいけない日です。街頭の若者のインタビューで、「え、何の日?」との答えが目立ちました。どんなに犠牲者が出ても、教育やメデイアがしっかり伝えないと何度でも同じことを繰り返すという気がしてなりません。
現に戦後69年にして、ついにまた痛みを忘れた人々によって戦争の危険が現実味を帯びて来ました。しかも、かつての戦争の理由と同じ、「自衛のために」「生命線を守るために」などと危機をつくりあげて憲法を解釈して九条を骨抜きにして暴走を始めたように思います。憲法は、戦争放棄はただ座して待つのではなく、国内では人権を守り、積極的に平和外交などを展開してこその平和の維持ということをしめしています。
いくつかの新聞・テレビであの戦争の特集をしています。神奈川新聞の8月10日付には搗本(つきもと)さんのお話を掲載していました。その一部を抜粋してお伝えします。
①「孫も安心できる世界に」 戦争で父失った女性 安倍政権方針に怒り
「最近の日本は戦前の雰囲気に似てきた。不安を感じます」と語る搗本しんさん。
「どうして今になって、日本を戦争ができる国にするの」。安倍晋三首相が推し進めてきた特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認に、言いようのない不安と怒りがこみあげる。横浜市内に住む搗本(つきもと)しんさん(84)は71年前に戦争で父親を失って以後、辛酸をなめた。同じ思いをするのは自分たちの世代で十分、と思い続けてきた。(搗本しんさんの父は神谷豊文さん1937年8月、台湾・基隆沖で沈没した高千穂丸にのっていた。)
「弱い者の声は政治家に届かないのかもしれない。でも、孫の世代が平和に安心して生きていける世界にしてほしい」。敗戦から69年を迎えようとするこの夏、素朴な願いはこれまでになく切実さを増す。
しかし、雲行きが怪しくなってきた。特定秘密保護法の成立と解釈改憲による集団的自衛権の行使容認-、つまり国家による情報統制の強化と「戦争の放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」を定めた憲法9条の骨抜き。「自由に物が言えなくなる感じ。戦争中の雰囲気となんとなく似てきている」と感じる。
自分は老い先が短いと思っている。だが、孫のことが心配でならない。戦争を放棄し平和だった国から、戦争のできる国へ。搗本さんは、声を詰まらせながら訴える。「私の孫が父のように戦争に巻きこまれないようにしてほしい。安倍さんどうぞ、お願いします」(神奈川新聞2014/8/10)
続いて、「特攻」についての記事もAFP=「時事」から。同時に多くの若者に鑑賞された特攻隊について描いた「永遠の0」」の映画についての記事です。若者は戦場や空襲等への想像力はどうなっているのでしょう。多くは感動的にとらえたのでしょうか。「嫌韓国、中国」などという本の氾濫など、とともにこのような映画のもつ力を考えます。
②「特攻」を美化しては駄目、元隊員ら戦争知らない若者に警鐘
第2次世界大戦(World War II)末期、勝利への執ようなねばりをみせる日本を特徴付けた自殺攻撃。死んでいった数千人の隊員と同じ運命からカンベさんを救ったのは、1945年8月15日の日本の降伏だった。
だが歳を重ね、再び死を身近に感じるようになったカンベさんは、安倍晋三政権下での政治の右傾化や、神風特攻隊を美化する最近の映画が、日本の若い世代から戦争の恐ろしさが失われたことを示しているのではないかと不安を感じている。
「あれはやっぱり正気の沙汰ではない。美化することなんて賛成できない」と元海軍パイロットのカンベさんは、連合国軍の艦艇に航空機を墜落させるよう命じられた若者たちについて語った。
「安倍首相みたいなのばっかりになれば日本は戦争になる。正直言って、俺は死んでいくけど、日本の将来は心配だ」
神風パイロットは、戦時下の日本で英雄だった。昭和天皇(Emperor Hirohito)と国の名の下で行われる彼らの自己犠牲は新聞の一面を飾った。
神風特攻隊は戦争末期、連合国の勝利を阻止しようとする絶望的な努力の中で結成された。およそ4000人が死亡した作戦は、特攻隊の大半が標的に達する前に撃墜されたとはいえ、敵国の兵士を震え上がらせた。
神風特攻隊の生存者数については公的な統計はない。特攻隊は現代の教科書にもほとんど記述されていなく、人々の記憶の中から薄れて行った。
だが、同名のベストセラー小説を映画化した『永遠の0(The Eternal Zero)』は今年の初めにヒットを記録し、特攻隊の記憶を人々によみがえらせた。
映画のストーリーは、妻に生きて帰ると約束したことから特攻を拒否していた海軍パイロットが、最終的に戦友に家族の面倒を託し特攻を選ぶというもの。
都内の大学に通うナカムラ・ツルギさん(18)は映画鑑賞後に「僕は特攻隊員を尊敬します。彼らは国や家族のために命をなげうった」と語った。「特攻隊は格好いい。かれらのミッションを非難することはまちがっていると思う」
これに同じ元特攻隊員のアサノアキノリさんは「『特攻に志願してなぜ死ななければならなかったのか』という質問はナンセンス。われわれには『できません』という選択肢はなかった。これは映画じゃない。今の若い人には理解できないと思う。今はただ平和を祈るだけ」とアサノさんは語った.
