マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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櫟本不動山五月大師参り

2013年09月21日 08時58分22秒 | 天理市へ
毎月21日は不動山を奇麗に清掃している二人の世話人。

始めに梵鐘を搗いて身体を清める。

それが作法だと話すK・Mのご両人である。



不動山は天理市の櫟本町の東部。

高塚公園の奥にある。

かつては学生が住んでいたとされる不動寺があったと話すのは不動山下に住むⅠさん。

侵入しては危ないからとその辺りに張り巡らしたロープ。

住民でなく毎月お勤めをしている二人の世話人である。

ホトトギスやウグイスが囀る不動山には四国八十八カ所を祭る石仏群がある。

いわゆる写し霊場であるが、時代年は判っていない。

正面は不動明王の石塔。

かつては大杉の樹下にあった。

大切にしたいと思って上に上げたと話す両人。

石の燈籠は大樹の杉の内部。

動かすこともできず、である。

石段などが崩れていた不動山の石仏群。

一つ一つを長年かかって整備したと云うKさん。

崩れていた地蔵尊の土台も美しく整備したそうだ。

四国八十八カ所巡りをしてきたMさん。

へんろ路を究め、ご縁があって当地の不動山のことを知った。

自らの意思で始めた毎月の清掃。

枯れた花も取り除き、お水を入れ替えて線香をくゆらす二人は小高い丘に祭られた四国八十八カ所の石仏も奇麗にする。

3時間もかかる奉仕活動の作業は仏さんの導き。

誰に応援を求めることもなく、こうして毎月21日は二人のお勤め。



不動明王、弘法大師像の前で錫杖を振ってご真言を唱える。

「なむだいしへんじょうこんごう」・・・合唱。

弘法大師像の大きな石仏には刻印がある。

「昭和八年八月 奈良市三谷町 森島旅館 掘井徹二郎 寄進」であったが所在は確認できなかった。

廃業されたのだろうか。

(H25. 5.21 EOS40D撮影)