第408話 見えぬものでもあるんだよ

2011年12月31日 03時09分14秒 | Weblog

今、映画「八日目の蝉」を見終わったところ。

泣きすぎてこのまま寝ては目が腫れると、何気に立ちあげたパソコンのニュースで、
「トンネル内で衝突事故 はねて死なせたのは、偶然 息子だった」
早朝、「大型重機にひかれ 新聞配達の女性死亡」のニュースを見て、
37歳(女性)って子供は? いるのだろうか? などとひきづって、
留めが 母親が息子をって、今日はヘビーすぎる。
記されていない その後 を思うと いたたまれなくなる。

年末なので、テレビでは今年を振り返ってのニュースが多い。
3.11 その後 に涙する。
あの日から 安心とか 安全とか 100% 信じきることができず、
目に見えない不安 を感じている。

大切なものは 目に見えないんだよ。 星の王子様の台詞を思い出す。
もうすぐ今年が終わる。
目に見えない不安 ばかりではなかったはずだ。
漠然とした不安より、
見えない 大切なもの を感じながら、新しい年を迎えようと思う。

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第407話 こどものうた

2011年12月29日 07時09分32秒 | 子育て・「おママごと」
息子の歌うアカペラが沁みる。
「それ、なんていう歌?」
「おひさまになりたい」
「保育園で習ったの?」
「うん」
「もう一回、歌ってくれる?」


だれかを 好きになると
心が あたたかくなる
むねの中に おひさまが
できたように あたたかくなる
スキスキ ダイスキ
スキスキ ダイスキ
たくさん たくさん
好きになって
おひさまに なりたい

だれかを 好きになると
心が やわらかくなる
うまれたての 草のように
やさしく やわらかくなる
スキスキ ダイスキ
スキスキ ダイスキ
たくさん たくさん
好きになって
風に ゆれていたい    作詞・新沢としひこ 作曲・中川ひろたか ♪

「いい歌だね~」
「もう一回、歌ってくれる?」
「うん」
ゆたんぽを抱いたように あたたかくなる夜。
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第406話 疲れた体に・2

2011年12月27日 14時16分38秒 | Weblog
第356話・疲れた体に 第2弾。
その真面目さが、その懸命さが、笑いを誘う。

面白すぎる 新型ASIMO君 
アドレスは http://www.honda.co.jp/ASIMO/about/technology2011/index.html

特にお勧め(動画)は 動いている人を避けながら歩行する「人混在移動」映像。
このおどおど感がたまらない シャイなASIMO君をどうぞご確認くださいませ。

あなたも ロボット技術の発展と 人間のすばらしさを 感じるに違いありません。
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第405話 ベタだけど

2011年12月24日 07時02分39秒 | Weblog

チャペル式。
椅子の上にはバラの花。
新郎(弟)入場。
その昔、男性が花をつんで女性にプロポーズをしたという。にちなんで、
客席から花を受け取りながら、歩いてくる演出。
新郎、受け取った花を束ねてブーケを作る。
続いて、新婦入場。
人前式。新郎新婦見つめあい、公開プロポーズ。
弟「これからも となりで ずっと 笑い続けて いてください」

素敵なプロポーズの言葉から始まり、私の知らない弟の顔が見えてくる。
2人の出会いは、新婦が自分とお母様の自転車2台を押して帰らなければならなかった道すがら、
うまく進めない新婦を新郎が助けたことがきっかけ。
生い立ちの写真(history)の後に続く2人の写真(story)はUSJ入口スナップなど
デートスポットを巡る。
彼女の誕生日に手作りのサプライズ・ケーキ。
極めつけは、昨年のクリスマスに彼女に内緒で買った指輪でサプライズ・プロポーズ。
ベタやなぁ~(笑) ベタだけど、本当に仲がいい2人・・・

