「カラマツの下の花畑」・・・・♪

軽井沢での子供時代に作った落葉松の下の花畑ーー心は今も~!「草花」「99歳の軽井沢物語」「葛西スケッチブック」ほか。  

ささやかな喜びの芽

2005-06-25 | 99歳Umeさんの軽井沢物語

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 umeさんの復活<想像力>

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 「お母さん、k さんの住所がわかったから、はがきを出してみない」 
 5階の食堂で、お昼を済ませたあと、持っていった花の絵はがきを取り出しました。 

 kさんは、母の軽井沢時代の、一番仲良しの友人です。 
 去年ご主人を亡くし、一人住まいを続けていましたが、寒い冬の間だけ、佐久市のケア施設に入っているのです。
「しばらく字を書いていないから、うまく書けるかねえ」 
 このごろやっと、また、手が使えるようになった母です。
 少し力は足りないものの、昔の達筆の片鱗をうかがわせるような文字でゆっくりと書きあげました。そして、
「あさってには着くね」  
 と、ぽっと笑みを浮かべました。 
 母には、このはがきを受け取って喜ぶKさんの顔が想像できたのでしょう。
「そうだね。帰りに駅前のポストに、必ず入れるからね」 
 Kさんに思いを馳せることができるようになった母の気持ちを、私もうれしく思いながら、帰りました。
 
 体と心って、本当にリンクしていますね! 願わくは、Kさんから、返事がきて、母が喜んでいるといいなあ。                             (2005年3月22日 /火)

*(母は、感染症で、何ヵ月間か、寝たきり状態の苦しい日々をおくりました。高熱が続き、足は腫れ、食事もとれず、このまま死んでしまうのでは・・・と思ったくらいです。少しずつ少しずつ回復し、元気になってきました。)
 

 ☆☆後日談・・・Kさんから、お返事がきたそうです。長男のお嫁さんが代筆してくれて。
  母はとても喜んでいたそうです。よかった! 

 

2005年3月17日 (木) umeさんの復活
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* 母を見舞いに *
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 高田馬場10時34分の特急小江戸に乗って1時間で、S駅に到着。そこから各駅停車で、一駅。
 駅前のスーパーで、果物やお弁当を買って・・・と。タクシーでワンメーターのところに母の病院はあります。
 先週行くと、母は、車椅子に乗り、日当たりのいいところまで、車椅子を自分で移動させて、テレビを見ていたので、びっくりしました。
 

 去年の10月ごろから3ヶ月近く、母は、突然かかった感染症で、寝たきりになってしまいました。
 高熱と痛みに苦しみ、足はパンパンに腫れ、足も手も動かせなくなりました。部屋も変わり、まるで、砂漠の中に置かれたように、何の刺激もない、また、唯一の刺激ともいえるテレビを見る気力すら失うというような状況になってしまったのです。一時は、このまま弱って死んでしまうのでは・・・と心配しました。
 
 その前までは、見舞いに行ったときには、車で駅近くの店までランチを食べに行ったりするほど、元気だったのです。90歳とは何が起こってもおかしくない歳ということなのでしょう。
 一週間も病気や怪我で寝てしまったら、そのまま寝たきりになってしまったという話はよく聞くところです。

 しかし、この年代のひとの強さ!行くたびに少しずつ、ほんの少しずつ回復し、ついに、先日は、車椅子でトイレに行けるようになったと、うれしそうに話しました。
 自分の手で食べることが出来、トイレにも自由に行ける、このあたりまえの尊厳を失って行くことが、老いの行く手には待ち受けています。
 一つでも取り戻すことが出来て、母はどんなにうれしかったことでしょうか。
 少しでも、歩けるようになるといいね!

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「さあ、手袋を替えましょう」  

2005-06-25 | 日常の小さな喜び&こころ便り

 ちょっと頭を切り替えて

 先日途中から見たTV の番組で、心に残るシーンがありました。 
 アメリカで活躍し、脳外科の手術のトップと言われている 福島孝徳医師(60歳)のお話です。  アメリカにいる医師の元には、最後の望みを託して、日本の患者からもたくさんの手術依頼の手紙が届くそうです。 
 忙しいスケジュールの合間をぬって、日本に帰国し、その方たちの期待に応えている医師。  今回は、脳腫瘍で、ほかの病院で一度手術を受けたという36歳の男性のかたです。出血がひどくて、前のときは、閉じてしまったそうです。
 手術は今回も困難を極めます。いくつもの血管を腫瘍が抱き込んでいるため、一本一本、血管を傷つけないよう腫瘍を取り去らなければいけないのです。
 が、最後の一本が見つからない。 10数時間も続いている手術のさなか、さすがに「神の手を持つ」ドクターも息をつく。
「こんなのは初めてだ。困ったねえ」
 そして、MRI のフィルムの前に行き、いっとき確認した後の言葉がよかった。

