青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

青春時代 ~大学生の将来はどうなる?

2022-02-22 | 昭和・懐かしい北摂の風景

コロナウイルス感染の収束は遠い。子供~学生達の生活は、僕ら大人が過ごした青春時代と比べると、もう壊滅状態です。人格形成をする子供時代も、思春期を過ごす中学~高校時代も、顔を隠し、人と距離を置き、時には在宅学習。友達と触れ合うことが出来ず、人間関係・コミュニケーションの取り方の学習さえ出来ません。

人生で最も大切な大学における4年間。志望校に入る為に受験勉強に励み、その結果手にする2度と帰って来ない貴重な4年間。将来自分がどんな道に進み、どんな人生を送りたいかを模索し、その実現の為に準備をする時間。

学業を修め、部活やサークル活動では心身を鍛え、同級生同士ではなく上下関係を学ぶ。学費あるいは遊興費を稼ぐためであってもアルバイトを通じ、社会人として働くことの片りんを知る。生涯の友人と出逢ったり、異性との交際も経験し、大人への準備をする。旅行、ドライブ、デート、いろんな友人達との交際を通じて、行動範囲を広げ、経験値を上げて行く。海外に活躍の場や時間を得ることも出来る。趣味に没頭することも出来る。

その大学時代の思い出や経験したことが、その先の長い人生の礎となります。

僕の友人達は結婚する時、将来子供たちにパパとママの結婚式を挙げた場所を見せることが出来るようにと、結婚式を有名ホテルで挙げる人が結構いました。その式場、有名ホテルでさえ潰れるのが今の時代です。僕の通った高校も近年移転し、今は全く別の学校になった気分です。友人の大学は有名校でも統廃合によって、もうその場所から消えてしまいました。母校に誰もが思い入れを持っている訳ではないでしょうが、僕には青春の大切な思い出の場所です。

僕が関西大学に入学した当時の、正門付近の光景です。70年代後半の写真です。関大前通りの坂道の桜は寄贈されたもので何本も並んでいたそうですが、この桜が最後の1本でした。桜の左は、長く学生や大学職員に愛された「丸見屋食堂」です。まだまだ学生運動の看板が、正門前に派手に何枚も設置されていました。

こちらは2020年。40年経って、こんなに景色が変わってしまいました。勿論、少子高齢化で学生の数も激減しています。学生時代の思い出は、やはりこのキャンパスの風景、これだけは何年経っても忘れることが出来ません。最初に見た風景は強烈に脳裏に焼き付きます。

校門を潜ると聞こえて来る運動部の練習の声。左手に広がる関大名物のグラウンドには、今は大きな近代的な図書館が建っています。

2015年の春のキャンパス内は桜が咲き誇り、大学近くの一般の方々まで散歩を楽しむほど。そこでクラブやサークルの新入生の勧誘が繰り広げられていました。僕は柔道部で4年間を過ごしましたが、本当に人生の礎となる経験が出来ました。

最近は部活をしない学生が多いようですが、上下関係や社会人としての礼儀、OBから脈々と紡がれている伝統を知ることは、良い意味で素晴らしい経験でした。運動部に噂されるような「可愛がり」・・僕は虐めやシゴキ等と思ったことは1度も無く、文字通り先輩方に可愛がって頂きました。就活の時期になれば今とは違い、OBからお誘いの声を頂いたり、いろんな情報を教えて頂きました。学生と社会人の過渡期をシームレスに繋いで頂き、世の中に出る準備が出来たのは、この時の先輩後輩の関係のおかげです。

僕の大学時代の新入生勧誘の光景は、これ!今と比較すると迫力が違います。(笑)

現在はコロナ禍において、リモート授業が導入されたりいろいろな障害がある中で、例えば寮生活を送っている学生達が、人との固い繋がりを築いているという話を聞きます。人とスマホで繋がったり、会ったことも無い人と繋がるのも意味があるとは思いますが、社会に出れば自分が最も若く周囲は年上ばかりとなりますから、リアルな社会におけるリアルな人間関係を構築することを学べる環境に、自分を置くことは若者にはとても大切だとアドバイスさせて下さい。

僕が最初に見た関大前は、左の白黒写真。これが入試の日です。ヘルメットを被って顔を隠しているのは学生運動家のビラをまいている連中。入試当日の受験生にとっては迷惑この上無かった。右は現在の同じ通りの普段の様子です。時代も違いますが、コロナ禍でこんなに人の動きが無くなりました。

まだまだコロナウイルスの感染は収束しないと考える方が妥当です。そうであれば、我々大人は子供から大学生までにどんな応援をしてあげることが出来るか、それを知恵を絞って考えるべきです。僕は少額ではありますが、母校に寄付をさせて頂いています。間違っても、社会に出て来た若者に、「学生時代に何をしてた?」「学生時代に何を学んだの?」等と言わない配慮は必要です。後進の育成は今後大きな課題になるでしょう。

僕がアルバイトをしていた頃、新社会人になった時は「おい、大学を出てるのにこんな漢字も知らないのか?」「大学を出ているのに、電話の取り方も知らないのか?」「大学を出ているのに口の利き方も知らないのか?」等、高卒叩き上げの先輩から叱責を受けている若者が大勢いました。ああいう虐めに匹敵するようなことは、パワハラになるからしないのではなく、人としてやらないのが当然です。

今、学校と名の付く所に通っている若者には、本当に頑張って欲しいとエールを送らせて頂きます。