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内村鑑三で私が最も好きなのは、米国留学中の、ダニーとのエピソード。
教育に従事する者は、すべからくこの内村とダニーとのエピソードを知ってほしい。
精神障害者?不良者?更生施設みたいなところで働いていた内村鑑三が、中でも手に負えないダニーに手を焼いた。
ダニーを打擲せんと思ったけど、安息日の日曜にそれをしたくない。
そこで内村は、自ら断食してダニーの更生を期した。
内村は悪くない、ダニーが悪い、でもなぜ内村が?
その不合理な美しさが、ダニーを回心させ、長じてダニーは内村の親友となった。
内村の一途で頑固でピュアなところの片鱗が窺えるエピソード。
確か愛の鬼才・西村久蔵にも似たようなエピソードがあったような、、、
内村といえば戦闘的で攻撃的、とばかり思いがちですが、このダニーとのエピソードはとても内省的で思索的。
内村は宗教を説く者ではなかった。
宗教を実践する者であった。
若松英輔さんのこの内村鑑三本は、紙で読んだけど電子で読み返している。
さすが若松さんの切り口、再読なのに発見が多い。
教育に従事する者は、すべからくこの内村とダニーとのエピソードを知ってほしい。