tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

習近平と民主主義の「トリセツ」

2022年05月31日 14時07分52秒 | 文化社会
今朝の朝日新聞に、中国の習近平国家主席が「領袖」と言う称号にこだわっているのではないかといった記事がありました。

日本でも「自民党の領袖」などと使われる言葉ですが、中国では、生前から領袖という称号を得ていたのは、今は毛沢東1人だという事です。

今年秋の党大会で「領袖」の称号を狙う事はすでに国内の一部でその称号をつけて習主席を礼賛する文書が出されている所から明らかなようですが、秋の党大会での最大の問題は、習国家主席が10年の任期を延長して終身制に踏み込むかどうかでしょう。

鄧小平が国家主席の任期制を定めてから、江沢民、胡錦濤と2期10年の任期で退任していますが、習近平は、混乱の時代には自分のような強力なリーダーが必要という事で、すでに3期目を当然のこととするような体制を固めているようです。

中國は、共産党一党独裁体制ですが、その共産党の中の政治や軍事などの幹部は投票によって決めるのですから、ここは民主主義ということになるのかもしれません。ところが習近平は、既に幹部の人選が推薦投票制だったものを面接制に改めているということで、考えていることは見え見えという事でしょう。

更に鄧小平が廃止した党主席(毛沢東が終身手放さなかった)の復活の議論も活発なようですから、今年の秋の党大会は、中国の行方を決めるという点でも、それが世界に与える影響がいかなるものになるのかという巨大な問題も含めて重大な関心事でしょう。

ところで、このブログでは「民主主義のトリセツ」というテーマで二回ほど書いてきました。
「民主主義を誤りなく取り扱う際の取扱説明書(トリセツ)」という趣旨で、さしあたって、これまで、4項目の注意点を挙げています。

その第一項目が、「 過去の経験から、リーダーの最長任期を決めたら、それを伸ばそうとする人をリーダーに選んではいけない。」ということになっています。

これは、大はプーチンから、小(?)は安倍晋三まで、リーダーとして歴史の教訓を学ばない人は、独裁者になる可能性が大きく、民主主義にとっては危険な人物の可能性が高いという認識によるものです。

毛沢東が晩年、文化大革命という大きな誤りに走ったことを教訓に、鄧小平は党主席を廃し、国家主席に2期10年という任期を決めたのでしょう。

習近平の従来の発言から読み取れることは、中国とか世界とかいう大きな社会は、民主主義で治められるものではない。もっと違った統治の原理が必要で、中国の目指しているものの方が優れているとしてきているように思われます。

自負心は結構ですが、最近のゼロ・コロナ政策に固執するような問題もありますし、人間は年齢とともに頑固になり、融通が利かなくなる事も考えられるので、先ほどの「民主主義のトリセツ」に従えば、

「習近平がこの秋の党大会で、任期延長あるいは終身主席につくようなことになると、中国にも、世界にも、種々の問題が発生する可能性が大きくなるとが予見される」

と心配しなければならないことになりそうです。
予見が当たらないことを願うばかりです。(でも、当たりそうですね・・・)

日本は国連を大事にしよう

2022年05月30日 15時00分42秒 | 国際政治
この何年かリーダーが独裁的な傾向を帯びる国が増えてきました。

そのことは大変気になっており、触れて取り上げ折にてきました。こうした傾向の国が増えることが、世界の雰囲気としては何か伝染病のように広がる恐れがあるような気すらします。

第二次世界大戦の前も、ドイツ、イタリア、日本といった国が次第に独裁制を強め、そうした動きが互いに影響し合って枢軸国を形成し、更に互いに刺激し合って開戦に至るというという伝染性が見られるような気がします。

第二次大戦後は、その世界的な大惨禍の経験から、もうこんな馬鹿げたことはしないと枢軸国ドイツ、イタリア。日本は、多分もう戦争を仕掛けかけるようなことはしないだろうと誰もが考える国になり、中でも日本は国際紛争を解決する手段としては、永久にこれ(戦争)を放棄すると憲法に書く国となりました。

そうしてことを予見し、世界が平和になることを実現しようという趣旨で国連が作られ、第二次世界大戦で勝って、世界平和を実現するという大役を果たした第二次大戦の戦勝国、アメリカ、イギリス、フランス、ソ連(今はロシア)、中国、の5か国で国連を運営する常任理事国になったという事でしょう。

ところがその後70年以上たってみましたら、この5か国のうち、世界を平和にしようと考えていた国はアメリカ、イギリス、フランスの3国で、ロシアと中国は、国連の常任理事国になったことを足掛かりに、自国の領土や権力のの拡大を考えていたことが解ってきてしまいました。

それも、この両国の国民がそう考えているというのではなく、偶々この時点でその国のリーダーになった人がそういう傾向を持っていて、リーダーをやっているうち、次第に独裁的になり、かつて、第二次世界大戦で戦勝国になり世界のリーダーの地位に輝いた先輩の遺志を継いで、自分ももう一度、この国を率いて、さらに強力な戦勝国になって世界に君臨したという野望を持つようになったという事でしょう。

そういう可能性のある国を、戦勝国だったという理由で、国連の常任理事国にし、選挙による交替もなく、放置しておいたことが、今日の国連の機能停止状態の要因になってしまったという事でしょう。

常任理事国5か国は拒否権を持っていますから、常任理事会では、世界の平和にとって大事なことも(今回の北朝鮮の核問題のように)ロシア、中国の反対で全く決めらえません。
 
