青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

鉄砲注射 ~昭和に消えた超ハイテク注射器!

2022-01-27 | 昭和・思い出は色褪せない

受験生にとっては大変な時期、卒業試験にとっても大切な時期。こんな時期に、まさに本物の感染爆発が日本で起きています。日本中が1つになって食い止めないといけない時に、ワクチンが無い、経口薬が無い、病床が無い、補償が無い・・政治家の無能と、マスコミの日和見的な報道。この2つが日本中を不安に陥れている。政治家、その周囲の人間、マスコミこそ、今は要らないような気がする。現場の人間は必死で頑張っている。まさに今、倍々ゲームのように感染が拡大しているのに、経口薬やワクチンが2月末にはとか、3月には・・?遅すぎる。この2年間何を学び、何をして来たのか?

大勢の人にワクチン接種を行うのに、接種券だ、注射針が、医療者の数が・・いろんなものの不足が訴えられていますが、そんな要素を全て解決するハイテク機器が、70年代に実用化されていたのを知っている人がどれくらいいるでしょう?

それは「鉄砲注射」。正式には「ジェット・インジェクター」と呼ばれていた物です。

写真のように鉄砲に似ているので、僕らは誰彼ともなく「鉄砲注射」と呼んでいました。この注射器には注射針がありません!鉄砲の上に薬の瓶が取り付けられていますが、それが空になるまで複数の人に撃ち続けることが出来ます。針が無いので針の交換も注射器の交換も不要です。

BCG、日本脳炎の予防注射、そしてインフルエンザの予防接種にも使われていました。

僕は何度もこの注射を経験しました。友人たちに訊くと、同じ世代であっても知っている人と知らない人がいます。昭和の子供が多かった時代。1クラス40人が1学年10クラスもあった時代、医師が学校に赴き予防接種を効率良く行うために持って来いの機器です。だから、子供の多い自治体で採用されていたのではないでしょうか?

その仕組みは、針を使わず、圧縮空気で皮膚を突き破り薬剤を注入して行くと言う物。しかし、神経線維を損傷する危険性が高いのと、飛び出した血液によって肝炎が感染する恐れなどから1987年に撤収勧告がなされ、1994年には廃止されていたようです。米国でも2011年に使わないよう呼びかける勧告が出されました。

僕の世代は、まさしく鉄砲注射全盛期だったようです。

針が無いから痛くない?そんなことはありません。撃った瞬間は痛くない?のですが、ジワジワと痛んで来ます。痛いかどうかは個人差がありますが、痛かったのは間違いないと思います。ただ、何百人もの人に針を刺すよりは医師も楽だったのではないでしょうか?注射を待つ間列に並び、終わった生徒に「痛かった?」「どうだった?」とみんなが聞く光景は今でも思い出せます。(笑)

昭和の時代って、意外と危険なものがどんどん使われていた悲惨な1面を持った時代でした。決して映画「3丁目の夕日」の世界のような、ノスタルジー溢れる時代ではありませんでした。営利誘拐や婦女暴行などの性犯罪が、今とは比較にならないほど多かった時代です。

しかし、時代は繰り返すと言うか、米国では2014年8月15日に、使い捨てになるなど改良された鉄砲注射が再び承認されています。ただ、使えるのは18~64歳に特定のインフルエンザワクチンを接種する時だけ。主たる目的は、医療従事者の針刺し事故の回避だそうです。加えて、針が怖くてワクチン接種を拒む人を減らすためだとか。ただし、この改良された鉄砲注射も痛いそうです。