俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

枯蓮

2022-11-30 | 俳句・冬・植物

 

 

絶望といふさまなりし枯蓮

 

 

 

 

 

 

枯れ果てた蓮の姿をいう。

 

 

 

 

 

 

蓮は、冬になると枯れて茎が折れたり、水中に没したりと哀れな姿を見せるようになる。

 

 

 

 

 

 

この頃になると、水の涸れた蓮田で蓮根掘りが始まる。

 

 

 

 

 

 

枯蓮の池があった。

見ていると、枯れた葉はうなだれたように下を向き、皆絶望を絵に描いたような姿をしていた。

 

 

 

 

 

枯蓮の水漬きて揺るることなかり

 

 

 

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朴落葉

2022-11-29 | 俳句・冬・植物

 

 

用水に散りしもあらむ朴落葉

 

 

 

 

 

 

モクレン科の落葉高木。

日本特産。

山中に自生する。

 

 

 

 

 

 

葉の長さは30センチ以上あり、芳香がある。

 

 

 

 

 

 

朴の葉は大きいので、木の周りの広い面積におびただしく散る。

 

 

 

 

 

 

用水沿いの道に朴落葉が見られた。

おそらく、用水に散って流れて行った朴落葉もあるだろう。

 

 

 

 

 

朴落葉寺領の森を歩ききて

 

 

 

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蜜柑

2022-11-28 | 俳句・冬・植物

 

 

日を返す蜜柑に足を止めにけり

 

 

 

 

 

 

ミカン科の常緑低木の実。

温州(うんしゅう)蜜柑の類、あるいは柑橘類を総称していう。

 

 

 

 

 

 

日当たりのよい、排水のよい土壌によく育つ。

 

 

 

 

 

 

産地は愛媛、静岡、佐賀、長崎、和歌山、熊本などがある。

 

 

 

 

 

 

とある家の塀の上に蜜柑が生っていた。

冬の日を返して艶やかに輝いていたので、思わず足を止めて眺めていた。

 

 

 

 

 

蜜柑むく暇といふにはあらねども

 

 

 

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冬三日月

2022-11-27 | 俳句・冬・天文

 

 

冬三日月雲に隠れてしまひけり

 

 

 

 

 

 

三日月は陰暦の月の三日目に出る月。

また、その前後の細長い弓形の月をいう。

 

 

 

 

 

 

従って、「冬三日月」は冬の時季に見られる三日月をいう。

 

 

 

 

 

 

冬三日月は寒々と冴え、冷え冷えとした思いになる。

 

 

 

 

 

 

夕方、冬三日月が出ていた。

見ていると、次第に黒い雲が流れてきて、隠れてしまった。

 

 

 

 

 

冬三日月束の間見えて雲の間

 

 

 

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枯芒

2022-11-26 | 俳句・冬・植物

 

 

池めぐりきて逆光の枯芒

 

 

 

 

 

 

穂も葉も枯れ尽くした芒をいう。

 

 

 

 

 

 

風に吹かれる姿は侘しいが、そこにまた一つの風情がある。

 

 

 

 

 

 

芭蕉や蕪村には「枯尾花」の用例が多く、花穂の枯れようの哀れを中心に詠んでいる。

だが、現代では「枯芒」と詠むのが一般的で、華やかさも詠むようになった。

 

 

 

 

 

 

池の周りを歩いてくると枯芒が群生していた。

そこから見ると、枯芒は逆光で輝いて見えた。

 

 

 

 

 

水車小屋前奔放や枯すすき

 

 

 

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