世界の平和と安定のために役立つ国連にするためには、自国の権力の拡大を、世界の平和の上に置くような国は、選挙で、常任理事国になれないという、民主主義の常識を具体的に機能させる以外にないでしょう。

今の状態の国連をそのまま存続させることは世界人類にとって、巨大な損失でしょう。手段が目的を阻害するようになった時は、手段をより合理的なものに変更する以外に方法はないのではないでしょうか。

その意味では、今こそ遅れに遅れた国連(地球人類のための組織)自体を民主主義の貫徹する組織へと改革する事が必要なのでしょう。

ロシアにしても中国にしても、独裁者個人、その意向を忖度する一派はいざ知らず、多くの国民は戦争より平和を望んでいる事は明らかです。

こうした中で、日本は、アメリカの意向を忖度して、なし崩しに戦争をする国になるのではないかと世界から思われ始めているようです。
これは歴史を20世紀初頭に引き戻すお手伝いをする国に堕すことではないでしょうか。

折角世界人類の歴史を先取りして、民主主義を戴し、平和憲法を掲げた日本です。ここは徹底的に踏ん張って、国連組織を民主主義の組織とすることで、世界人類の平和を守るために、全ての努力を傾注するときではないでしょうか。

日本は国連の活動を本来のあるべきものに作る上げることで、世界人類の平和な生活の確保に貢献する以外に選択する道はないと観念し、余計な邪心は持たないで、誠心誠意、世界人類のために役立つ国であってほしいと思っています。

今年はソラマメを収穫しました

2022年05月28日 14時46分39秒 | 環境

今日は真夏日になるそうで、朝から暑い日ざしです。

昨晩も朝までの雨で、湿度が高く蒸し暑い感じでしたので、もしホタルの羽化があるとすればこんな晩なのにと思いながら夜の9時ごろU字溝の周囲を見に行きました。

毎晩、今年も失敗かなと思いながら見に行くのも面白くないけれど、未だ可能性ゼロではないから、もしかしたら今晩あたり・・・、と思いながら行くのですが。昨晩はその「今晩あたり」が「今晩、当たり」ということになりました。2匹羽化していたのです。

まだ予断は許しませんが、連続羽化するようでしたら、良い写真が撮れた時に、状況をご報告します。

ところで今回は、昨日の続き、ミニミニ家庭菜園の片隅のソラマメのことです。

昨年末、チューリップの球根を植える時に手伝いに来た長男が、ソラマメの苗を3本持ってきまして、花壇の一番東側の端に植えていきました。

苗は順調に大きくなってチューリップの向こうで小さいうちから花を咲かせたりしていましたが、チューリップを片付けたら、結構育っている様子が見えてきました。

上向きの葉が密集している中に同じ緑の上向きの豆のサヤがついています。下の方から順に立派に膨らんで、中には綺麗な緑色のそら豆が、それぞれのサヤに2つか3つ入っていそうです。

それから何回か収穫して、サヤから豆を取り出し、茹でて、ぱらぱらと塩を振り、家内は皮をむいて中身を、私は丸ごとで、ビールのつまみやデザートにしています。

下の方から収穫し、だんだん上の方に来て、そろそろ終盤かなと思っていますが、新鮮なソラマメの緑色の美しさとその素直な味に感謝して、今日は写真を撮って載せた次第です。

殆ど手もかからないで、素敵なビールのつまみが堪能できるので、庭の隅でもプランターでもお気軽に育ててみることをお勧めします。多分成功します。


小さな家庭菜園を楽しむ季節に

2022年05月27日 21時11分18秒 | 環境
コロナ・ウィルスの方は何となく「なんとかなりそう」な感じもありますが、ロシアのウクライナ侵攻問題は先が見えません。

ロシアが豊富な石油・ガス資源を有効に使い、資源大国として順調な経済発展をベストと考えるような国であれば、ユーラシア大陸は、人々が皆笑顔で暮らせる平和で快適な大陸になるのでしょうが、何で好んで破壊と殺戮をするのでしょうか。考えるだけで疲れます。

時に人間の愚かさに愛想が尽きて、小さな家庭菜園を楽しむ平穏な生活に没入したくなるのも歳のせいでしょうか。

我家の狭い花壇も例年通り5月の連休にはチューリップを整理し、胡瓜と茄子を3本ずつ、それにミニトマト2本の家庭菜園になりました。胡瓜はもう弦を伸ばして、支柱に伸び上がり、それぞれ低い所の雌花は黄色い花を開いています。



最初の実は育てない方がいいというので、花が凋んだら、取って刺身につまにでもしようと思っています。

昨年は雑草が生えないようにとポリシートをで覆い、苗を植える所だけ穴をあけてみましたが、後から気が付いたのは、ポリシートの下は雨が降っても乾いています。水遣りが大変で結局ポリシートは除去という事でした。今年は真面目に除草をすることにしています。   

ところで、キュウリやトマトの手前にあるプラスチックのバケツですが、この中にひらひらと伸びて来ているのは「稲」です。

大分前にこのバケツで赤米を育てたことがあります。
「稔るほど こうべを垂れる 稲穂かな」と言われる頃には、大分スズメにご馳走したことになりましたが、一握り程の籾が取れました。

