第150話 未熟母

2007年07月31日 07時55分36秒 | 子育て・「おママごと」

2007年7月3日、3,030g、男の子。
誕生後すぐ保育器へ…母子対面できず。
難産による新生児仮死。

翌日、保育器前での親子初対面、長引いた分娩、産道の長旅に
疲れきった我が子のどこか大人びた目を見て、言葉を失う。
正面きって、ママですと素直に言えない。

産前、母子同室可能な個室入院を希望。
産後、子不在の個室で子供の写真を見て過ごす。
助産婦さんが撮ってくれた保育器の中の我が子。
生まれた日の写真はこの一枚だけ。今も私のお気に入り。

ようやく小児科の先生より母乳を与えてもよいと許可が降りる。
手と足の点滴に加え、顔には目隠しが。
黄疸発生による光線治療の為の目隠しである。
目を覆われた我が子を前に、ママという一言を発することができない。
難産の負荷を子に背負わせた自身を責めている?そんな意識はない。
子に対する負い目?引け目?のようなものなのか…
それは無意識に近い深いところで、僅かだが微かに、
でも、確かに在るひっかかり。

初めての母乳、目隠しをした我が子が体を弓なりに、おっぱいを拒絶。
体を反り激しく泣く子を抱え、看護師さんにこれはどうしたことかきく。
生命維持を最優先に、哺乳瓶で糖水やミルクを与えた為の乳頭混乱だという。
会えない間に、人工乳首を先に記憶してしまっていた。
私は産んだだけだ…涙があふれた。

吸われることなく張ってくる胸の痛みを除き、私の体だけ順調に回復。
母子共の退院は無理だという。
光線治療中の為、授乳制限時間(=子供との面会時間)は30分。
吸え・吸わないの格闘・徒労の30分、この時間の為に
病院にとどまることを決意(母体は健康の為、継続の入院は保険対象外)

ガラス越しに子供の容体をただ見守るだけの日々。
授乳室に通い、手足に残る点滴の青いアザを見ては泣き、
採血時の痛みと闘う泣き声を聞いては、泣く。
頭や肝機能、様々な検査結果がでるまで、祈る事しかできずイライラピリピリ、
身内にあたる。
絶対とか確実に大丈夫とか…断言不可能な言葉にすがりつきたくて
不安で、不安で、どうしようもない私に主人が
「普通に、安産健康体で生まれても何が起こるかわからない。
色々あるよ。強くならないと」
そうだね…母は強くならないとね。

引き続き検査通院はあるものの、母子共の退院。
ようやく私も年中無休の育児生活スタート。
出産後約1ケ月、育児に不慣れな未熟母誕生(低出産体重母とは言いがたく…)

いや~のっけから色々ありました~

出産直後のカンガルーケア、生まれた我が子になんと声をかけようか…
なんて想像と現実は違って、育児書通りになんていかなくて。
もちろん、これからも色々ありそう。

出産報告、大変遅くなりましたが、私もオカンになりました。
いや、なっていきます!
否、なってみせます!!


コメント (17)
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