俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

茅の輪

2016-06-30 | 俳句・夏・人事




夕暮の茅の輪をくぐる女かな



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旧暦六月晦日に行う大祓の神事を「夏越(なごし)の祓」と

いう。

新暦となってからは六月三十日、七月三十一日に行う神社

と様々。

旧暦十二月の晦日を年越というのに対し、六月の晦日を夏

越と呼ぶ。







夏越の神事として、浅茅を輪形に作った茅の輪または菅貫

をくぐり、穢れを落とし祓い清める方法がある。




乃木神社



乃木神社に茅の輪があるという情報があったので、参拝した。

夕暮時であったので、しんと静まり返った境内には茅の輪を

くぐろうとする女性がひとりいただけである。

茅の輪をくぐるのは初めてで、通った瞬間清められたような

気がした。






幾人(いくたり)もくぐりし茅の輪暮れむとす



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沙羅の花

2016-06-29 | 俳句・夏・植物




傘いらぬほどの雨なり沙羅の花



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ツバキ科の落葉高木。

福島以南の本州、四国、九州の山地に自生し、庭木として

植栽もされる。







六~七月頃、椿に似た白色の五弁花をつける。

正式名称は「夏椿」。

インドの沙羅樹とは別。







沙羅の花がぽつぽつと咲き出していた。

そこへほとんど傘を差さなくてもよいほどの細かな雨が降っ

ていた。






沙羅落花口ついて出し波郷の句



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黒南風(くろはえ)

2016-06-28 | 俳句・夏・天文




黒南風の池にボートのなかりけり



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梅雨時の暗く陰鬱な空模様のときに吹く湿った南風をいう。







普通は柔らかく吹く風だが、時には強風となり吹き荒れるこ

ともある。

これを「荒南風」といい、漁師は出漁をやめ、船も難航する

高波となる。







黒南風の吹く中、池にはボートで遊ぶ姿が一つも見られな

かった。

ボートも夏の季語だが、主となる季語は黒南風。






黒南風や芝生を歩く人ひとり



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アカンサス

2016-06-27 | 俳句・夏・植物




丸テーブルにアールグレイやアカンサス



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キツネノマゴ科ハアザミ属の大形多年草。

南ヨーロッパ原産。

日本では葉薊と呼ばれる。

葉は薊に似て深い切れ込みがあり、常緑。

夏、白または紫色の唇形花を穂状につける。

ローマ時代から庭園に植えられ、葉の図案化されたアカン

サス文(もん)がコリント様式の柱の飾りに見られる。







歩き疲れて少し休憩を取ろうと、銀色の丸テーブルでアイス

のアールグレイを飲んだ。

近くに咲くアカンサスを眺めながら。






アカンサス午後より雨と予報あり



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金糸梅

2016-06-26 | 俳句・夏・植物




池に伸び茶室の前の金糸梅



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オトギリソウ科の半落葉性小低木。

中国原産。

日本には宝暦十年(1760)に渡来したとされる。







観賞用に暖地の庭などに植えられ、切り花にも用いられる。







夏、枝先に黄色の光沢のある五弁花をつけ、糸のような雄

蕊も黄色で花の内側に密集する。







池の上に枝を伸ばした金糸梅が花を咲かせていた。

そこは茶室の前の池の縁であった。






金糸梅水音近くしてゐたり



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