昨秋、古い友人が新米を送ってくれ、それに稲穂が1本ついていました。洒落た事をして頂いたのに喜んで、来年はその稲穂で、1粒何倍になるか解りませんが「バケツ稲作」をやりますとお礼状に書きました。

その一本の稲穂の籾が、直播ですから株になってはいませんが、ひらひらと一見弱弱しくしかし元気に伸びてきたものです。



クローズアップすると、バケツの中も「田んぼ」の雰囲気が出るのではないでしょうか。夏にはバケツ一杯に大きくなって、穂を出し、稲妻(稲の妻/夫)の光を浴びてお米を実らせてくれるだろうと期待している所です。

ミニミニの自然でも、人間はやっぱり自然とお付き合いをしていると、人間も自然の一部という本来の自然の自分に帰るので、やっぱりこれが自然だろう自然に思えるようになるのでしょう。

自然という言葉がいっぱい出てきましたが、やっぱり自然はいいですね。何事によらず不自然はいけないようです。
最大の不自然は戦争だという気がしてきます。

ロシア国内プーチン批判の声続く

2022年05月26日 15時47分27秒 | 政治
ロシア国内で、プーチンのウクライナ侵攻に反対の声が上がったことがまた報道されています。

今回の発言の主は、レオニード・イワショフさんという、かつてはロシア国防省で国際局長を務めた軍の重鎮で、現在は全ロシア将校の会の会長だそうです。

そのイワショフさんが、国内のマスコミのインタビューに応じ、プーチンのウクライナ侵攻政策の誤りを指摘し、プーチンは知恵と経験のある人の意見を聞くべきだと語り、国民に謝罪し、政府の要職には軍事作戦に反対の人を据えるべきだと言っているとのことです。

インタビューでのイワショフさんの発言は、随分いろいろなことに触れているようですが、やはりプロの軍人だったことから、戦略の失敗について鋭く追及し、もともとNATOがロシアに直接的に危害を与えるような状態ではないに関わらず事を起こし、世界の中で孤立し、未だかつて経験したことのない危機的状態にロシアは立っていると指摘しています。

この状況のなかで大統領のなすべきことは、知恵と経験のる人の意見を聞くことではないか、ジョイグ国防相は軍事の素人だ、戦争について一番慎重なのは軍人だ、なぜなら戦争では部下が死ぬからだと言っています。

大統領は、虚心にこうした人たちの話を聞き、国民に謝罪し、責任者を罷免に政権中枢にはこの特別軍事作戦に反対のものを据えなければならないとの率直な指摘です。

軍人として、ロシアの代表としてかつて世界の各国の軍人のリーダーとの交流の経験を持つ人のようですから、ロシアにとってマイナスはあってもプラスのない軍事作戦に突っ込むことに本来批判的で、今年1月にも、戦争はすべきでないという提言を全ロシア将校の会として出しています。

そして繰り返し大統領は国民に謝罪すべきだといています。直接退陣を要求しているかどうかは、私の見た範囲では見つかりませんでしたが、当然そう読み取れる所ということにもなるでしょう。
今回のインタビュー以外でも、色々な発言があるようですが、それらの中で注目したのは、「大事なのはロシアの世論だ」と言っている点でした。

「戦争は10日で終わる、などというワイドショーに踊らされてはいけない」といった発言もありましたが、これは元軍部の重鎮だった人の言葉としては、やはり重要なものでしょう。

ロシアの国民がこういう言葉に踊らされただけでなく、大統領プーチン自身が、そして知恵や経験の乏しい取り巻きの人達も、こうした手軽、気軽なマスコミの流れに知らず知らずに飲み込まれていたのかもしれません。

民主主義が独裁性に変質するのと同時に、こうした民主主義のポピュリズム化が、軍人によって指摘されるというのも、何と無く奇妙な感じですが、民主主義をいかに誤りなく活用するかというテーマの中で、これも注目すべき現象なのかも知れません。(知恵と経験の深い人だけが真実を知る?)

ロシア内部の「声」を支援:情報戦争の重要性

2022年05月25日 14時21分19秒 | 文化社会
ロシアのスイス駐在の外交官、ボリス・ボンダレフさんが、「プーチン(大統領)が引き起こしたウクライナ、そして全ての西側諸国に対する侵略戦争は、ウクライナ人、そしてロシア国民に対する犯罪でもある」との声明を発表して辞任しました。

スイス駐在であれば、世界の情報を自由に入手できるでしょうから、プーチンの起こした時代錯誤の残虐な戦争についての客観的な判断は当然可能でしょう。
そして、「今回の侵攻ほど恥ずかしいと感じたことはない」と自分の気持ちを率直に表明しています。

しかし、ウクライナ侵攻が始まってから3か月、その間、そうした思いを次第に強くしながらも、ボンダレフさんがこうした意見を率直に表明するまでには、それだけの時間がかかっているという事でしょう。

国家公務員、外交官としての教育を受け、キャリアを積んできたのですから、国の方針に逆らうことは、大変難しい事でしょう。

しかし、現実を見れば見るほど事態の異常さに心を痛め、最終的にプーチンの政策が誤りであることを世界に告発し、職を辞すると決めたことは、人間としての正直さ、正義感の発露としての強い決断力があったからでしょう。

そしてその決断の根拠(論拠)となっているのは冒頭の発言にありますように、これはプーチンの引き起こした侵略戦争だという事、そしてそれはウクライナ人、そしてロシア国民に対する犯罪だと言っている所に濃縮されています。

