第4078話 恋に至る病

2024年05月25日 10時00分00秒 | 創る(フィクション・ノンフィクション)

これは 恋愛なのか、洗脳か?

斜線堂有紀著「恋に至る病」

彼女は

誰一人として愛さなかった化物か、

ただ一人だけは愛した化物か。

 

(以降、ネタバレ含む)

彼女は なぜ「それ」を

肌身離さず 持っていたのか・・・

一読目(後)の私は、「それ」が証。

(なんという小道具センス!)

どこでどんな風に「それ」が出てきたのか

思わず、ページをさかのぼる。

 

恋愛脳で考えるなら

彼女(景)は、いじめるためではなく、

好きな人の、

名前の書かれた消しゴムだけ を入手。

それ以後の いじめについては

ノータッチだった(と信じたい派)。

 

他の読者がどう考えているのか検索。

私の解釈(願望)は少数派だと知る。

 

「恋に至る病」はタイトルに惹かれて。

みなが言う(帯文)ラスト4行の衝撃

を 知らずに読んだので

それ ではなく、他の場所で

衝撃を受けていた初心者ならではの解釈。

 

結末を知って読む、時を経て読む、

二読目、三読目は また解釈が異なるのだろう。

そんな幅ある作品の味変を後日の楽しみにしたい。

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第3937話 何も生み出せないと思っているあなたへ(後編)

2024年01月04日 10時00分00秒 | 創る(フィクション・ノンフィクション)

何も生み出せないと思っているあなたへ

 

あなたが 呼吸するたび

咲く 花があるのです

あなたが いるだけで

変わる 空気があるのです

あなたが いることで

誰かの 心が揺さぶられるのです

あなたの存在に 意味があるのです

 

何も生み出せないと思っているあなたへ

 

あなたは この世に生を受けた奇跡に

ただ 感謝するだけでいいのです

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第3936話 何も生み出せないと思っているあなたへ(前編)

2024年01月03日 10時00分00秒 | 創る(フィクション・ノンフィクション)

どんなに望んでも

子を授からないこともあるでしょう

たとえ 親になれなくとも

あなたが 子として 誕生し

誰かと 共にあることに

意味があるのです

 

どんなに望んでも

誰も愛せないこともあるでしょう

たとえ 独り身であっても

あなたが 子として 誕生し

あなたが 自身を愛することに

意味があるのです

 

どんなに望んでも

手に入れられないものもあるでしょう

あなたが思い描いた未来を

成し得ることができなくとも

あなたが 子として 誕生し

あなたが 日々 生活を営むことに

意味があるのです

 

つづく

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命ある限り、一心に(和菓子isshin・濱田一信)

2023年09月16日 10時00分00秒 | 創る(フィクション・ノンフィクション)

命ある限り!

一生わらび餅職人・濱田一信

 

今回、インタビューさせていただきましたのは、

和菓子isshin(いっしん・大阪市中央区北久宝寺町1-2-14)店主、

濱田一信さん。 唯一を信じる と書いて、一信さん。

店の名は、ご本名である「一信」から「isshin(いっしん)」と命名。

 

濱田さんの一日は、開店前の仕込みから始まる。

11時 開店後、昼食を食べることなく、食事は一日一回。

閉店後も 3時間の仕込みを終えてから 帰宅。

定休日である日曜日と月曜日も 仕込みと経営業務をこなし、

一年365日、わらび餅と向き合っている。

 

一心に、

祈りを込めて

 

時はさかのぼり、濱田さんが京都の老舗和菓子店で修業時代。

濱田さんは、上生菓子の展覧会(個展)で 手作りのわらび餅を振る舞っていた。

「お客様に 何も食べられない時も

僕(濱田さん)のわらび餅だけは食べることができる

と言ってくださる おばあさんがいて・・・」

2011年3月11日(東日本)大震災 翌日の個展では

わらび餅を振る舞わず、展覧会(個展)を見てもらうだけにした

のだが、そこにおばあさんのご親族がお越しになり、

『わらび餅を食べてくれたお母ちゃんが亡くなったから、

今日は仏さんにお供えしようと思って。今までありがとう』

と言って、泣いて喜んでくださった。

その時 感じた「人が求めているのに、なぜ作らなかったのか」の後悔、

「いつまで生きられるか、わからないからこそ」の決意。

震災へのどうしようもない気持ちと自分のわらび餅が「人のためになるなら!」と独立。

同年2011年12月7日に和菓子isshinオープン、今年12年目を迎える。

 