「さあ、手袋を替えましょう」 
 
 そのあと、血管は見つかり、腫瘍は全摘出されました。 男性は、無事回復し、今は元気に働いています。
「さあ、手袋を替えましょう」 そのひとことは、非常にすがすがしく胸に響きました。
「仕切り直して、もう一度!」
「さあ、はじめからがんばろう!」 

 手術とは比べ物にはならないけれど、日常の中にも、それと似たシーンはたくさんあります。
  何かをいつまでも引きずっている人
 不愉快な感情を、みずからの中で、いつまでも反芻、増殖させている人
 嫌なことがあって落ち込んでいる人  
 

 さあ、新しい手袋に替えて出なおしましょうよ。 
 ことに、少しのアクシデントのマイナス感情を、後生大事に増殖し続ける傾向のある人には(敢えて名前は申しませんが)、とびきり上等の替え手袋を差し入れることにいたしましょう。                                                                  ( 2005年2月7日 )

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チョコレート

2005-06-22 | 日常の小さな喜び&こころ便り

 会社に勤めていた若き日のことだ。来社の折りはきまってチョコレートのお土産をくださる年配の女性の著者がいた。
 机の傍を通るとき「ハイッ」とさりげなく置いていってくれるのだった。それは重すぎず軽すぎず、何気ない心遣いがあってうれしい贈り物であった。
 それから私も時々真似をさせてもらっている。いつも会社に届いた手紙を転送してくれる若い女性に、お礼のしるしとして小さなチョコレートをプレゼントする。 
 

 チョコレートの効用について、英会話の個人レッスンを受けている人から実際にあったこんな話を聞いた。
 レッスンの日、仕事が立て込み、疲れていて頭がよく働かない。それを見て先生が
「いい薬を上げましょう」といってチョコレートをくださったそうだ。
 その効果はてきめんで、ぱっと頭が働き出しレッスンもうまくいったという。
 わが家の冷蔵庫に常備してあるチョコレートは専ら疲労回復剤としての役割である。 

 小学生の時は、友達と競ってキャンデーの包み紙を集めていた。軽井沢と言う土地柄で、夏は、別荘に来るひとから、お土産として、美しい箱に入ったチョコレートやキャンデーをよくもらった。
 模様のついた赤や緑や青や黄色のセロハン紙に、中包みの金や銀を重ね、夢のようにキャンデーは包まれていた。
 ある冬、父は都会の系列会社に働いていた。冬期は暇なので、会社の方針で、当時はそのようなことがあった。
 母はよく手紙を書き、私達4人兄弟も一緒に父への手紙を書いた。
 その手紙に私は一筆書いたのだった。――今、私はキャンデーの包み紙を集めているので、包み紙を送ってくださいと。ただ単純に包み紙が欲しかった。
 後日、父から小包が届いた。包みの中には、きれいな箱に入ったキャンデーがいっぱいつまっていた。
 キャンデーは、苺やオレンジやレモンやハッカなど、いろいろな果物の味がした。
 その中にはもちろん、チョコレート・キャンデーもあった。そのプレゼントのおかげで、友達と私の包紙集めは私が一歩リードしたことはいうまでもない。

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清川妙「心はいつも育ちざかり」講演会<ご案内>

2005-06-18 | 花笑み日和(清川 妙先生のこと)

  清川 妙 講演会 心はいつも育ちざかり   7394024 

 

<横浜高島屋*清川 妙 講演会>

最新刊『心はいつも育ちざかり』 が、好調に版を重ねている、清川 妙先生。
四月には、読売新聞「よむサラダ」にエッセイを連載。また、「生涯現役」の生き方が雑誌にも紹介され、ますます波に乗っています。
ぜひ、ご参加ください。

内容: 年を取るって楽しいこと!年は重ねても、 心はいつまでも育てつづけることができます。 好奇心を持ち、 喜び上手の心でいきいきと生きたい。 そんな心の育て方を具体例をもとにお話しします。       

 期間・曜日・時間: 6月24日 13:30~15:00  (終了しました)

 

講師: 作家 清川  妙 

会場:横浜高島屋 別館 友の会教室

会費:3000円

 (*清川教室の方は、友の会会員でなくても申し込めます。)

お問い合わせ:横浜高島屋 別館 友の会教室

           電話:  045-313-7193     

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降りはじめの音

2005-06-16 | 日常の小さな喜び&こころ便り

、雨、

 降りはじめの雨の音が好きだ。

夏の夕立のような大粒の威勢のいい雨が。
長女がまだ小さい頃
近所の豆腐屋まで出かけた。
パラパラッときた雨は傘に当たって、
まるで音楽のように弾けた音をかなでた。
「雨の音ってきれいね!」
思わず顔を見合わせた。

雨の音を愉しみながら
五分ほどのみちを行き帰りした。

  パラパラ
     パッパラ

おんぶしていた妹も 聴いていたでしょうか。

 

 子供ががおおきくなり、ひとりで歩くのだったら、雨の日だってどんなに愉しいだろうかと想像したものです。

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