(F35A戦闘機)
① ""F35A戦闘機 青森沖で墜落 パイロットの捜索続く""
2019年4月10日 12時10分
9日夜、青森県沖で通信が途絶えた最新鋭のステルス戦闘機「F35A」について、航空自衛隊は、現場周辺で尾翼の一部が見つかったことから墜落したと断定しました。事故機からは直前に「訓練を中止する」という通信があったということで、航空自衛隊は何らかのトラブルが起きた可能性もあるとみて原因を調べるとともに、パイロットの捜索を続けています。
9日午後7時半ごろ、青森県三沢市の東の海上で、航空自衛隊の最新鋭のステルス戦闘機「F35A」1機の機影がレーダーから消え、通信が途絶えました。
自衛隊の航空機などが捜索にあたった結果、9日夜遅く、左右の尾翼の一部が海上で見つかり、航空自衛隊は機体が墜落したと断定しました。
事故機には40代の3等空佐の男性パイロット1人が乗っていましたが、これまでのところ見つかっておらず、捜索が続けられています。
航空自衛隊によりますと、事故機は当時、ほかの同型機と合わせて4機で訓練中で、直前には事故機からほかの機体に対し、「訓練を中止する」という通信があったということです。
航空自衛隊は訓練中に何らのトラブルが起きた可能性もあるとみて、事故調査委員会を設置して当時の詳しい状況や事故の原因を調べています。
F35Aはアメリカなどが開発した最新鋭のステルス戦闘機で、去年1月から三沢基地で配備が始まり先月、新たに飛行隊が設けられたばかりでした。
航空自衛隊によりますと、F35Aが墜落したケースは各国でもこれまでに確認されていないということです。
② 防衛相「搭乗員の捜索に全力」
岩屋防衛大臣は午前9時半前、記者団に、「残念ながら墜落したという状況だと考えている。搭乗員1名がいまだ行方不明で、現在も航空自衛隊、海上自衛隊などの航空機や艦艇に加えて、アメリカ軍も現場周辺の捜索を行っている。人命の救出に全力を尽くしていきたい」と述べました。
また当時の状況について「4機編隊で訓練を行っていたところ、1番機から『訓練中止』という送信があったのち通信が途絶し、レーダーの痕跡が消失した」と明らかにしました。
そのうえで「現在、民間の被害は確認されていないが、地元の皆様に大変ご不安を与えたことについて、深くおわび申し上げたい。今後は航空幕僚監部に設置した航空事故調査委員会で原因の究明をして、再発防止に努めていきたい」と述べ、墜落の原因の調査を行い、再発防止に努める考えを示しました。
また「残る自衛隊のF35A、12機は当面の間、飛行を見合わせるが、航空自衛隊の航空機全体についても、スクランブル=緊急発進の航空機や輸送機などを除き、本日は運航しないこととした」と述べました。
✈防衛相 三沢市長に陳謝 「再発防止に全力」
岩屋防衛大臣は防衛省で三沢市の種市市長と会談し、「民間への被害は確認されていないが、地元の皆様に大変不安を与えてしまい、誠に申し訳なく思っている」と陳謝しました。
そのうえで「今後、航空幕僚監部に設置した航空事故調査委員会で原因をしっかり究明して再発防止に努めたい。残る12機の機体は当面飛行を見合わせることにしている」と述べ、原因究明と再発防止に全力を挙げる考えを示しました。
これに対し種市市長は「まずはパイロットの救出を行い、再発防止に向け機体の整備や部隊の教育をお願いしたい」と述べました。
会談のあと種市市長は記者団に、「事故原因の究明が大事であり、それまで飛行は行ってほしくない。墜落した場所が市街地であれば大惨事になるので、二度とこのような事故が起こらないよう徹底してもらいたい」と述べました。
✈基地司令が三沢市に謝罪
航空自衛隊三沢基地の鮫島建一司令は、10日午前8時半ごろ三沢市役所を訪れ、米田光一郎副市長と面会しました。
鮫島司令は周辺住民に不安を与えていることについて謝罪したうえで、レーダーから消えたF35が墜落したと断定したことを伝えたということです。
これに対し米田副市長は、連絡を密にしながら今後の対応を取るよう鮫島司令に申し入れました。
面会のあと鮫島司令は「周辺住民を不安にさせる事態を起こしてしまったことを誠に申し訳なく思っている。事故原因の究明とパイロットの捜索に全力を挙げていきたい」と話していました。
米田副市長は「F35は高性能の戦闘機だと聞いていたので大変驚いている。司令からの報告を踏まえて今後の対応を検討していきたい」と話していました。