弟が2月に入籍すると言った時は驚いた。
どうしてそんな急に?!
彼女が誕生日を迎える前に入籍したいから、らしく、
彼女が弟より4つ年上であることにもっと驚いた。動揺隠せぬ私に
「彼女のお姉さんは泣いて喜んでくれた。祝福してくれ」と言われたあの日からずっと、
弟夫婦はいつもニコニコ、ベタベタしている(笑)
弟にとって運命の人はこの女性なのだと観念せざるをえない。
謝辞原稿こそ頼まれたが、あとはすべて弟たち2人で準備したもの。
2人らしく笑いあふれる素敵な結婚式であった。

追伸。
友人のスピーチに私の知らない弟を見、
普段は照れくさくていえない両親への感謝の言葉を伝えることができる。
弟はよき友人に恵まれ・・・改めて、結婚式はよきものだと思う。

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第404話 ゴーストライター

2011年12月22日 06時57分19秒 | Weblog

弟の結婚式が終わり、ほっとしている。

仏教では、四十九日を経過してやっと死後の行き場所が決まるとされている。
遺族たちは四十九日の忌明けとなるまで供養をして過ごすため、
本来であれば、喪に服すため祝い事は避けなければならないであろうが、
祖母が楽しみにしていた結婚式・・・既に招待状発送後、
貴重な休日に予定をあけご臨席くださいますご友人の方々のご都合とご負担。
新婦側の祖母は90歳、延期することがよいのかどうか・・・
迷った挙句、祖母の三十五日を済ませ(3ヶ月にまたがらないようにし)、
予定通り執り行うこととした。
弟たちも結婚式しか予定していなかったのだが、友人たちのご厚意により、
急遽二次会も行うこととなった。

父は新郎の父として挨拶をしなければならない。
父は真っ白になった過去のトラウマが蘇るようで、スピーチすることに緊張している。
「お父さん、大丈夫。私が短くていいのを考えてあげるから」
弟の友人から母に電話があり、二次会時の息子に向けて手紙(サプライズ)を書いて欲しいとの要請が。
法要の準備等で忙しく、ここで母が体調を崩してはいけない。
「お母さん、大丈夫。私が考えるから休んで」
新郎は新郎で式前、仕事も準備も忙しくなり「挨拶文、助けてくれ」と・・・もう!

仕方がない。精神模写、開始。
弟の視点になりきって、文章を考える。母の今までの会話を繋ぎあわせ、文章を考える。
それぞれの文章を渡す。母が「お母さんもこれ、思ってた」と。
そりゃそうだろう、家族で交わした会話をつなぎあわせ、
嘘偽りなく、それぞれの気持ちに添ったもの。
ある時は父になり、またある時は母になり、真ん中ポジションだからって弟にも。

当日、弟の締めのスピーチ。
父と母に贈る言葉のくだりは涙して語っている。
涙でつまり、途中、会場から「がんばれ!」の声援を受ける場面も。
見事人の原稿を自分のものにし、感動のフィナーレを飾る。
弟の、スピーチに涙した父と母が式後に言う。「あの子は優しいから・・・」
おいおい、正解はあの子は甘えん坊だからなんですけど?
ま、弟が素直に感情移入できる文章を作ることができたのだ。
自称、とーま家の樋口一葉? とその仕上がりに満足する。

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第403話 君の名は(3号車)

2011年12月16日 05時50分36秒 | 子育て・「おママごと」
おじさん一行と別れてから5分後、
私は名前すら知らなかったことを強烈に後悔することとなる。

到着30分前というところで、息子が寝てしまう。
自分が買ったお土産とツアーについているお持ち帰り品、そして、熟睡の息子。
パパに迎えを要請したものの、私一人でどうやってバスを降りようか・・・
「これで、お荷物全部ですか?」
顔をあげると、おじさんの息子さん(とおぼしき人)。
手には棚の上に置いていた私の荷物。
「はい。でも、主人が迎えに来てくれますので・・・」
「バスを降りるまで、お手伝いしますよ」 おじさん一行には最後まで助けられた。

