まつや清の日記 マツキヨ通信

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JR東海リニア新幹線 本日の環境省意見に市民団体の緊急申し入れ

2014年06月06日 | ニュース・関心事


※写真は申し入れ後の記者会見
※環境省意見
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=18248
※申し入れ書
2014年6月5日
環境大臣 石原伸晃殿

リニア新幹線沿線住民ネットワーク
共同代表 天野捷一、片桐晴夫、川村晃生、原 重雄
リニア・市民ネット東京   代表  懸樋哲夫
南アルプス・リニア市民ネット静岡   代表  松谷 清
リニア市民ネット・愛知        代表  小林 収  
      
環境保護の立場から、リニア新幹線の早期着工を認めないよう求める要請書

本年4月、東海旅客鉄道株式会社(以下、JR東海)は、中央新幹線(以下、リニア新幹線)環境影響評価書(以下、評価書)を国土交通大臣に提出しました。これを受けて、環境大臣は本日、国土交通大臣に環境省としての意見書を提出しました。

JR東海の評価書がいかにも急ごしらえで、知事意見や沿線住民の不安や疑問の声に応えていないことは明らかです。リニア新幹線計画の法的手続きの中で、環境省は、2011年(平成23年)1月14日と同年7月15日に意見を提出しています。前段の中間とりまとめに対する意見では、伊那谷ルートと南アルプスルートの2案に触れ、「大井川源流部には原生自然環境保全地域があるので、極力近づかないようルートを検討すべきである」と述べ、また、工事残土処分場所や地下水への影響の検討についても、環境影響の検討や十分な調査を求めました。

また後段の意見は、JR東海の中央新幹線計画段階配慮書に対して出されたもので、評価書作成までに、立坑や工事ヤード、車両基地、変電所等鉄道施設の位置・規模を明らかにしたうえで、事業実施区域に含め調査・予測・評価を実施する必要がある」としていました。そして、それが困難な場合は、「必要な環境保全措置を評価書に位置づけたうえで、その環境保全措置の効果を事後調査により確認する必要がある」と述べました。そして、地域住民等の意見聴取の反映について、「意見募集により集まった意見については路線位置の選定等に反映させることに努めるべきである」としました。

残念ながら上記のような環境省意見が、計画段階配慮書や方法書に反映されたとは言い難く、また、意見募集や公聴会などでの出された市民意見はほとんど無視されたに等しいと言えます。

環境影響評価法に基づく手続きの上で、建設諾否の判断が下されるまで、私たちが公式に意見を表明する機会はありません。

立坑やトンネル工事による地下水への影響、工事車両の走行による大気環境への影響、工事残土の処分方法や処分先、動植物の生態系への影響などについて、リニア新幹線がはらむ課題について評価書には具体的な対策がありません。中間駅や非常口、車両基地や変電所の正確な位置も、工事ヤードの詳細な規模も明らかにされていません。

沿線住民の不安や疑問を積み残して、計画を推進することは誤りです。未曾有の大事業であるリニア新幹線計画だからこそ、環境大臣は、自然環境と国民の健康な生活を守る立場から、引き続き評価書の審査経過を注視するとともに、国土交通大臣に対し、早期着工を図るべきではないとの判断を示すよう要請します。
以上