これからも

信念を貫き、作り続けていく 

 

濱田さんの「オリジナル黄金レシピ(私の勝手な命名)」への道のり を問いますと、

「僕にとっては、美味しいと思うものを作るのは 当たり前の話で、

費やした時間や年数は関係ない。要は、人が美味しいと思うかどうか。

味覚や流行は変わっていく。時代の流れが影響するので

レシピが完成することはない。

ずっと同じ、を貫いていてもダメ。 天候も温度も、水の温度も違うからこそ

毎日食べて 変化(進化)し続けなければならない」とのお言葉。

 

今現在、店をひとりで切り盛りしている濱田さんは続ける。

「ひとりだから、ひとりでできることを考え、死ぬまで わらび餅を作り続けたい。

自分と共感できる人や協力者がいるなら ひとりでも多くの方に食べてもらいたい。

生きている間に。人のために、自分ができることをしたい。

そのために、自分は人として この世に生まれてきたのだ」と。

そんな濱田さんの幸せを感じる瞬間は、一日の終わりに

その日、ご飯を食べさせて頂けるという感謝。安心感だと言う。

 

感謝、優しさ、思いやり

想いの強さをつめこんで

 

濱田さんが嫌うのは、自分が作った和菓子を捨てること。

「雨の日も 嵐の日も 雪の日も 人に求められるお菓子を作りたい」

インスタグラムでは、

クセ強独り身店主が営むわらび餅専門店 と紹介されていますが、

クセではなく、想いが強い職人さん。

濱田一信さんは その名の通り、

命ある限り 信念を貫き続けている わらび餅職人 でした。

 

そんな濱田さんに私がキャッチコピーをつけるなら・・・

 

命ある限り! 一心に。

一生わらび餅職人・濱田一信

 

です。

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第3587話 「でんでんむしのかなしみ」と編集後記

2023年01月28日 10時00分00秒 | 創る(フィクション・ノンフィクション)

「おしゃれなでんでんむし」は

(すべて ひらがなで書かれた)

新見南吉の「でんでんむしのかなしみ」を

ベースにアレンジしたもの、

オマージュ(のつもり) です。

 

私がえがいた でんでんむしは

み映え ばかり気にしていますが、

新見南吉の でんでんむしは からの中に

かなしみが いっぱい つまっています。

 

でんでんむしは きが つきました。

「かなしみは だれでも もっているのだ。

わたしばかりでは ないのだ。

わたしは わたしの かなしみを

こらえて いかなきゃ ならない」

 

あぁ、私も いつか!

素敵な童話を書けますように・・・まずは、

絵本と童話、小説の違いって? から ww

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第3586話 おしゃれなでんでんむし(急)

2023年01月27日 08時00分00秒 | 創る(フィクション・ノンフィクション)

 こうして、おともだちを じゅんじゅんに たずねて いきましたが、

どの ともだちも おなじ ことを いうのでありました。

とうとう はじめの でんでんむしは きが つきました。

「くらい から わたしの きれいな もようが めだたないのね。

もっと この からが めだつばしょに いって

映えるしゃしん を とれば いいのよ。」

 

 そして、この でんでんむしは その からが めだつよう

ほんらい かくれていなければならない ひるま の、

みどりの は のうえに いきました。

「やっぱり。 おもった とおり、

あかるい ひのひかり のほうが めだつわ。 とっても きれい。」

 

そういって ほほえんだ きおくを さいごに

はじめの でんでんむしは きを うしないました。

めだつ でんでんむしの からを とりが みつけて たべてしまった のであります。

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第3585話 おしゃれなでんでんむし(破)

