まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

184号議案マンション耐震訴訟控訴議案質疑 

2012年12月14日 | ニュース・関心事

緊急上程でしたので私も急遽の質疑でした。

※※

184号議案マンション耐震訴訟控訴議案質疑 
第一次案2012年12月14日
≪1回目≫
 この事件の概要は、ザ・トーカイが駿河区石田に36戸の分譲マンションの建築を計画し、2002年5月に静岡市の建築確認を受け、2003年5月に工事が完成したものの2007年に耐震強度不足が発覚し、住民からの全戸買取り及び当該マンションの取り壊しを余儀なくされ、2007年12月25日にザ・トーカイから静岡市、サン設計、月岡構造研究所、三井住友建設に損害賠償を求める訴訟を提起されたというものです。
 5年の期間を経たこの12月7日に判決が出され11日に議会に控訴方針が伝えられ13日議会運営委員会、本日午前中の議案説明会、提案に至っています。市民からすると6億7127万4461円の賠償額は相当に高額で、これが税から支出されるということに対して、どうしてこういう判決なのか、大きな疑問が投げかけられています。

「1」 控訴議案提出に至る経過
1、 判決をどのように受けとめたのか。
2、 どの部局でどのような議論が行われ、いつ、控訴方針を決定したのか、経過を伺います。
「2」 判決趣旨と論点
マスコミ報道によりますと「市は、構造計算書の確認審査の内容や範囲について見解の相違がある」とのことです。午前中の議案説明会で判決の要旨として5点の内容と損害賠償額の説明がなされました。
1、 一番の問題は、静岡市に確認申請審査過程に過失があり、国家賠償法に違反するかどうか、であります。判決趣旨として説明資料(3)によりますと
① 本件確認申請において、建築主事には、追完された構造計算書の最終ページと既に提出されたページが連続していることを慎重に確認すべきところを、これを怠り保有水平耐力が不足した建物を生じさせた過失がある。この内容の詳細説明と静岡市として反論、争点は何であったのか。
② それに付随しているものと考えられますが、(1)の建築主の財産的保護は建築確認制度の保護の対象から全く除外されていると解することは困難である、この内容の説明と静岡市としての反論、争点は何であったのか。
③ (2)の杭頭接合部の構造計算は建築確認審査の対象ではない、この内容の説明と論点は何であったのか。

 ≪2回目≫
 判決への対応、大きな論点の建築主事の確認検査過程は過失か、それは国家賠償法の対象になるかどうか、について答弁をいただきました。
要は、原告側は、保有水平耐力が1,0以下の構造計算書と後から提出された1.0を越える結論部分があり、前と後の確認しておれば、建築確認は下せなかったはず、というものです。
静岡市側は、本来設計者が規定に適合するように設計しなければならず、建築主事は設計者が「確かめること」を実践しているかどうかを確認すればよいとの主張になります。
議案質疑でありますので、意見は述べませんが、何故、静岡市の主張が認められなかったのか、逆に、何故、市職員は見抜けなかったのか、日々の許認可、規制という公務に携わる職員の仕事の在り方も含めて考えさせられます。全部が否定されているわけではないけれど、静岡市の主張は通らなかったわけです。そこで、
「1」 控訴議案提出に至る経過
1、 この裁判を支える体制はどのようなものであったのか。弁護士は何人体制で、都市局の資料収集体制、政策法務はどのように関わってきたのか。
「2」 判決趣旨と論点
もう一つの問題は、ザ・トーカイの側に虚偽の構造計算書を提出した責任は存在しないのか、という点です。つまり、建築確認申請をするのは建築主であり、設計、構造計算書を依頼し、その成果物を添付している建築確認申請書に署名・押印して静岡市に提出しています。それによってもたらされた被害を静岡市に転嫁するのは信義に反しないか、という問題です。これは静岡市の損害賠償額がどの程度に算定されるかに関わる問題であります。議案説明会での(4)と(5)
1、 議案説明会での
① (4)の本件確認申請については、確認申請をした原告の代理人及び履行補助者ないし履行代行者に過失があるから、原告に3割の過失があると認めるのが相当である。
② (5)の建築主が依頼した建築士に過失があるからといって、静岡市に対する損害賠償請求が直ちに信義に反するとまで解することはできない、
となりますが、この内容と論点は何であったのか伺います。

2、 賠償金額6億7172万余の内訳、弁護士費用も含まれているようですがその算定根拠はいかなるものであるのか伺います。

≪3回目≫
 控訴自体は支持する立場ですけれども、問題はこの控訴で逆転勝訴が実現できるか、どうかになります。
「1」 控訴議案提出に至る経過
1、 これまで行政の敗訴はなかったとの報道です。ただ、名古屋地裁での愛知県が敗訴、高裁での逆転敗訴の事例もあります。最近では今年1月の民間確認審査機関が被告ですが、横浜地裁判決での敗訴もあるようです。この種の裁判の他都市の事例はどのように把握されているのか。
2、 弁護士の体制の強化も行うのか。

「2」 判決趣旨と論点
 同じ論点、争点提起では勝てません。
1 、この論点に何を新たな材料として訴訟していくのか、伺います。判決文を読んで静岡市が主張すべき問題と3点ほど認識しました。
① 国家賠償法の対象ではない、ということを証明する為に名古屋での逆転勝訴の論点と参考になるところはあるのか。
② 原告側、サン設計、月岡構造研究所が、最後のページの保有水平耐力が1.0を越える計算書が存在しているにもかかわらず、何故、正しい計算書を再提出しなかったのか、故意性に関わる問題もあります。
③ 杭頭接合部の応力度が許容応力度を越え杭の本数が不足していた、そのことは確認審査の対象ではないとの判決です。これは、解体は不可避であったのか、保有水平耐力の不足補強工事で対応できたのか、この争点によって、静岡市負担分の軽減ということも想定されます。
逆転勝訴をめざして何を反論材料としていくのか、伺います。

2 、もう一つは東京海上日動火災保険株式会社を相手にした保険問題があります。この額がどうなるかも、賠償額に大きく影響すると考えられますが、他の被告とされる団体の動向についての把握はされているのか、伺います。

3 、今後、控訴を取りやめたり、控訴しても敗訴の判決が出る場合も想定されますが、その場合に
① 担当した市職員の処分問題は発生するのか。
公務に携わった職員を守るのか、やむ得ず処分するのか、ここはまさに公務員と法律、職員の貢献意識にも影響していきます。
② この賠償額のうち弁護士費用6000万も含まれているとのことですが、静岡市側弁護士支払い報酬はどれくらいになるのか、伺って質問を終わります。