俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

冬の月

2020-11-30 | 俳句・冬・天文




世の浄化冬満月に祈りけり




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澄み渡った大気の中で研ぎ澄まされたように輝く月

である。







秋の清らかな美しい月とは違い、冬の月は徹底した

孤高な美を本意とする。







見る人が心を覗かれたような覚めた感覚がある。







冷え冷えとした凄みがある。







新型コロナウイルスが勢力を増している世の中を

明るい冬満月が照らしていた。

満月の光で浄化して欲しいと祈った。






吠えゐたる犬啼き止みぬ冬の月




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冬田

2020-11-29 | 俳句・冬・地理




一望の秩父盆地の冬田かな




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稲を刈り取ったあとの荒涼とした田をいう。







冬枯れの田である。







水を抜いて乾いた田の刈り跡に、晩秋に生えた

ひつじもすっかり枯れ果てた状態となる。







傍題に、「休め田」「冬田道」「雪の田」などがある。







見晴台に立つと、眼下に秩父盆地の冬田を一望する

ことができた。






札所へと向かひて歩く冬田道




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大根

2020-11-28 | 俳句・冬・植物




大根を横目に札所巡りかな




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アブラナ科の一、二年生根菜。







中央アジア原産とみられる。







主に地下の長大な根を食べるが、葉も食べられる。

種類により根の形と大きさは異なる。

有名なものに、練馬大根、三浦大根、聖護院大根、

桜島大根などがある。







煮物、おでん、風呂吹き、酢の物、大根おろし、漬物、

刺身のつまなど、料理の用途に応じて用いられる。







大根畑に首を出した大根を横目に見ながら、秩父の

札所を巡った。




柚子大根


大根を袋に揉んで昼餉とす




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銀杏落葉

2020-11-27 | 俳句・冬・植物




帰らむか銀杏落葉の円を踏み




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銀杏はイチョウ科の落葉高木。







黄葉や落葉は他の落葉樹に比べて遅い。







並木道や公園を金色に染めている銀杏落葉は、

初冬の美しい景である。







銀杏落葉が絨毯のように敷かれた上を歩いて行く

のも心地よい。







一本の銀杏の木の下に落葉が円形に敷かれていた。

その上を踏みながら帰ろうと思った。






下校児の連なり銀杏落葉かな




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冬木の桜

2020-11-26 | 俳句・冬・植物




滝の如枝垂れ冬木の桜かな




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桜紅葉が散り尽くし、一枚の葉もなくなってしまうと、

桜は枯れた姿となる。







花時の華やかさを内に宿した枯姿に、俳人は趣を

感じてきた。







「冬桜」は冬季に咲く桜をいうが、「冬木の桜」は花

ではなく木の姿を指す季語である。







冬の桜の黒々としたシルエットは、力強さを感じ

させる。







冬木の枝垂桜が葉を落として立っていた。

その枝垂れる姿が滝のようであった。






その下にただ見上げをり枯桜




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