中傷(なかきず)ではなく中傷(ちゅうしょう)である。^^ 人を誹謗(ひぼう)、中傷するとかいうアレだ。中傷されれば、確かに心は傷つくから、中の傷・・とはいえるかも知れない。^^ 最近の世相はこの中傷する行為が多いから困る。まあ、それだけ平和な国だとは言えますが…。
楽しみにしていた超有名芸人が中傷によりマスコミに干され、テレビ画面から姿を消したのを知った都呂々(とろろ)は、観たい番組の開始時間となりONにしたテレビのリモコンをOFFった。
『芸は芸、プライベートはプライベートだと思うけどな…』
これが都呂々のマスコミへの中傷に対する気持だった。
『何かにつけて最近の世の中はザワつく…。敗戦直後の日本人なら考えられなかった現象だ。それだけ世の中が平和で浮かれているということか…』
都呂々は、また思った。ラジオや新聞だけの情報しかなく、物がなかった時代の人々は頑張っていたし輝いてもいた。その映像が都呂々の心にふと、甦(よみがえ)った。
『そういや、相撲でも幕下あたりまで落ちた力士がいたな。怪我は自分の責任だから仕方ないが…。コンプライアンス委員会か、ははは…笑っちゃうよっ! 髻(たぶさ)つけてる角界がコンブライアンスってのも、いかがなものか…』
蔵前では起こり得なかった中傷が、両国ではマスコミの影響を受け、さも当たり前のように闊歩(かっぽ)している…というのが都呂々の偉そうな見解である。^^
『相撲は相撲、プライベートはプライベートだと思うけどな…』
あれだけ相撲番組に齧(かじ)りついていた都呂々の相撲観戦は、今やネットの動画配信だけとなっていた。
中傷されるのは誰だって嫌です。最小限にして頂いて、暮らしを良くしましょう、皆さん。^^
※ 髻(たぶさ)は髻(もとどり)とも呼ばれるそうです。^^
完