名古屋能楽堂での「万作を観る会」に行って来ました。
今年で15回目。昨年は万作さんの体調があまり良くないとの事で延期になり1年ぶりの開催です。
演目は昨年予定されていたものと同じで、小舞「雪山」「海道下り」、狂言「木六駄」「弓矢太郎」

もちろんメインは万作さんによる「木六駄」
上演時間が長めの番組で普段の狂言会ではあまり上演されない曲なので、これまで観たのは数えるほど。
万作さんのシテで観た事があったかどうかちょっと記憶がないので、もしかして初めてかもしれません。
内容的には太郎冠者が主人の依頼で奥丹後から京都の伯父のもとへ木六駄と炭六駄と酒を運ぶ道中のお話。
何もない能楽堂の舞台に十二頭もの牛を描いてみせなければならない難しい曲なのです。
今回の万作さんの太郎冠者は牛への愛情を持った接し方とゆったりとした舞台運びで見事に舞台上に雪の中を行く牛の姿を描き出しておられました。
老の坂の峠の茶屋で手土産のお酒を茶屋の主人と飲み干してしまうのですが、茶屋の主人が萬斎さん。
この組み合わせで酒を酌み交わすという場面を観るもの実はあまり見慣れない光景のように思えてなんだか嬉しい。
お酒を飲みながら舞を舞ったり上機嫌な太郎冠者の姿が生き生きとして見える。
そして、雪の中で待っていた牛に向かって挨拶をする姿も又、人間味が溢れていて暖かく感じた。
これまでの「木六駄」は雪の中で牛を追う太郎冠者の姿が一番印象的でしたが、今回は太郎冠者の人間味が一番印象に残りました。
もう一つの狂言「弓矢太郎」は萬斎さんがシテ。
臆病者なのにいつも威勢のいい事を言っている太郎をみんなで脅かそうとする話で、和泉流にのみある曲なんだそうです。
天神講の集まりでの話の中で鬼がいるという天神の森の松に扇を掛けに行くことになる太郎。
怖いので鬼の面をつけて出かけますが、脅かす役の天神講の当屋も鬼の面をつけて出かけて鉢合わせに。
そしてお互いが鬼だと思って気絶してしまうが、太郎の方が先に回復して、当屋たちの話を聞いて逆に皆を脅かすのですが、「よし、仕返しをしてやるぞ」という所の萬斎さんの表情がなんとも悪戯っ子のようで生き生きしていたのが印象的でした。
この会はいつも終演後に万作さんのインタビューがあるのですが、今年、初舞台から80年という節目を迎えられるとの事で秋に萬斎さんとの二人三番叟の上演計画があるそうです。
一度、名古屋で上演された事があるのですが、東京で、ご自身の会でされるのは初めてなんだそうです。
私ももう一度観てみたいなと思いました。

今年で15回目。昨年は万作さんの体調があまり良くないとの事で延期になり1年ぶりの開催です。
演目は昨年予定されていたものと同じで、小舞「雪山」「海道下り」、狂言「木六駄」「弓矢太郎」

もちろんメインは万作さんによる「木六駄」

上演時間が長めの番組で普段の狂言会ではあまり上演されない曲なので、これまで観たのは数えるほど。
万作さんのシテで観た事があったかどうかちょっと記憶がないので、もしかして初めてかもしれません。

内容的には太郎冠者が主人の依頼で奥丹後から京都の伯父のもとへ木六駄と炭六駄と酒を運ぶ道中のお話。
何もない能楽堂の舞台に十二頭もの牛を描いてみせなければならない難しい曲なのです。
今回の万作さんの太郎冠者は牛への愛情を持った接し方とゆったりとした舞台運びで見事に舞台上に雪の中を行く牛の姿を描き出しておられました。

老の坂の峠の茶屋で手土産のお酒を茶屋の主人と飲み干してしまうのですが、茶屋の主人が萬斎さん。
この組み合わせで酒を酌み交わすという場面を観るもの実はあまり見慣れない光景のように思えてなんだか嬉しい。

お酒を飲みながら舞を舞ったり上機嫌な太郎冠者の姿が生き生きとして見える。

そして、雪の中で待っていた牛に向かって挨拶をする姿も又、人間味が溢れていて暖かく感じた。
これまでの「木六駄」は雪の中で牛を追う太郎冠者の姿が一番印象的でしたが、今回は太郎冠者の人間味が一番印象に残りました。

もう一つの狂言「弓矢太郎」は萬斎さんがシテ。
臆病者なのにいつも威勢のいい事を言っている太郎をみんなで脅かそうとする話で、和泉流にのみある曲なんだそうです。
天神講の集まりでの話の中で鬼がいるという天神の森の松に扇を掛けに行くことになる太郎。
怖いので鬼の面をつけて出かけますが、脅かす役の天神講の当屋も鬼の面をつけて出かけて鉢合わせに。
そしてお互いが鬼だと思って気絶してしまうが、太郎の方が先に回復して、当屋たちの話を聞いて逆に皆を脅かすのですが、「よし、仕返しをしてやるぞ」という所の萬斎さんの表情がなんとも悪戯っ子のようで生き生きしていたのが印象的でした。

この会はいつも終演後に万作さんのインタビューがあるのですが、今年、初舞台から80年という節目を迎えられるとの事で秋に萬斎さんとの二人三番叟の上演計画があるそうです。
一度、名古屋で上演された事があるのですが、東京で、ご自身の会でされるのは初めてなんだそうです。
私ももう一度観てみたいなと思いました。
