毎日新聞より転載
袴田事件:袴田さんへ届かなかった1万通 釈放後に返還、支援者の手紙公開
毎日新聞 2015年05月06日 中部朝刊
1966年に静岡県で起きた強盗殺人事件で死刑が確定し、静岡地裁の再審開始決定で釈放された袴田巌(いわお)元被告(79)の支援者らが5日、拘置中に袴田さん宛てに国内外から届いた計1万3488通の手紙を公開した。拘置中には手紙の存在自体が知らされておらず、東京拘置所が保管していたとみられ、袴田さんが釈放された昨年3月の翌日の日付で同拘置所から浜松市の姉秀子さん(82)宅に発送された。
国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」と支援者が同市内で記者会見した。手紙は段ボール6箱分で、支援者が1通ずつ確認。26カ国からのはがきや封書で、大半が激励や誕生日を祝う内容だった。
刑事収容施設法は、確定死刑囚が手紙をやりとりできる相手を原則として(1)親族(2)結婚、裁判、事業などのために必要な人(3)心情の安定に役立つ人−−に限定。このほか、「拘置先の施設長は、やりとりを必要とする事情があり、施設の規律や秩序を害す恐れがないと認める時は許すことができる」と規定している。手紙の内容は職員が検査する。
袴田さんは80年に死刑が確定。拘置所に保管されていたとみられる手紙は81年以降のもので、死刑確定以前はやりとりをしていたとみられる相手からの手紙もあったという。
弁護団の村崎修弁護士は「手紙は死刑囚の心の支えになるのに、心の平穏を理由に外部との接触を制限したとすれば、法の趣旨と矛盾している。長期にわたり拘置し続ける場合は人道的な配慮を考えるべきだ」と話している。【荒木涼子】
袴田事件:袴田さんへ届かなかった1万通 釈放後に返還、支援者の手紙公開
毎日新聞 2015年05月06日 中部朝刊
1966年に静岡県で起きた強盗殺人事件で死刑が確定し、静岡地裁の再審開始決定で釈放された袴田巌(いわお)元被告(79)の支援者らが5日、拘置中に袴田さん宛てに国内外から届いた計1万3488通の手紙を公開した。拘置中には手紙の存在自体が知らされておらず、東京拘置所が保管していたとみられ、袴田さんが釈放された昨年3月の翌日の日付で同拘置所から浜松市の姉秀子さん(82)宅に発送された。
国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」と支援者が同市内で記者会見した。手紙は段ボール6箱分で、支援者が1通ずつ確認。26カ国からのはがきや封書で、大半が激励や誕生日を祝う内容だった。
刑事収容施設法は、確定死刑囚が手紙をやりとりできる相手を原則として(1)親族(2)結婚、裁判、事業などのために必要な人(3)心情の安定に役立つ人−−に限定。このほか、「拘置先の施設長は、やりとりを必要とする事情があり、施設の規律や秩序を害す恐れがないと認める時は許すことができる」と規定している。手紙の内容は職員が検査する。
袴田さんは80年に死刑が確定。拘置所に保管されていたとみられる手紙は81年以降のもので、死刑確定以前はやりとりをしていたとみられる相手からの手紙もあったという。
弁護団の村崎修弁護士は「手紙は死刑囚の心の支えになるのに、心の平穏を理由に外部との接触を制限したとすれば、法の趣旨と矛盾している。長期にわたり拘置し続ける場合は人道的な配慮を考えるべきだ」と話している。【荒木涼子】