竜王戦七番勝負第3局。

2007-11-15 | 対局

棋譜等は竜王戦中継サイトにて。

戦型はひねり飛車。後手の勝率が高くこの10年位は減っている戦法で、意表を突かれました。先手でも後手でも経験が少なく、基本的な定跡しか知りません。

47手目の▲1六歩まではごく自然な進行。 

50手目△7四歩と動きましたが、後手陣は飽和状態で有効な待ちがないので仕方がない、という感じです。変な手は指していないのに苦しくなっているので「なんでひねり飛車は後手勝率が高いんだろう?」と不思議に思っていました。

 

△9三桂~△5四金は苦心の手順。△9三桂は▲9五歩から取られますが、▲9四歩と取り込んだ瞬間に△8五桂▲同桂△9四香があるので、タダでは取られません。とにかく金銀を中央に集めて勝負、という順です。

             

59手目▲3七桂と△4五歩を牽制されて、かなり困りました。後手にはプラスになりそうな手がないのに対して先手は指したい手が山ほどあります。

残り時間も2時間を切り、どうにもならないかと思いましたが△6五歩がありました。 この歩は▲同桂なら△8五飛、▲同銀と▲同歩なら△4五歩、という意味です。取れない、放っておくと△6六歩が嫌味なので▲1五歩から決戦に。後手は最善形なので戦いは歓迎でしたが、端が厳しく苦戦には変わりありません。 

 

             

角は捌けましたが、こちらとしては止むを得ない手の連続なので、まだ悪いと感じていました。▲7六飛は読みにない手で焦りましたが△2八角成がありました。

角香交換ですが1.▲2八香は価値が高い駒。2.玉を引っ張り出せる。3.△8四飛と眠っていた飛が使える。という事を考えると、損な取り引きではありません。

 

この後▲1八歩と受けさせて端の関係が逆転したので、形勢も逆転したかと思いましたが思わしい手がなく、再び苦戦を自認。△8五竜と引いて手を渡すようでは自信がありませんでしたが、感想戦で調べると、ここでは互角の形勢になっていたようです。

98手目△7六香は▲7四飛が嫌だったので仕方がなく打ったのですが▲5九飛にも△1五竜と攻防位置に竜を移動させて、△7八香成から先手の飛角をいじめれば、後手が勝ち易い展開のようです。

 

本譜は飛角が取れたので、良くなったと思いました。それでも、勝ったと思ったのは最後の最後。126手目△1四歩は最後の4分を使って△4九同桂成と迷った末の着手。それならば佐藤二冠は▲1三香成△同玉▲3三角(参考図)という僕は読んでいなかった勝負手を用意していました。

                   

この角は取ると3三への逃げ道が塞がるので▲1一飛以下詰み。1一と1五に利いているので受けもありません。例えば△2二桂と受けても▲1四香△同桂▲1二金△同玉▲1一飛まで。

先手玉を▲1六まで引っ張りだして△2四桂の王手で▲同角成と取らせるしかありませんが、▲4九歩△同桂成の交換が入ってしまうと、追い方が△3九角▲2七玉△2八金になってしまい、これでは△3九角が1七に利かないので▲3三角は抜けても先手玉も一瞬寄らない形になってしまいます。

▲4九歩△同桂成の交換前ならば△2九桂成▲2七玉△1八角と追えるのでそれは△2七角打以下詰み筋があるので全然違うのです。

1分将棋で▲3三角をくらったら間違いなくパニックで、正解を指せたかどうか。危ないところでした。△1四歩に指が行ったのは運が良かったと思います。 

 

勝って2-1に。来週21日・22日の第4局も頑張りたいと思います。     

 

 

打ち上げ終了後、第1局に続いて近くにラウンドワンがあったので9名で繰り出しました。対局後は飲む方が多いと思いますが、僕はお酒が得意ではないので、遊びに行くことが多いです。3時間1500円のコースでフットサル、その他、カラオケを各1時間。

フットサルではみんな汗びっしょりでひぃひぃ言いながらやっていましたが、面白かったです。村山四段対15年振りに運動したと言う観戦記者の小暮さんの点の取り合いは見応えがありましたが、僕的には、なよなよした動きで笑わせておいて(本人は素でやっている)突然鋭いミドルを放つ将棋世界のO川氏がMVP。

ラウンドワンを出たのが午前2時。ラーメンを食べよう、という話になったので、けやきへ。ここの味噌ラーメンはめちゃくちゃうまいですね。札幌に来る機会があったら、また食べようと思います。

午前3時にホテルへ戻り、即就寝。

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