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現に戦後69年にして、ついにまた痛みを忘れた人々によって戦争の危険が現実味を帯びて来ました。しかも、かつての戦争の理由と同じ、「自衛のために」「生命線を守るために」などと危機をつくりあげて憲法を解釈して九条を骨抜きにして暴走を始めたように思います。憲法は、戦争放棄はただ座して待つのではなく、国内では人権を守り、積極的に平和外交などを展開してこその平和の維持ということをしめしています。
いくつかの新聞・テレビであの戦争の特集をしています。神奈川新聞の8月10日付には搗本(つきもと)さんのお話を掲載していました。その一部を抜粋してお伝えします。
①「孫も安心できる世界に」 戦争で父失った女性 安倍政権方針に怒り
「最近の日本は戦前の雰囲気に似てきた。不安を感じます」と語る搗本しんさん。
「どうして今になって、日本を戦争ができる国にするの」。安倍晋三首相が推し進めてきた特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認に、言いようのない不安と怒りがこみあげる。横浜市内に住む搗本(つきもと)しんさん(84)は71年前に戦争で父親を失って以後、辛酸をなめた。同じ思いをするのは自分たちの世代で十分、と思い続けてきた。(搗本しんさんの父は神谷豊文さん1937年8月、台湾・基隆沖で沈没した高千穂丸にのっていた。)
「弱い者の声は政治家に届かないのかもしれない。でも、孫の世代が平和に安心して生きていける世界にしてほしい」。敗戦から69年を迎えようとするこの夏、素朴な願いはこれまでになく切実さを増す。
しかし、雲行きが怪しくなってきた。特定秘密保護法の成立と解釈改憲による集団的自衛権の行使容認-、つまり国家による情報統制の強化と「戦争の放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」を定めた憲法9条の骨抜き。「自由に物が言えなくなる感じ。戦争中の雰囲気となんとなく似てきている」と感じる。
自分は老い先が短いと思っている。だが、孫のことが心配でならない。戦争を放棄し平和だった国から、戦争のできる国へ。搗本さんは、声を詰まらせながら訴える。「私の孫が父のように戦争に巻きこまれないようにしてほしい。安倍さんどうぞ、お願いします」(神奈川新聞2014/8/10)
続いて、「特攻」についての記事もAFP=「時事」から。同時に多くの若者に鑑賞された特攻隊について描いた「永遠の0」」の映画についての記事です。若者は戦場や空襲等への想像力はどうなっているのでしょう。多くは感動的にとらえたのでしょうか。「嫌韓国、中国」などという本の氾濫など、とともにこのような映画のもつ力を考えます。
②「特攻」を美化しては駄目、元隊員ら戦争知らない若者に警鐘
第2次世界大戦(World War II)末期、勝利への執ようなねばりをみせる日本を特徴付けた自殺攻撃。死んでいった数千人の隊員と同じ運命からカンベさんを救ったのは、1945年8月15日の日本の降伏だった。
だが歳を重ね、再び死を身近に感じるようになったカンベさんは、安倍晋三政権下での政治の右傾化や、神風特攻隊を美化する最近の映画が、日本の若い世代から戦争の恐ろしさが失われたことを示しているのではないかと不安を感じている。
「あれはやっぱり正気の沙汰ではない。美化することなんて賛成できない」と元海軍パイロットのカンベさんは、連合国軍の艦艇に航空機を墜落させるよう命じられた若者たちについて語った。
「安倍首相みたいなのばっかりになれば日本は戦争になる。正直言って、俺は死んでいくけど、日本の将来は心配だ」
神風パイロットは、戦時下の日本で英雄だった。昭和天皇(Emperor Hirohito)と国の名の下で行われる彼らの自己犠牲は新聞の一面を飾った。
神風特攻隊は戦争末期、連合国の勝利を阻止しようとする絶望的な努力の中で結成された。およそ4000人が死亡した作戦は、特攻隊の大半が標的に達する前に撃墜されたとはいえ、敵国の兵士を震え上がらせた。
神風特攻隊の生存者数については公的な統計はない。特攻隊は現代の教科書にもほとんど記述されていなく、人々の記憶の中から薄れて行った。
だが、同名のベストセラー小説を映画化した『永遠の0(The Eternal Zero)』は今年の初めにヒットを記録し、特攻隊の記憶を人々によみがえらせた。
映画のストーリーは、妻に生きて帰ると約束したことから特攻を拒否していた海軍パイロットが、最終的に戦友に家族の面倒を託し特攻を選ぶというもの。
都内の大学に通うナカムラ・ツルギさん(18)は映画鑑賞後に「僕は特攻隊員を尊敬します。彼らは国や家族のために命をなげうった」と語った。「特攻隊は格好いい。かれらのミッションを非難することはまちがっていると思う」
これに同じ元特攻隊員のアサノアキノリさんは「『特攻に志願してなぜ死ななければならなかったのか』という質問はナンセンス。われわれには『できません』という選択肢はなかった。これは映画じゃない。今の若い人には理解できないと思う。今はただ平和を祈るだけ」とアサノさんは語った.
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