戦争などしたくないロシア国民に戦争を強いること、戦場に行きたくもない若者を演習と偽って戦場に立たせ、その内の多くの命を失い、多くのロシア人に限りない悲嘆を強いた事は、ロシア国民に対する犯罪であるとして、プーチンを断罪しているのです。

基本認識は、ロシアという国がプーチンではないという事です。ボンダレフさん言葉では、明らかに、独裁国家にありがちな、国と国のリーダーの存在の矛盾が追及されています。それは、「ロシアを孤立化させ、名誉を傷つけているだけだ」とプーチンの意図することの結果を明確に指摘していることから明白です。

結果的にプーチンは否定され、ロシアのことを考えることは、ロシアの国民のことを考えることだというのが発想の原点でしょう。

国というのは、国民のことでなければなりません。プーチンにとっては、国とは自分であり、自分が統治する領土であるということになっているようですが、これは中世の昔、多くの国の王様が持っていた概念でしょう(「朕は国家なり」=ルイ14世)。

そういうことでは困るので、民主主義の世の中にしようと人類は頑張って、今日までの歴史を作り上げてきたわけです。

21世紀の世の中で、ごく少数の独裁者、独裁者志望者が、とんでもないアナクロニズムに冒されているという現実を考えたとき、中世と今では「国」の概念は「全く違うのですよ」という事をもっともっと周知させなければならないのではないでしょうか。

そして、今現在、それが最も必要なのはロシアの人達でしょう。
制限された情報の中で、誤った概念を持たされている人達、主権者であるのに主権者は別にいると思っている人たち、そうした事情をある程度理解しながら、権力者を恐れ発言も行動も控えている人達が、20年のプーチン支配の中で、多く生まれてしまっているのではないでしょうか。

これを変えていくためには本格的な情報戦争が必要でしょう。手段はいろいろあるでしょう。しかしこの情報戦争に勝てば、それはプーチン政権が瓦解する時になるのでしょう。
戦争は軍事力だけではないと言えそうです。重要な別の手段、情報戦略もあり、それが決定的なものになる可能性も考えられるのではないでしょうか。

我家のホタルその後、今年は期待していますが

2022年05月24日 15時06分53秒 | 環境

 我家のホタルの飼育については、毎年報告していますので、今年も、今のうちに経過報告をしておきたいと思います。

というのも、実は、今年も昨年に続き失敗の可能性が高いようなので、ホタルの光をお届け出来ない事を考えているからです。(予防線を張っているという事でしょか)

一昨年の秋に、我が家の山茶花にチャドクガが大派生し、何とかしなければと殺虫剤を使いました。後から「しまった、ちょっとやりすぎたかな」と思ったのですが、残念ながら残留殺虫剤のせいでしょう、羽化したのはゲンジボタルが僅か1匹、ヘイケボタルは全滅という惨状でした。

不注意で、ホタルの幼虫には申し訳ないと思いましたが、後の祭でした。

そんなことで今年はゲンジの種ボタルだけを改めて仕入れ、終齢までは発泡スチロールの中、4月上旬に上陸しそうな様子になってにわのU字溝に放しました。

そして、今、そろそろ羽化の時期かなと、毎晩8時になると、U字溝の周りの叢を見に行っているのです。オオムラサキの下ですから、オオムラサキの枝につかまって藪の草をかき分けているのですが、今年もまだ全く気配がないのです。

累積温度が低いので遅れているのか、残留殺虫剤が未だ邪魔しているのか、半分諦めながら、もう少し毎晩の点検を続けていくつもりです。

生き物を育てるのは難しいものだと思いながら、1匹でも羽化してくれないかと願いつつです。

未だ未練がましく、累積気温が低いせいで遅れていて、「あ、羽化した」なんてことも考えたりしているところです。

   

  以前部屋の中に放した時の写真

 

 

 

 

 


民主主義の「トリセツ」 第2回

2022年05月23日 14時25分49秒 | 文化社会

4月9日に「民主主義の「トリセツ」が必要な時代」を書きました。

何故そんなことを書いたかと言いますと、ロシアがウクライナに侵攻し、事態がますます深刻になって来ているからです。

これはロシアとウクライナの戦いではなく、民主主義と独裁主義の戦いだという人もいます。民主主義国は大多数がウクライナを支持し、一部の独裁国がロシアに理解を示しています。

多くの国、多くの人達が、民主主義国は戦争など仕掛けない、独裁国がこういう国際法に違反するようなことをやるのだと言っています。私もそうだと思っています。

しかし、問題は、ロシア自身が、形式上は民主主義国なのです。ロシアを支持している中国も、国のリーダーは多数決で決めているという事のようです。

しかし誰が見ても、ロシアはプーチン大統領の独裁の下にありますし、中国も、共産党一党独裁で、習近平が終身主席ということになり、この秋に定年制が適用されない事が決まれば、明らかに独裁国になり、台湾併合に動き出すのではないかといった事が言われています。

形式は民主主義の原則に則って多数決で決めるということになっているのに、なぜ独裁国が生まれてしまうのかと考えますと、国民が、民主主義の取り扱いに失敗して居るからだという事になるのではないでしょうか。

