水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

世相ユーモア短編集 -52- 幸せ

2025年01月12日 00時00分00秒 | #小説

 様々な災害や戦争、事件を見聞きする最近の世相には、ただただ目を瞑(つむ)る他ない…などと実(まこと)しやかな言い訳を思いながら、今朝は朝寝坊を致しました。^^ いや、本当のところを言いますと、身体が疲れていたようですが…。しばらくぶりに快眠し、朝シャワーを浴びて英気を養ったところです。家庭菜園のダイコンを湯がいて温野菜にし、ポン酢+マヨネーズで食すと、まさにこれこそが小さな幸せだ…と思える朝になりました。^^
 舘花(たちばな)は新聞の震災記事を読みながら、幸せとはなんだろう? と小難しいことを偉そうに考えていた。記事には妻と三人の子を失くした夫の顔写真が一面トップに掲載されていた。
『家族に恵まれなかった僕の方が幸せか…』
 そんな思いが舘花の胸中を過った。大きな幸せを得た分、失くした幸せの絶望感は、より深く辛辣(しんらつ)に胸を抉(えぐ)る…と感じられたのである。そのとき、ネット注文しておいた品が配達された。おおっ! これこそが幸せっ! と、舘花は幸せを肌で感じた。
 大きな幸せは、失くしたときの絶望感が大きくなりますから、小(中ーα)か末(すえ)くらいの吉運が現在の世相では、いいようですね。^^

 ※ αは社会の中で生きる上での、様々なマイナスの軋轢(あつれき)です。^^

                   完


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