橙

橙や小犬のあとに女きて



　



ミカン科の常緑高木。

インドのアッサム地方原産。

日本には中国から渡来。

果実は黄熟するが、取らずにおくと翌年の夏には緑色に戻るの

で「回青橙」とも呼ぶ。






橙の生る青空の深かりき



　

冬館

池の辺の風見鶏ある冬館



　



冬に備えたしつらえをした大きな屋敷や洋館をいう。







池に面したところに宮殿のような洋館があった。

屋根の天辺には風見鶏があり、北東を指していた。






高台に見上ぐるほどや冬館



　

冬蔦

冬蔦に木漏れ日のある城址かな



　



ウコギ科の常緑蔓性木本。

一般的には「木蔦」というが、普通蔦は落葉するのに対し、木蔦

は冬でも青々としているところから「冬蔦」と呼ぶ。






　

寒の内

池の辺の寒のイタリアレストラン



　



寒の入りから寒明けの前日までの約三十日間をいう。







池に面したところにイタリアレストランがあった。

丁度昼になったので入ってみた。

人気があるらしく、すでにほとんどの席が埋まっていた。

だが、運よく二階に席が空いていたのでランチを頼んだ。

地元で採れた野菜だけを使っているという料理で、ウェイトレス

が一つ一つ説明してくれた。

窓からは鴨のいる池が見えた。






池望む四阿にをり寒の内



　

冬の水

木を映す鏡となりぬ冬の水



　



冬の水はよく澄んでいるが、動きが重い。







風が吹かなければ、周りの木々を映す鏡となる。






棒として人を映しぬ冬の水