ということで、それなら最近流行りの「トリセツ」を準備して、民主主義という良いシステムを誤りなく「取り扱う」ようにすればいいのではないかということになるわけです。

「トリセツ」というのはご承知の通り「取扱説明書」の略で、ついでに、難しくて、読んでもよく解らないような説明書ではなく、誰にでも簡単に解り、納得がいくように書いてある「優れもの」といった意味もあるのではないでしょうか。

ということで、4月9日に書きましたように、それぞれの国の国民が、解り易い「民主主義のトリセツ」を持っていて、選挙の時に、それを参考にして投票するようにすれば、民主主義の顔をしながら中身は独裁国なとというケースがなくなるのではと思って、前回まず2つの点を挙げました。

1、 過去の経験から、リーダーの最長任期を決めたら、それを伸ばそうとする人をリーダーに選んではいけない。
2、 自分も嘘(Fake)言いながら、他人の言う事を嘘(Fake)だと言う人をリーダーに選んではいけない。

皆様の気付かれた点を付け加えて頂こうと思っていますが、今回とりあえず2つほどの項目を付け加えたらと思いました。

3、情報を操作している人、あるいは、操作しようとしている人をリーダーに選んではいけない。

4、感情の起伏が激しく、舞い上がったり激怒したりする人をリーダーに選んではいけない。

  (以下宜しくお気づきのことを挙げて頂ければ幸甚です)

多くの人の知恵で、民主主義がより良い物になりますように。 

 

 

 

 

 


デジタル化の流れは何処で滞留

2022年05月21日 14時54分51秒 | 経済
昨年、「デジタル国家に近づくには」と書きました。
デジタル庁が出来、デジタル大臣がおかれ、事務方のトップのデジタル監には大学教授(女性)が就いて、菅総理はニコニコ顔でした。

デジタル化推進役として、大臣と大学教授出身のデジタル監のコンビで、いよいよ日本のデジタル時代の幕開けかと期待したのですが、差し当たってマイナカードの普及などの動きはあったものの、その後格別な動きはなかったという印象でした。

岸田内閣になって、大臣は新進の女性政治家が付き、デジタル監には内部昇進の、今度は男性が付きました。

男性か女性かはどうでもいいのですが、デジタル化は進んで行かなくてはならない事ですから,しっかり構想を練り上げて、世界に恥ずかしくないデジタル日本に向けて精力的に動いてほしいと思っています。

 そういう意味では、国の政策としては、折角作ったマイナカード・システムを、本格的に使いこなして、デジタル日本の基礎とすることがまず必要でしょう。
 勿論、デジタル庁としては、それが基本のはずですから、マイナカードの普及が最優先ということになるのでしょう。

これまでも、マイナカードを作ればこんな特典がというキャンペーンがやられています。、マイナカードを作って、それをお好きなカード会社に登録すれば、そのカード会社からこれだけポイントがもらえますといった飴玉で、普及を進めていますが、どうも徹底しないようです。

既にマイナカードを作っている人は、自分の使っているカード会社などのどれかに登録して1000ポイントか5000ポイントか貰うかもしれませんが、それが欲しくて新たにマイナカードを作る気なるかどうかです。

本当は、マイナカードを作れば、いろいろと便利なことが増えるから作るというのでないと本格的な普及には届かないのではないでしょうか。

去年からでしょうか、健康保険証が小さな紙カードになって、便利かと思いましたら、ペラペラの紙で、診察券と一緒にカード入れに入れても取り出しにくいし破れそうで心配でした。

そこで、「マイナカードに登録すればマイナカードが保険証になりますよ」というデジタル庁の助言に従い登録しました。

これで安心と思ったのですが・・・。私も高齢者の常として何か所かの病院・薬局に行っています、しかし、何処も「うちではまだ使えません」とそれが当たり前のような返事でした。ネットで調べたら、国分寺市で使えるところは寥々たるものでした。事前調査が不足でした。

ところで、知識は高い所から低い所に流れます、情報は早い所から遅い所に流れます、人の行動は不便なところから便利な所に流れます。

マイナカードが使えるのは、住民票、印鑑証明、納税証明、所得申告など年に一度あるかないかの用事でしょう。老人がこれはと思った健康保険証もダメでした。(病院・薬局が怠慢と責任転嫁で済ませますか?)

飴玉で釣ってマイナカードを作らせるよりも、こんな便利なものなら早く作ればよかった、とみんなが思う利用環境をどう作るかが先ではないでしょうか。

2022年4月消費者物価2.5%上昇

2022年05月20日 11時53分00秒 | 経済
今日、総務省から4月の消費者物価指数が発表になりました。このブログでは、4月には消費者物価の上昇は2%を越えるとみて来ていましたが、2.5%とは予想外の大幅という感じです。

これから日本でも消費者物価の上昇がいろいろ問題になりそうなので、消費者物価の種々の問題も、取り上げてきたいと思います。

消費者物価の総合指数にはご承知のように3種類ありまして、全てをカバーする「総合」、不規則の動きが多い生鮮食品を除いた「生鮮食品を除く総合」、海外の変動に影響されるエネルギーも除いた「生鮮食品とえねるぎーを除く総合」の3つです。

生鮮食品とエネルギーを除く総合は、日本経済そのものの基本的な状態を表すので、アメリカでは、は「コアコア(核心部分の意)」と呼ばれ、その国の経済の在りかたが物価に反映する部分と理解されています。(政府のインフレ・ターゲット2%などはこの部分の「はず」です)

