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村娘の衣装で春を祝う




ディアンドルDirndl。

ヨーロッパの愛らしい民族衣装。
ジゼルも、スワニルダ(コッペリア)も、ハイジも、マリア(サウンド・オブ・ミュージック)も着用している。バイエルンとオーストリアをはじめ、アルプス地方一帯の伝統的なドレスである。




ウエストをバルコネのボディスでしめつけ、胸を強調、ふんわり広がったスカートに大きなリボン、胸元には白いフリルやレース、エプロンつき...かわいい、かわいい、わたしも着てみたい。




もともとは各国にまたがるアルプス地方の農民の服装だったが、18世紀の宮廷で取り入れられ、19世紀には都会のファッション・シーンを席巻したそうだ。
普通、流行は上から下へ流れるものだが、こういう現象もあるんですね!

18、19世紀にはナショナリズムと自然回帰が大流行した。
典型的な「地元の「田舎」のドレスとして、都会の夏、上流階級の間で好まれたのだ。

フランスの画家ブグローはディアンドルを着た乙女を多く描いており(わたしはブグローが大嫌いだ)、彼の意図はおそらく「純潔」「純真」「素朴」の表現だろう。




実はわたしもディアンドルを着たことがある。
バレエの発表会で村娘役をしたとき、ブルー系のディアンドルのロマンティックチュチュを着た。大切にしてときどき取り出しては眺めていたあの衣装、どこにいったんだろう...

大阪万博のドイツ館では、これを着た金髪の女性がビールを振る舞っていたのも覚えている。




ザルツブルグにも、ウィーンにも、この手のカラフルで魅力的なドレスを売る店はたくさんある。

どこも土産物屋ではない本格的なブティックで、わたしが知らないだけでアルプス地方の人々はこの民族衣装を着る機会が多いのかも。

五月祭では今でも着用するとのこと、今が購入時期、仕立て時期なのかもしれない。
五月祭は古代ローマの祭に起源を持ち、豊穣の女神やニンフに供物が捧げられた。夏の豊穣を予祝するのである。

そういえばジゼルは五月祭で「五月の女王」に選ばれるのだ...




花のような色のディアンドル。
春の到来を祝う。
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