「はい」
息子さんは待っていた主人に私の荷物とお土産を手渡してくれた。
おじさん一行と別れ向き直ると、添乗員さんがお持ち帰り用の発泡スチロールケースをひとつ持っている。
私が最後だ。 私の分は今、息子さんからいただいた。
どうしてひとつあまるんでしょうね・・・添乗員さんが笑う。
何かひっかかりを覚えたが、降車が最後で、あまったからといって私がいただけるわけではない。
不思議顔のツアーコンダクターさんを残し、私は主人の車に乗り込んだ。

あっ!
発車後、不意におじさんたちのやりとりが思い出され、謎が解けた。
おじさん「柿、1箱余計やったなぁ」
息子1「柿、捨てて帰ったら?」
息子2「俺もその意見に賛成!」
おじさん「宮内庁進物用で糖度20%。20%やねんぞ!!」
きこうとしてきいていなかった会話が、鮮明に思い出される不思議。
フラッシュバックは会話だけでなく、映像も。
おじさん一行は3人だからお持ち帰り用発泡スチロールケースは3つ、
なのに、別れ際、2つだった!
そういえば、別れ際、息子さんが一人不在であった。
柿の箱も見当たらなかったから、
口ではああいいながら、柿の箱を持って先を歩いていたのかもしれない。
残っていた人の数とお土産の数が一致していたから気づかなかったが、
添乗員さんが持っていてくれたものが私の持ち帰り品で、
今、トランクの中にあるのはおじさん一家から我が家へのご厚意だったのだ!!

「僕たちの分ですが、どうぞ」と添えず、「はい」とだけ。
さり気ないご厚意に気づかず、自分の荷物と一緒に当然のように受け取ってしまった・・・
お土産をいただいたことに対してのお礼を言っていない。
どうしよう。名前も知らない。
旅行会社からおじさんの名前をききだすことは無理であろう。
お礼状を書いて、送付用切手と共に旅行会社に送り、
代理店経由でおじさんにお送りしてもらおうかなどとまわりくどいことを考えたが、
私がご厚意を無にしたことをわざわざはっきりさせることもない。
我々の旅の思い出は、おじさんたちとの出会いと切り絵だ。
おじさんの中にもクマの気ぐるみ上着をきた息子との触れ合いがほんの少しでも
思い出として残っていたら・・・また、いつかどこかで。
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第402話 君の名は(2号車)

2011年12月15日 05時56分08秒 | 子育て・「おママごと」

「ほい」
後部座席のおじさんが息子に切り絵のパンダをプレゼントしてくれた。
「はさみがないから、上手にできてないけどな」
器用に手でちぎったパンダはぼよぼよで・・・その可愛さに親子で大興奮。
パンダの次に、クマ、クマの次にウサギ、ウサギの次にカニ。
息子は「すっげぇ」と大喜び。

サービスエリアでのトイレ休憩後、「おじちゃん、いっぱい紙もらってきたったからな」と
ハイウェイ記念スタンプと書かれた紙で、オニ。ネコ。ブタ。
「はさみがないからブタの鼻がうまくでけへんかったな。ごめんな」の後、
はさみで切ったウシ登場。
振り向くと、眉カットの際に使用する小さなはさみで作って下さっているではないか。
おじさんの息子とおぼしきお兄さんのものであろう。
見ず知らずの私たちのためにハサミをだめにしたのではないか・・・申し訳なくも、
そのありがたさを素直に喜ぶことにした。

ザリガニ。ネコ、マントヒヒ(息子にとってはライオン)、ブタ、キリン・・・
次は何の動物が登場かとできあがるまでの待ち時間も楽しい。
「これ、なに?」
「はんにゃ」とおじさん。
切りにくいといいつつ、はさみを使ったおじさんの作品は芸術の世界へ。
「はんにゃって、なに?」息子への説明に四苦八苦していると、次は女性の顔。
「この女の人が怒ったら、般若になるねん」とおじさん。
能のように女の人から般若の顔が出てくる動きで表現してやるがピンとこないようで、
「ママも怒ったら、こうなる」と説明するとなんとなくわかってくれた模様・・・
次に男の人の顔、アンパンマン、そして、締めは息子の顔。