2023年01月26日 08時00分00秒 | 創る(フィクション・ノンフィクション)

「これは、けしょう というものよ。

あなたの その じみな からより ずっと すてき でしょ。」

と はじめの でんでんむしが はなしました。

すると、おともだちの でんでんむしは いいました。

「いいね。 とても すてき だわ。 

ほかの でんでんむしにも みせにいっては いかがかしら。」

 

そうね、みんなに みせびらかさなきゃね とおもって、

はじめの でんでんむしは、 べつの おともだちの ところへ いきました。

 すると、その おともだちも いいました。

「いいね。 とても おしゃれ だわ。どこか おしゃれなばしょ にいって

しゃしん をとって みせたら もっと すてき になるんじゃ ないかしら。」

 

そこで、はじめの でんでんむしは、 しゃしんを とって

また べつの おともだちの ところへ いきました。

「いいね。でも このしゃしん じゃあ、 くらくて よく もようが みえないわ。」

(明日につづく)

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第3584話 おしゃれなでんでんむし(序)

2023年01月25日 08時00分00秒 | 創る(フィクション・ノンフィクション)

いっぴきの でんでんむしが ありました。

ある ひ、その でんでんむしは、

たいへんな ことに きが つきました。

「わたしは、いままで うっかりして いたけれど、 

わたしの せなかの からに だれもが うっとりするような

うつくしい もようを えがくのは どうかしら。」

 

でんでんむしは、だれよりも めだつよう からに

にじいろの もようを ぬりました。

この よろこびを どう したら よいでしょう。

でんでんむしは、おともだちの でんでんむしの ところに やって いきました。

「どう? すてき でしょ。」

と その でんでんむしは おともだちに いいました。

「なんですか。」

と おともだちの でんでんむしはききました。(明日につづく)

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第3545話 あか・しろパンダ(編集後記)

2022年12月17日 08時00分00秒 | 創る(フィクション・ノンフィクション)

「あか・しろパンダは ごきげんパンダ」

(第3539~3544話)は第4作目になります。

3作目「ぼくのママはバクバクザウルス」

に続き、4作目も息子にみせる。

「これ、俺のこと?」

「そう、オレのこと」

 

アトピー性皮膚炎と食物アレルギー。

我慢できない 痒み とのたたかい。

今も お弁当に卵料理(他)使えません。

ですが、体質なので

つきあっていくしかないのだと・・・

 

本来は 特性 だと思いますが、

音の響きから 個性 にしました。

3作目に続き、4作目も

「そんな簡単なものではないだろう!」と

人によってはご不快になったり、

お怒りをかうかもしれませんが、

シンプルに捉えることで

少しでも前向きになれたら と創りました。

 

世界が平和でありますように・・・

の思いも込めて。

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第3544話 あかしろパンダはごきげんパンダ(最終回)

2022年12月16日 08時00分00秒 | 創る(フィクション・ノンフィクション)

「黒いんだよ。 ほら、ね!」

「えっ、みんな 白いんじゃないの?」

おばあちゃんは 笑って

「わたしのしっぽは みんなとちがうから

すぐに わたしだって わかるんだ。

いいだろ? すてきだろう?」

といって 胸をはった。

 

ぼくは 赤・白だから みんなとちがう

って ずっと 悩んでいたけれど

他にも ちがうところが いっぱいあった。

「みんなと ちがうところが

きみだけの 個性 なんだよ。」

おばあちゃんが 教えてくれた。

「こせい?」

「じぶんだけにしかない 特長が

かけがえのない きみの個性 なんだ。」

おばあちゃんは ウィンクして 笑った。

 

早く 学校に行って ぼくと みんな

どんなところが いっしょで 

どんなところが ちがうのか

みんなのことを もっと 知りたい。

ぼくは マスクをとって 走った。

頬にあたる風が 気持ちよくて

いつのまにか 笑っていた。

ちがうところが、すてきな個性。

ぼくは ごきげんだった。

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