水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

四方山(よもやま)ユーモア短編集 (28)明日(あす)を楽にさせる

2021年09月25日 00時00分00秒 | #小説

 皆さん、ご存じだろうか? 明日(あす)は生きているのである。馬鹿か、お前はっ!? とお𠮟(しか)りを頂戴するかもしれないが、事実なのだから仕方がない。^^ その生きている明日を楽にさせるには、今日に頑張ってもらう他はない。今日は明日を楽にさせるために頑張っているのである。^^ 勝手にやってろっ! と言われると思いますので、勝手にやらせていただきます。^^ え~~、そんな訳で二十八話は明日を楽にさせる・・という四方山話(よもやまばなし)です。^^
 例によって、とあるである。とある町役場では、朝から月例出納検査の準備に追われていた。町議会で選任された強面(こわもて)の監査委員に、職員たちは少しビビッていた・・ということもある。
「おいっ! 明後日(あさって)だぞっ!」
「分かってますよっ! 明後日でしょ!?」
「明後日を楽にさせるためには、明日が頑張らんとなっ! でだっ!! 明日を楽にさせるためにはだっ! 言ってみろっ!」
「…今日(きょう)ですか?」
「そう! 今日! 今日だっ! 今日、頑張らんとなっ!」
「分かってますよっ!」
「出来てんのかっ! 質疑応答マニュアルはっ!?」
「そんな大げさなっ!」
「馬鹿野郎! 相手は強面の虎村さんだぞっ!」
「ええ。新しく監査委員になられたのは虎村さんですっ!」
「お前は虎村さんの恐ろしさを知らんのだろっ!」
「襲うんですかっ!?」
「ああ、何人も犠牲になってるっ! 左遷組が…確か、三人だっ!」
「怖(こわ)いですねっ!」
「ああ、幽霊屋敷より怖いっ!」
「分かりました、先輩っ! ともかく、明日を楽にさせますっ!」
「おう! 俺も明日を楽にさせるから、お前も明日を楽にさせろっ!」
「はいっ! 明日を楽にさせますっ!」
「よしっ! 頑張ろう!」
 その会話を通りかかった課長の猫川が聞いていた。
「君達、明日を楽にさせるのか? ははは…結構、結構!!」
 皆さん、明日を楽にさせるために今日を頑張りましょう!^^ 二十八話は、明日を楽にさせる・・という四方山話でした。^^

                   完


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