後期高齢者の旅とひとりごと

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山になぜ登るのか

2007-03-21 10:02:06 | 本と雑誌

日本の山岳小説の第一人者である新田次郎の社会人アルピニストの三部作 孤高の人 栄光の岸壁 銀嶺の人 を読んだ

新田次郎氏はこの三部作でなぜ山に登るのか の答えを読者に求めておられる。

若きアルピニストにとっては山は生き甲斐であり、人生のすべてであるとしか言いようがない。過酷な自然との闘い ロッククライミングはまさに格闘技である。

作者は昔気象庁に勤務され富士山の測候所にもおられたこともあり山の気象に詳しく山の怖さがひしひしとつたわってくる。山での吹雪や雨かぜのときの対処、表層なだれの怖さ、落石による危険、落雷による危険など臨場感あふれる小説である。

山は過酷である一旦牙をむくと人を寄せ付けない

昨今中高齢者の山登りが増えているようだがちょっとした不注意が不幸をまねく、ただ健康作りのための気楽な山登りは慎むべきである。それなりの準備をして登って貰いたいものだ。

山の気候は急変するのが常である。何年かまえの11月に私が上高地へ行った時前日は暖かい日であったが一夜にして天気が急変し雪となり軽装で穂高に登った人が寒さで死亡する事故があった 新田次郎の山岳小説は山での遭難のようすが詳しくかかれていて

山へ行かれる人はぜひ読んでほしい。

きしくも今回北海道積丹岳で表層なだれが発生し不幸な遭難の報に接し、あらためて

冬山の怖さを思い知る。

栄光の岸壁のなかで表層なだれのことが詳しく書いておられるが、その知識を少しでも知っておればこの遭難は防げたかも知れない、残念である。