マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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竹之内町の苗代マツリ

2013年09月08日 07時59分17秒 | 天理市へ
兵庫町で苗代マツリを調査している際に出合ったご婦人は竹之内町の住民。

兵庫町で借りている畑で作物作り。

苗代に立てるイロバナは在所の竹之内町にもあると云う。

道路沿いに見かけた苗代のイロバナには同じような松苗もあるらしい。

「お札は」と問えば、それはなさそうである。

3か所ぐらい見かけた苗代のイロバナ飾りは米作りの農家の営み。

ほとんどがミカンやカキ農家だそうだ。

その話を聞いて伺った竹之内町は環濠集落で有名な旧村。

20年も前に立ち寄った際に拝見した大きな濠には花ショウブが咲き誇っていたことを思い出す。

集落を通り抜ける道はとても細い。

抜けることもできなくて迷ったことがある。

この日も同じことを繰り返す。

共同出荷場の前にあった公園。

山之辺の道を歩くハイカー向けに整備されたトイレが美しい。

その傍にあった苗代のイロバナには松の葉が添えてあった。

通りがかった男性に尋ねた結果は。

2月初旬に祭事された大字のマツリ。

十二神社の祈年祭に参拝した人だけが持ち帰ることのできる松苗だと云う。

この辺りの旧村は石上神宮の郷社になるのであろう。

祈年祭においては石上神宮の神官が豊作を願う祈年祭において松苗を祓ってくれるのだと話す。

そのありがたい松苗を苗代に立てる。

稲苗がすくすくと育つようにと願う苗代のマツリは農家の願い。

イロバナは家や付近に咲く花を添えるからまちまち。

決まりはないと云う。

かつてはその場に秋に花を咲かせるハギの木を曲げて挿したそうだ。

弓なりに曲げることから弓矢のようだと話す。

もしかとすればだが、祈年祭において弓打ち行事があったかも知れない。

男性は「他にもしている苗代がある」と教えてくださった集落外れの南に向かった。

そこにもあった松苗をイロバナ。

確かに花の種類は違う。

その場を見届けて集落を下ればそこにもあった苗代のイロバナ。

同じように松苗を立てている。

田主を探してみるが居ない。

その道を歩くうら若き女性に尋ねたが判らない。

苗代のマツリについて聞いた結果はおばあさんがしているというが奥の方だと云う。

そこへ行くにはまたもや迷ってしまう。

Ⅰさんが話していた以上に多くあると思われた竹之内の苗代マツリ。

集落東部山麓の明神谷に鎮座する十二神社の行事も併せて再訪したいと思った。

(H25. 5. 8 EOS40D撮影)