竜王戦七番勝負第2局。

2007-11-02 | 対局

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序盤は普通に駒組みを進めれば、手得(角を換えてもらっている)が生きて作戦勝ちになるのかと思っていたのですが組みあがってみると逆でした。手は得しているのですが、銀冠に限定されているとも言え後手の穴熊がやたらと固く見えました。

封じ手の▲5八金は△3九角を誘って局面に動きを求めた手です。馬を作られて少し苦しいのかもしれませんが、金銀が自由になって(角を持たれていると金銀の動きに制約がある)盛り上がれたのも大きく、良い勝負と思っていました。

その後はほぼ互角の戦いが続きましたが67手目▲3五同歩がやや疑問だったかもしれません。固さが違うので「よほどの得がない限りは攻め合わない、丁寧に」と心掛けて指していましたが、ここは▲2五歩と攻め合いに行く手も十分にありました。

            

図は75手目▲9四桂と跳ねたところ。「攻め合わない」の方針に反する手ですが、△8四歩と攻められては仕方がありません。攻めた、というより攻めさせられた感じなので、自信はなかったです。

次の△同香を佐藤二冠は「この香は動いてはいけなかった」と後悔していました。△8三銀と交わすほうが優ったようですが、取れる桂を取らずに銀を逃げるというのも指しにくい手ですね。

 

△7八桂成と要の金を取られてはさすがに悪いと思ったのですが9筋の攻めが意外に厳しかったようです。115手目▲3三飛成としたところでは、逆転して優勢になったと感じました。後手が疑問手を指したとは思えないのでやはり△9四同香が問題だったのでしょうか。

 

             

なんと言ってもポイントはこの局面です。120手目の△8五香では△3二歩と読んでいて▲5一馬(予定)△8五香で「優勢ながらもまだまだ大変」と思っていました。

ところが、実戦は単に△8五香で、僕の読みと比べると△3二歩▲5一馬の交換が入っていません。図で△3二歩▲5一馬が入っていれば▲2二竜の横利きが止まっていて攻め合いは無理なので▲7七銀打の予定でした。

その読みに比べると本譜はこちらに取ってかなり条件が良いので、攻め合いでも勝てそうな気がして▲5二馬と銀を取りましたが△5九馬をうっかり。何か駒を使って攻められる手に気を取られているので馬を移動してスペースを空けて△8六桂を狙う手は盲点になっていました。やはり、▲7七銀打ではなくてはいけなかったです。

△5九馬を許して一気に差がつまりました。

 

そして129手目▲6九金が敗着。132手目は△8七銀だと思い▲7九玉△8八銀成▲同玉△6九馬▲7八銀△9六桂▲同香△9七金▲7七玉(参考図)

              

で△8六金とは出られない(▲9六香がいる)ので勝ち。というのを何回も確認して(7分)打ったのですが△8九銀をうっかりしました。

 

佐藤二冠の手つきが△8六桂で急に鋭くなったのを見て嫌な予感がして、銀が8七を通過して8九に打たれた時は倒れそうになりました。

 

今日は関係者一同で伊勢神宮に棋譜の奉納に行き、午後に帰宅しました。夕方、正装をして嫁さんと柊が帰宅。そう、今日は幼稚園の入園面接だったのです。

説明会で「例年、定員前後の応募で、万が一超えても定員には余裕を持たせていますので」とは聞いていましたが今年に限って応募が急増する可能性もないとは言えません。

心配していましたが、無事に合格したとのこと。これでダメだったら一家揃ってどんよりだなと思いましたが、良かったです(苦笑)

 

改めて五番勝負、頑張ります。

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