マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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誓多林の行事が変容する

2013年09月11日 07時01分19秒 | 奈良市(東部)へ
山田町、長谷町を渡り歩いた。

歩いたというわけではなく車で行脚である。

昨年の4月中旬にはミトマツリ、5月初旬は田植え初めのサビラキをされていた誓多林住民のN家を訪れた。

いずれも終えたN家。

ミトマツリの場は変わりないがサビラキで挿した笹は位置が替った。

笹には御幣や田造りを中に入れたフキ葉は変わりない。

夫妻が話すには3月に行われる彼岸講のオコナイに変化があると云う。

オコナイで作法されるウルシ棒がある。

この年も取材をしたオコナイではウルシ棒で縁叩きをいていた。

ウルシにかぶれるからと手袋をはめての作法である。

どうやらこのウルシ棒を止めるらしいと云うのだ。

そうなればミトマツリで立てたウルシ棒が消える。

仕方なくプラスチック製の支柱にせざるを得ないと云う。

そうであれば縁叩きはどうするのかと聞けば、竹である。

少しずつ変容する村の行事の在り方である。

そういえば4月13日に大野町の十輪寺の落慶法要でお会いした上誓多林住民のⅠさんが竹を探してでもミトマツリをしなければと云っていた。

そういうことなのか。

その上誓多林では春の土用入りから十数日間にかけたある日にサビラキをしているそうだ。

N家ではされていないが、稲刈りが終われば「カキヌキ」にアカメシを神さんに供えているという。

「カキヌキ」とは何ぞや。

昨年の11月初旬に取材した大和郡山市田中町の「カリヌケ」。

稲刈りに使ったカマを箕に納めてアズキメシやアツアゲを供える農家の行事である。

誓多林では「カキヌキ」と呼ばれる行事は「カリヌケ」と同じようである。

(H25. 5.12 聞き取り)