ということで、最近の動きをみましょう。
次のグラフは、2000年=100とした、消費者物価指数の動きで「原系列」と呼ばれ。前月比の上昇率とか、対前年同期比上昇率とかいうのはこの数字から計算されます。
    消費者物価指数の原系列の動き(2020年=100)


一目してお解りのように「総合」と「生鮮食品を除く総合」は絡まり合っていますが、だいたい同じ動きです。生鮮食品は、天気などに影響されますから、豊作だと安くなり凶作だと高くなりますが、豊作と凶作はかわるがわる来ますから、長い目で見ると、絡まり合って大体似た動きになるわけです。

更にエネルギーも除いたのが緑の線ですが、これが日本経済自体がインフレ体質かどうかを見る、アメリカでいえばコアコアの動きです。
ずっと低くて、しかし少し上がって来ています。

次のグラフを見て頂けばはっきりしますが、これは対前年同月比の上昇率です。青と赤の線は今年1月から1年前より上に来ていますが、緑の線は3月までマイナスで、4月で初めてプラスに転じたところです。

      この1年間の消費者物価指数の対前年同期比変化率

 エネルギーと野菜などの値上がりがなければ、日本の消費者物価はほとんど上がっていなかったという事です。
 
ただ4月からは、円安で エネルギー以外の輸入品の値段も上がっていますし、加工食品や、対個人サービスなどの価格も、長い間我慢してきたこともあって、この際少し値上げさせてくれといった事情もあり、いわゆるコアコアの部分も上昇してきているようですから、5月以降の動きに注目の必要がありそうです。

2つほど付け加えておきましょう。
先ず、マスコミでは4月の消費者物価上昇率2.5%というのと2.1%というのがあるようです。2.5%というのが総合で、2.1%というのは生鮮食品を除く総合の数字です。

もう1つですが、消費者物価の中身の動きは、大まかには10大費目別の上昇率でわかりますが、4月分の10大費目別の対前年同月上昇率は以下の通りです。

食料   102.9
住居   101.0
水道光熱 114.3
家具等  103.7
被服等  102.4
保健医療 98.9  
交通通信 93.0
教育   101.1
教養娯楽 103.1
その他  102.1    以上


IPEFとは何か、日本の役割は?

2022年05月19日 16時39分29秒 | 国際経済
明日から5日間、アメリカのバイデン大統領が、日本と韓国を歴訪ということだそうで、その中で、IPEF(インド太平洋経済枠組み)の設立を提唱するということだそうです。

アメリカは今、民主主義諸国の盟主として、大変大きな役割を担うことになっているようです。

というのも、ロシアのウクライナ侵攻という、歴史が100年近く巻き戻されたような事件が起き、ウクライナは勿論、ヨーロッパ諸国からも、更に広い意味では、世界の民主主義の国々から、やはり頼りになるのはアメリカ、と言うことになって来てしまったからでしょう.

民主主義諸国がそう考えるのも当然で、ウクライナに進行したロシアは、典型的な専制主義国家で、プーチンという独裁者の下でその意のままに動くという恐ろしい国であることが明らかになったのです。

改めて独裁国の恐ろしさを見せつけられ、ロシアの隣にはもう一つの独裁国かもしれない国中国があって、中国は陰に陽にロシアを支援しているという状況を見れば、またその2国が、国連の常任理事国5か国の中に入っていて、拒否権を使って常任理事会の意見がまとまらないようになってしまっていることも解っているわけです。

ロシアの西に隣接するのはウクライナですが、東に隣接するのは日本で、日ソの間には北方領土という問題もあるので、世界の人は、日本も大変だなと思っているかもしれません。

アメリカがどう思っているかは知りませんが、戦争をしない日本、世界が平和でナイト系座愛的にも立ち行かない資源小国日本は、海に囲まれていますから、太平洋からインド洋まで、周りが平和な海でないと生きられない国でしょう。

ならば、インド太平洋諸国の平和な経済の枠組みはにほんにとっては極めて重要な構想ということになるのでしょう。
アメリカもそのあたりは確り読んでという事でしょうし、日本も両手を挙げて賛成と言わなければならないでしょう。

ところでIPEFの「枠組み」の中身ですが大きく「サプライチェーンの強化」「脱炭素の推進」「国際課税の調整」などで、TPPの主眼の「関税引き下げ」などは入っていないという事のようで、アメリカはアメリカなりに、考えている様子がかが得ます。

ロシアも中国も入って「みんな仲良くやろう」という時代のAPEC(アジア太平洋経済協力機構)などはどうなるのかわかりませんが、IPEF構想の中身は、アメリカの利害に直結するもの、民主主義圏と専制独裁国の対立のなかでという匂いが強いようです。じ
こう考えてきますと歴史的に外交下手の日本にどんな役割が可能かという問題は大変難しそうです。

今迄は、アメリカのトランプさんともゴルフで仲良く、ロシアのプーチンさんとも二十数回会って、自分の田舎にまで招待したけれども、結果は何もなかったという安倍外交や、ロン・ヤスの親密関係を結んだと思っていた相手に「プラザ合意」という強力な下剤を飲まされて、30年も日本経済を痩せ細らせた中曽根外交もあったわけです。

アメリカは親切でよい国でもありますが、本当は手ごわい国なのでしょう。瀬秋を2分する対立がおきるかもしれないといった難しい局面の中で、日本の本来の役割が果たせるような外交が可能か、TPPから抜けたアメリカという現実も考えながら、誤りのない道を選んでほしいものです。

