マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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最後の写真展に選んだテーマは亥の年に合わせた亥の子行事

2019年01月07日 07時27分38秒 | しゃしん(カメラのキタムラ展示編)
高取町に住む知人から正月の便りが届いたなかに、高取町にあった亥の子行事のすべてが中断したとあった。

大字佐田は平成29年が最後だったと別の知人から聞いていた。

取材当時から亥の子行事をする子どもが少ないと聞いていた佐田。

隣村のは、佐田よりまだ子どもの人数が多かった。

平成30年もされていると判断してカメラのキタムラ奈良・南店で紹介したが・・中断していた。

集落全戸、あるいは大淀町上比曽のように新婚家を祝う亥の子行事につきものの作法は藁ヅト叩き。

収穫祝いに巡った家のニワを打ちながら亥の子の歌を唄う。

奈良県下では上比曽以外に明日香村の下平田だけになった(※桜井市高田のいのこ暴れはあるが、藁ヅト叩きは見られないから外した)。

少子化の流れは留まることをしらない。

一方、同じような作法に同じような詞章がある亥の子行事は大阪にも見られる。

類事例を求めて大阪南部の南河内郡や北部の能勢町や豊能町の調査をしている。

前年の11月、3度も村入りして取材した亥の子行事の在り方に違いがある、と状態が見えてくる。

大阪北部の在り方は藁ヅト叩きになぜか子どもたちが演じる獅子舞も付加されている。

事例が多い大阪北部。すべての地域を拝見するにはまだ数年はかかるだろう。

地域は遠く離れていても、似通った詞章が見つかったときは驚きである。

また、屋根に投げる藁ヅト行為のある上比曽は特異な事例と思っていたが、なんと大阪北部でかつてはあったとわかった。

京都にもある亥の子行事。調査エリアはもっと拡げなくてはならないが・・。

平成14年から始まったカメラのキタムラ奈良・南店(奈良県奈良市杏町153)での写真展は今回で17回目。

展示会場の関係で「亥の子」行事が最後の展示になる。

会場の〆を飾るに相応しいテーマを和暦年号が新しくなる新しき年。

その年の十二支は一年通して変わりのない「亥」。

で、あればテーマは「亥」。

つまり「亥の子」の行事とした。

早速の展示においでくださった客人たち。

店長、副店長がいうには何人もの人たちが立ち止って見ていたという。

どうぞご自由にお持ち帰りくださいと、今回もエクセルで作った解説シートを用意した。



なお、展示期間は来月の2月一週目辺りまで。

初売りのこの日に展示するとF副店長から聞いていたので、自らも拝見したく大和郡山市内の注連縄調査の帰り道に立ち寄った。

展示状態を撮っていたときである。

一人の男性が一枚、一枚丹念に写真を見ておられた。

関心があると思われたのでお声をかけた。



展示した写真はよほどの人でないとわからない。

そう思って簡単に紹介した。

教えてもらったらたいへんよくわかると云ってくれたその人は市内宮堂町の住民だった。

いつかは村の行事を取材したいと持っていると伝えたが・・・。

(H31. 1. 3 SB932SH撮影)

2週間後の2月初めに幕を下ろす。

17回目の今回、「いのこ行事」写真展で、ほんまの幕締め。

根気よく、展示してくださったカメラのキタムラ奈良南店の歴代を担った人たちに感謝申しあげます。



FBやブログに展示をお伝えしていますが、お仕事の関係、或いは足がない、遠方だとかさまざまな事情で会場に出かけられなかったみなさま方に、と思って、当シ-トをもって失礼させていただきます。

(H31. 1.20 追記)