マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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豊井町の苗代マツリ

2013年09月06日 07時55分38秒 | 天理市へ
5月4日に苗代を作ったという天理市豊井町住民のO氏。

すべてができあがれば水口に煎ったコメをフキの葉に乗せて祭った。

米を煎る道具はフライパンだそうだ。

この年の1月19日に行われた豊日神社のケッチン行事で祈祷された2本の松苗を立てて花を添える。

その作法については特に名はないと云う。

以前は自宅で咲いていたコデマリも添えていた。

花はそこらで咲いている春ものの花で構わないと云う。

朝からモミオトシをした苗箱は130枚。

6反の田で育てる稲の品種はヒノヒカリ。

奈良県の特産種である。

O家の苗代作りには寒冷紗を被せる。

風が通りやすく稲の育ちが見えてよく判る。

寒冷紗は荒らすネコやスズメ除けにもなるという。

スズメはモミを食べる。

ネコは田んぼのカエルを食べる。

大型のカラスもそうであると云う。

6月10日にもなれば田植えをする。

かつては6月20日頃であった。

近年は10日も早くなったと云う。

すべての田植えを終えれば自宅でソーメンを食べるが、何の意味があって食べるのかは伝承されていない。

そのような稲作りの風習を話してくれたO氏は小屋で堆肥を作っている。

自家製の堆肥である。

そのほうがJAで購入するよりも安くつく。

牛糞は安堵町の元博労家から1万円で買ってくる。

鶏糞は千円だ。

「なんぼでももって帰ってもらいたいぐらいだ」と云われる購入先。

どことも糞の処分に手を焼く牛糞、鶏糞は軽トラに積んで持ち帰った。

作業小屋で一旦は乾燥しているのかと思えば違った。

積みあげた糞は時間が経過すれば自然発酵する。

発熱温度が高くなれば火事になることもあるらしいから注意していると話す。

そうならないようにショベルカーで混ぜこぜして内部に空気を入れる。

手間がかかる作業である。

自家製の堆肥作りに煙突を埋め込んでいる。

発酵すれば発熱して煙が出るらしい。

(H25. 5. 8 EOS40D撮影)