1-3月GDP、コロナ、国際情勢、物価

2022年05月18日 15時52分52秒 | 経済
昨日、2022年1-3月のGDP速報が内閣府から発表になりました。

この所の四半期の実質GDPの対前期の動きを見ますとコロナ次第で、昨年の1-3月が-0.3%、4-6月が+0.5%、7-9月が-0.7%、10-12月が+0.9%で今年の1-3がつが-0.2%と毎期+と-を行き来しています。

この1-3月のマイナスは勿論オミクロン株感染急拡大のせいもあるでしょうが、次第に国際情勢の多様な影響が出て来そうです。これはまず、原油を中心にした国際的な原材料価格の上昇問題、3月からはウクライナ関連で、対ロシア経済制裁問題をはじめ国際関係の諸問題、金融政策格差による為替レートなどが影響して来そうです。

これからますます波乱含みの国際情勢がGDP統計に影響するのは典型的にGDPデフレータなど諸種の物価の動きを通じてで、これまでは名目値と実質値があまり違いませんでしたが、これからは「実質値+物価上昇率=名目値」の中の物価上昇率が大きくなるので、景気の判断が難しくなる感じです。

勿論国民生活には実質成長率が最も大事でしょうが、企業の売上げや利益には名目成長率も大きく影響するからです。

ところで少し長期的な目で、この1-3月期のGDPの対前年同期比で、この1年間の変化を見てみます。

大変奇妙なことにこの1-3月は昨年の1-3月に比べて名目成長率は-0.2%で、実質成長率は+0.2%なのです。
物価が上がって来ているのに、名目成長率が実質成長率よりも低いとは何事?政府の計算違いじゃないかと言うとそうではないのです。

国内需要は昨年1-3月より(オミクロンにもめげず)名目2.6%、実質0.7%伸び、家計最終消費は名目2.5%、実質2.0%伸びています。
家計の消費は,この3四半期、次第に対前年同期比で増加幅が大きくなり、順調に見えます。

名目と実質の差(デフレータ)を見ますと、企業物価も入っている国内需要は1.9、消費者物価に相当する家計消費は0.5と企業物価は上がっても消費者物価の上昇はまだ小さい事が解ります。

こう見てきますと。国内需要は家計消費も含めて何とか堅調なのですが、実質成長率をマイナスにしている元凶は「海外需要(輸出マイナス輸入=純輸出)のマイナスだな」ということになって来ます。

輸出は海外の景気回復もあり順調で名目15.3%、実質4.5%の増加です。
しかし、その一方で、輸入が名目32.3%、実質7.3%の増加になっているのです。
輸出物価も上がっていますが、輸入物価の上昇の大きいことが解ります。

ということで、輸入はGDPのマイナス要因ですから、特に名目値ではその影響が大きく出て海外需要の寄与度-2.8%ということになり,国内需要の+2.6%から差し引くとGDP名目成長率-0.2%になるわけです。

実質では、輸入価格の上昇分がデフレータで消えて「量」の増加だけになります。輸入の増加は上述のように32.3%から7.3%になるので、海外需要の寄与度は-0.6%になり、国内需要の成長率0.7%から差し引くと0.2%のプラス成長(四捨五入の影響が0.1%あるようです)ということになるのでしょう。

価格変動、諸物価上昇は簡単には収まらないでしょうが、次期以降は海外の景気の持ち直しが進み、輸出も堅調、コロナも沈静傾向で、家計消費も徐々に回復という傾向を期待したいと思います。


企業物価指数(4月)が発表になりました

2022年05月17日 11時33分07秒 | 経済
昨日、日本銀行から、2022年4月の輸入物価指数と企業物価質が発表になりました。

    主要3物価の動き(2021年1月=100)

       消費者物価の2022年4月は「東京都区部」の数字で代替

マスコミの報道では。企業物価指数は10%の上昇、輸入物価指数は44.6%もの上昇と、両物価とも上昇基調が続いていることが報道されていました。

今の物価上昇は、殆どが世界的な原油などの資源価格の上昇と、円安による輸入品の価格上昇ですから、そのすべての影響が輸入物価指数の上昇になって、まず輸入物価が上がり、その影響が企業物価に出て、最終的には消費者物価に及んでくるという形になっています。

輸入物価から企業物価へ、そして消費者物価へという価格上昇の波及が目に見えるように、ここではグラフにしています。

輸入物価が上がり始めたのが2021年に入ってからですのでグラフの基準は2021年1月=100でそろえています。輸入物価が上がれば企業物価が上がリ、そして消費者物価まで影響が及ぶ、その波及する物価上昇が結果的にそれぞれどの程度のものか、一目瞭然になると思っています。

これまでのところは輸入物価が5割近く上がっても消費者物価は2%程度です。今後は消費者物価の上昇が少し加速しそうですがこのグラフは毎月更新延長しますから今後もご覧頂ければ幸甚です。

今がチャンス、非正規の正規化と産業訓練の徹底を

2022年05月16日 16時09分05秒 | 経済
先行きのことは誰にも解りませんが、ロシアのウクライナ侵攻の問題は長引きそうだという見方が多くなってきました。

それだけではなく、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟問題に対する独裁国ロシアの反応が懸念されるという新たな問題が起き、世界の情勢は、何か不安定の度を増しているようです。