紙がなくなるまで作ってくれた切り絵の数は、なんと18枚。
おじさん、一体あなたは何者ですか? ご職業は??
男性三人で参加されているようですが、隣りはご子息ですか?
一期一会を楽しむ場であって、根掘り葉掘りきくものではないだろう。
私は勇気なく、おじさんに何一つきくことができなかった。

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第401話 君の名は(1号車)

2011年12月14日 05時56分37秒 | 子育て・「おママごと」

息子が「観光バスに乗りたい」と言う。
乗車したが、最後。逃げ場のない密室空間である。
息子の「乗りたい」という気持ちがあっけなく「降りたい」に変わらないだろうか。
団体行動、集合時間厳守である。果たして4歳児に可能なのだろうか。何より、
停車したサービスエリアに息子の排泄タイムをうまく合わせることができるのか?!
多くの不安とパンツ・ズボンセット(万一の時のための着替え用に)を抱えながら、
息子の願いを叶えるべく、バスツアー(日帰り)に参加することにした。

添乗員さんが「それでは、ご夕食会場に案内します!」
と言った絶妙のタイミングで息子が「おしっこ」と言いだす。
「会場についてから! それまで、我慢できない?」「できない」
すると、そばにいたご婦人が
「おばちゃん、(私が大量に持っていたお土産)持っといたろ。とれへんから、いっておいで」
ご婦人に手荷物を託し、猛ダッシュでおトイレに向かう。
母子二人での参加だったので、差し出された手がありがたかった。

バスの中で寝ると思っていた息子が眠らない。
大きなお砂場を見せてやろうと鳥取砂丘を選んだが片道4時間・・・
私って馬鹿だと後悔した帰り道、後ろから、パンダが!
「ほい」と言って後部座席のおじさんが息子に切り絵のパンダをプレゼントしてくれた。
「はさみがないから、上手にできてないけどな」
旅の行程が記された紙を使って、器用に手でちぎったパンダはぼよぼよで・・・
「いえ、味のあるパンダです! ありがとうございます!!」その可愛さに親子で大興奮。
おじさんが即興で作りあげていく動物の切り絵。
次は何がでてくるのだろうと期待しながらバスの中で過ごしたこの時間が、
実は私のこの旅一番の思い出。

乗車した3号車に小さな子供は息子一人であったのが幸いしてか、
ご年配の方から頭をなでたり、話しかけられたり、
若い女子会グループの方から「可愛い」などと言ってもらえたり。
手を差し伸べてくれたご婦人には、息子と同じくらいのお孫さんがいると言う。
たまたまこのツアーに申し込み、たまたまおじさんの前に座った我々。
手元に残る18枚もの切り絵。
見知らぬ方々とのあたたかな交流にこのバス旅行に来て本当によかったと心から。

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第400話 母娘三代

2011年12月09日 22時33分03秒 | Weblog

「ゆかつぁん」
目を閉じると、おばあちゃんの私を呼ぶ声がきこえる。
ちゃん、ではなく、ちゃんとつぁんの間の祖母独特の呼び方。
おばあちゃんとはよく手をつないで歩いた。
おばあちゃんと何を話していたのだろう・・・思い出せない。
おばあちゃんにとっては子供の私の話などたわいもないこと極まりなかったであろうが、
笑っていたおばあちゃんの顔が思い浮かぶ。

母は長男の嫁である。
祖母と母との間にある嫁と姑の関係を感じることができるくらい私は少し大きくなった。
一緒に歩くと、祖母は私とよく似ていると言われ、嬉しそうだった。
あんなに仲のよかった私たちだが・・・娘は母の味方だ、
私はおばあちゃんのことが好きだけれど、少し嫌いになった。
そのうち、私はときどきおばあちゃんの家にいくようになり、
たまにおばあちゃんの家に行くくらい、大人になった。

