まつや清の日記 マツキヨ通信

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「上下水道両局においてコンセッションの導入は考えず直営方式で対応する」上下水道管理者答弁!

2018年12月03日 | 市政

「民営化によって経済性は高まるかもしれないが公共の福祉の担保がされるかわからず、委託期間の長期化は技術の継承や巨大災害への対応に課題が残る。コンセッションの導入は行わず安心・安全の観点から直営方式で臨む」大石清仁公営企業管理者からの明確な答弁。(写真の右側2番目が管理者)棚上げ求めた15%程度の料金の引き上げは「必要である」と上下水道局長答弁。

※質問原稿※
2018年11月議会総括 上下水道経営戦略のめざす姿について
 今国会で民営化・運営権を手渡す所謂コンセッションをテーマに水道法の改正が可決されようとしています。本来水道事業は「地域の条件に応じた計画」であり「「産業化」でなく公共部門が担うべきもの」であります。海外では水メジャーと呼ばれる巨大資本が民営化に失敗し水質・料金高騰で公営に戻すケースが増えています。浜松市が全国に先駆けて静岡県から移管された下水道施設について外国資本が代表となるコンセンションに移行し、上水道についてもコンセッションの検討を始めました。
 こうした中で静岡市は人口減少社会を見据え50年という長期を展望した上で2019年~2030年という経営戦略をまとめ12月9日までのパブリックコメントを行っています。その中で水道事業において2020年から15%の料金引き上げの計画案を示しています。
<1回目>
「1」経営戦略について
 1、ダウンサイズという言葉も使った上下水道経営戦略策定に至る経過と目指す姿について伺います。
「2」民営化に対する考え方
 1、経営戦略において水道事業では「根幹は直営方式」をかかげ、下水道局ではその表現はありません。コンセッション方式の導入については上下水道事業それぞれどのように考えているか、伺います。
<2回目>
「1」経営戦略について
 1、水道事業の現状分析について
 経営戦略においては健全経営を強調されますが、お手元資料・右下グラフ、①管路更新率及び配水池の耐震化率が類似団体より低いのはなぜか。②企業債残高対給水収益比率が類似団体の平均より高いのはなぜか。③これまでの水道事業の投資は妥当であったのか。
 2、水道事業の投資計画について
 経営戦略では2030年までの12年間に水道総延長2600㌔のうち平均耐用年数83年を越える200㌔を含む老朽化・耐震対策として325㌔、1年に31㌔を更新する総事業費579億円として、これまでの1年13㌔、200年かかる、と比較して183億円が不足するとしています。施設などの耐震化含めた総事業費は882億円とのことです。この投資計画はこれまでの水道管の耐用年数40年を83年として、83年で全ての水道管を更新することを前提にしていますが算定根拠は十分に示されていません。これらの管路更新及び事業費の考え方について伺います。また今年の大岩地区での漏水はアセットの観点からはどのように評価しているのか。
 3、水道料金について
 ①投資計画において老朽化・耐震化事業の183億円の不足などを15%の料金引き上げで賄うとしていますが考え方を伺います。
 ②経営戦略において示された収益的収支のシュミレーションでは、お手元資料、1回目は15%程度、その後2回に渡って段階的引き上げられることになっています。料金を引き上げしない場合と比較して12年間の収入の増加額と増加率はどうなるのか、伺います。
「2」民営化について
 上下水道局共にコンセッションを進める考えはないとのことです。その姿勢は評価したいと考えます。ただ、現状の外部委託において下水道事業では包括的民間委託方式がとられコンセッション移行がしやすい状況でもあります。上水道はその方式をとっていません。この外部委託方式の違いはなぜ、生じているのか。
<3回目>
 1、水道料金について
 水道料金の引き上げ計画は棚上げにすべきではないか。理由の
第一は、2020年1回目に15%、その後の2回に渡る段階的引き上げの増加額は300億、実質30%の増加率です。3回目の引き上げ額は52%アップになります。余りに引き上げ率、額が高すぎます。
第二は引き上げ理由が人口減少、老朽化・耐震化を上げるわけですが、何故、類似都市と比較して更新率、耐震化率が低いのか。
第三は簡易水道の統合という問題もありますが、清水庁舎では震災対策に不安と葵区に移転した56億の上下水道庁舎、渇水化対策としての110億円の清水区への北部・南部ルートなど、企業債が増加する背景でもありますが過大投資ということはなかったのか。現状の施設利用率は68%、32%が余剰です。
第四に経営戦略は水道管の平均耐用年数40年を土壌検査により83年として総とっかえ投資計画ですが83年は妥当なのか。
いずれにしても監査委員からも「中期経営計画中の財政収支計画では計画と実績との間では大きな乖離」「財政収支計画の積極的な見直しは行われていない」との指摘を受けており、更に「今後の水道料金の値上げりに繋がりかねず」「市民に理解を得るために丁寧な情報提供と説明責任」を要望されています。
15%の引き上げは棚上げすべきであると考えますが、いかがでしょうか。