ロシアの様な独裁国は、独裁者の異常な意思決定ですべてが動きますから状況が複雑化すと世界中が先行きの判断が難しくなり、大変困るわけです。
そして予防的に走る方向は、防衛力、具体的には戦力の強化という事になります。

これは大変恐ろしく悲しい無駄かもしれない出費ですが、それが当面の経済活動に対しては活発化の効果を持つようです。

恐らく日本も例外ではないでしょう、そしてそれは日本の場合、これまでの産業政策の失敗で弱体化した技術開発力の再建という形で進むことになるのでしょう。

アメリカの経済活動も活発化するでしょう。インフレの進行の可能性も消えず、FRBは金利の引き上げを続けることになりそうです。
放置すれば日米金利差は開き、円安状態も続く可能性が大きくなります。

コロナの方は、現状では新規感染者がGW後もあまり増えていません。岸田政権も半導体などを中心に研究開発体制の積極支援に乗り出すようです。

産業界は前3月期の好調を、今期は落ち込むという予測で、抑制的に考えているようですが、状況によってはあえて悲観的にならなくてもいいのではないでしょか。

前3月期決算を心理的な転機として、この際、日本の能力を本気で積極的に生かすという意識転換をし、日本の産業復興に産業界の総力を挙げて取り組むという気概と姿勢に、思考回路や体質を変えたらどうでしょか。

こうした意識転換を為し得るのは、政府・財界の意識改革であり、それが、働く人たちの気持ちを前向き、積極的なものに変える力を持たなければなんらないでしょう。

いま日本がやらなければならない事は、働く人、もっと広く言えば日本の労働力人口の将来に向かう積極的な意識の醸成でしょう。
そしてそのきっかけは多分、就職氷河期の後遺症である、非正規労働力を安易に使うという腰の引けた雇用体制の蔓延でしょう。

この安易な雇用意識を捨て、日本の持つ労働力の徹底活用を考えることは恐らく労使双方にとって、意識転換のスタートになり得るのではないでしょうか。
出来るだけ多くの非正規労働者を、その潜在力に期待して正規に組み入れ、OJT、Off-JTで鍛え、持てる潜在能力の100%発揮につなげるのです。

政府は雇用保険2事業を雇用安定中心から能力開発中心に改め、企業は従業員への人材開発投資は設備投資に勝るという長期的視点に立って、非正規労働者の正規採用と従業員の教育訓練は企業の社会的責任と心得て、十分なカネをかけるべきでしょう。

日本人の潜在能力は、過去の経験から見れば世界に冠たるほどに大きいはずです。そして日本人の潜在能力が顕在能力に結実した時、日本経済の潜在成長力は、そのまま日本経済の現実の経済成長率になるのでしょう。

物をうごかすのにはキッカケが必要です、今はそのキッカケの時かもしれません。そしてキッカケを適切に活用できるかどうかは、リーダーに大きく依存します。

岸田政権、経団連、そして連合の姿勢はこの際、大変重要だと思っています。

上がり始めた消費者物価、4月2%越えへ

2022年05月14日 14時22分27秒 | 経済
いよいよ消費者物価の値上がりが始まる気配です。

日用品、生活必需品などは、これまで値上げすれば売れなくなるというので、5年も10年も値上げをしないで来た商品やサービスも沢山あります。

賃金も上がらないし、消費意欲も低い状態が続き、経済評論家も「世界的に物価の上がらない時代に入った」などと解説していたのが半年か1年前までの状況でした。

それでも一般的には年に2=3%は物価が上がっている国も多かったのですが、日本は本当に物価が上がらない国でした。
今の消費者物価指数(2020年基準)は、「生鮮食品とエネルギーを除く総合」で見ますと2008年が97.9で2021年が99.2、その間2000年が一番高くて100.0ということです。

ところが昨年後半あたりから世界中で物価が上がり始めアメリカやEUでは今や年率8%前後となり、日本でも、輸入物価、企業物価は急激に上がり始めました。
そして、その影響が消費者物価にもで始めたところです。

ネットに出ている4月1日から値上げの一覧表などでは、

即席めん、生めんなど冷凍食品、生菓子、焼き菓子、コーラ、ケチャップ、チーズ、ウィスキー、食用油、調味料、トイレットペーパー、紙おむつ、照明器具、カセットガス、高速料金、など挙げればきりがなく、上げ幅は3%、5%から10%超までです。

皆様の身の回りで、既に今年に入って値上がりしているものも沢山あると思います。
例月載せています輸入物価指数、企業物価指数、消費者物価指数のグラフでも、昨年末から消費者物価上昇の動きがはっきり見えています。

差し当たって注目は、4月の数字ですが消費者物価の発表は20日頃でしょう。
先日発表されました全国の先行指標ともいえる東京都区部の消費者物価は前年同月比2.5%の上昇で、政府・日銀のインフレ目標2%をアッサリとクリアしましたが、目標を達成でもお国民生活には何もいいことはありません。

ただ4月は昨年の4月が、特に低かったということもあり、5月は上げ幅が小さくなる可能性もあります。欧米の様な急上昇とは異質な日本の物価上昇ですが、上昇傾向はじりじりと続きそうです。

因みに、東京都区部の4月の数字を全国の先行指標と考えて入れてみた例月の主要3物価指数のグラフを載せておきます。

     主要3物価指数

       2021年1月=100、グラフは上昇分(%)