王位戦第2局など。

2008-07-23 | 将棋

王位戦第2局は△羽生名人がこの春に新戦法に与えられる「升田幸三賞」を受賞したばかりの「2手目△3二飛戦法」を採用。常識を覆して話題を呼んだ新戦法がついにタイトル戦でも登場です。

 

この戦法を簡単に紹介します。まず▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二飛(1図)と指すのと、どう違うか。

            

             

            

基本的なことですが、後手が目指しているのは角道を止めない三間飛車。「升田式石田流」と呼ばれる戦法です。先日、僕が指した△4四歩と突く普通の三間飛車とは少し違います。

 

1図は初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二飛としたところですが、これには▲2二角成△同銀▲6五角とおなじみの歩両取りがあって△7四角と切り返しますが▲4三角成△4七角成(2図)

 

             

           

2図から▲5八金右△7四馬▲5三馬で先手の1歩得。これは後手がまずい。

 

             

 

そこで初手から▲7六歩△3二飛!▲2六歩△6二玉(3図)

このように△3四歩を後回しにするのが2手目△3二飛戦法の狙いです。3図から▲2五歩には△3四歩と角道を空け同じように▲2二角成~▲6五角ならば・・・

 

             

 

今度は▲5三馬と歩を取れません。▲3二馬と飛を取ることは出来ますが、飛と角の交換はほとんど互角、▲2八飛と△7四馬の差で後手も十分に戦えます。

 

考案者は関西奨励会の今泉三段とのこと。良く発見しましたねぇ、2手目に飛車を回るなんて。 

           

実戦、▲深浦王位は3手目▲9六歩と様子を伺い△9四歩と受けたのを見て▲6五角を決行。以下▲9一飛と打ち込んで激しくなりました。

この「2手目△3二飛戦法」はまだ前例が少なく、定跡がありません。本局が最初の定跡となって、それを元にまた研究が進むことになりそうです。明日、どのような結果になるでしょうか。 中日新聞:王位戦ページにて。

 

 

今日は戸辺君、天彦君と焼肉を食べに行きました。頻繁に焼肉を食べていると思われがちですが、今回は久々。やはり肉はうまいです(笑)

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