お盆とお正月はいつも親族一同集まる。とーま家のしきたりだった。
長男の嫁である母は、お盆の前から買い物に、当日は食事の支度に大忙しだった。
子供たちが食べ、男たちが酒を酌み交わしながら談笑する間も
酒の肴を次々に出さねばならない母はいつまでたっても座って食べることができなかった。
祖父が亡くなり、孫たちも大きくなり、重んじていたしきたりが守られなくなった。
それでも、長男の家族なので私たちは必ず参加していた。
徐々に時間をかけながら、台所に立つ女たちの様子が変わってくる。
昔はよく祖母に怒鳴られていた母、それが、母から諭される祖母に。
台所の中心にいた祖母に代わって、母が中心に作っている・・・祖母は歳をとった。

祖父が倒れてから亡くなるまでの13年間、母は祖父母によく仕えたと思う。
いざという時、頼れぬ息子より献身的に支えてくれる嫁に軍配があがった。
私の父は威張りん坊だけれど、頼りないところがある(笑)それがよかったのか、
祖母と母は父の悪口(決して見捨てることのない愛情ある)を笑いながら言い合える仲となった。

最近は嫁いでも実家近くに住み、お母さんのご飯に頼りながら・・・も多いが、
嫁姑の関係が変わったのはこのマスオさん現象に原因があるのではないかと思う。
赤の他人が夫の家に入り、そのしきたりにあわせ、その味にあわせ、
時間をかけながらその家に馴染んでいく・・・
姓だけは夫のものを名乗るが、味もしきたりも実家流には成し得ぬ母の偉業を見た。
昔はもっとキツかった微笑む母から祖母がどう見えているかはわからないが、
祖母は娘に甘えるよう母に甘えた。
母に頼る祖母を見て、私は「お母さんはすごい女だな」と思った。

息子を産んだ私は祖母の気持ちが少しわかるような気がした。
嫁いだ私は母の偉業に頭があがらない。
祖母、義理の娘、実の娘の三代。
義理の娘は今、息子の祖母となり、娘の私は母となった。ここは、しばらく二代。
嫁姑で苦労した母は、弟の嫁(義理の妹)にしきたりを強制しない。
もう効力のないしきたりであることを知っている母は義理の妹と仲良くやっている。
母は祖母となり、義理の妹に子供が生まれたら、また新たなる三代の幕開け。
次はどんな三代になるのか・・・祖母が命をつなげて築いてきたとーま家、
他家に嫁いだ身、遠くから見守っていこうと思う。

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第399話 職業病

2011年12月03日 07時53分53秒 | 子育て・「おママごと」
子供が生まれてから朝日の差し込む部屋に寝る場所を変えた。
窓際からの冷気を私の体で遮って、息子にまで届かないようにという思いから右手に窓、左手に息子の順。
あれからずっと寝る時は左を向きながら眠るようにしていた。

歯医者さんに行くと「ずっと同じ方向で眠っていませんか?」と問われる。
どうやら長い時をかけ、私の噛み合わせがズレている、
つまり、微妙な顔の歪みが発生しているらしいとのこと。
あぁ、いつも息子の方を向いて、左の頬を下にしていたからだなと。
・・・っていうことは治すには右側を下にして眠ればいいってこと?

夜中に目覚めては、息子の呼吸音のはかなさに息をしていないのではないかと口元に手をやり、
胸に手をおいてはほっと安心してまた眠る。
息子に蹴られて起きれば、息子が北枕で寝ている。どうしようかと息子の頭を覆い隠す位置に移動して眠る。
息子の寝顔を見ながら我が子の可愛さに頭をなでることもあれば、あまりにも主人似なので、暗闇に一人笑うこともある。

あお向けで寝ても、右の頬を下に寝ても、いつも朝は左手を枕に寝ている。
いつの間にか定着してしまった習慣というのか、癖というのか・・・
目覚めると、最初に左手に眠る息子を確認して起きる。
もう、こうなったら仕方がない。母としての職業病なのだと覚悟する。
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