真似(まね)は、どこまで行っても真似であり、オリジナルではない。発明や発見ではなく、飽くまでも実用新案なのである。戦後日本の発展の歴史はこの手が実に多く、今までの世相を振り返れば、資源のない負い目を先進国の真似+実用新案で、ようやく先進国の仲間入りをした・・という経緯がある。ジョブ・シェアリング[イギリス]を真似して有り得ないワーク・シェアリングなどと国会でどぅ~たらこぅ~たら[どうのこうの]と論議された過去は真に恥ずべきであり、耳を覆うものがあった。反省をっ![お猿さんのように立って片手をつくポーズ]^^
とある中堅会社に勤務する如月(きさらぎ)は、真似が上手い社員で副部長にまでのし上がった中年男だった。宴会芸が得意で、同期の社員達は全て課長で、この芸があったら副部長以上に成れたな…と、彼を羨(うらや)ましく思っていた。
そしてついに、人気ある真似によって代表権はないものの取締役へと抜擢されたのである。
「ははは…如月君、取締役といっても飽くまでも形だけの真似だよ。誤解しないように…」
専務にそう言われた如月は、甘くない世相の厳(きび)しさを肌にヒシヒシと感じるのだった。ぅぅぅ…憐(あわ)れっ!^^
如月さん、世間はそんなものです。真似は宴会芸だけに致しましょう。^^
完