◎◎ 小池東京都知事が再選出馬表明、一層の「東京大改革」に意欲
延広絵美
2020年6月12日 15:49 JST
更新日時
2020年6月12日 19:51 JST
オンライン選挙宣言、東京五輪をコロナに打ち勝つ目標に設定
元日弁連会長・宇都宮氏、熊本県前副知事・小野氏らも出馬表明
東京都の小池百合子知事は12日夕に臨時記者会見を開き、任期満了に伴う都知事選(18日告示、7月5日投開票)への出馬を表明した。政党の推薦は求めずに再選を目指す。
◑◑ 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、選挙戦では街頭演説など「密」になる状況は避け、オンラインによる「ウィズコロナ、ポストコロナの選挙」のモデルケースを作ることに挑戦するとも宣言した。
小池氏は、4年前に掲げた「東京大改革」をさらにバージョンアップさせた「東京大改革2.0」実現のため出馬を決意したと説明。待機児童数の減少や、無電柱化の加速などを1期目の実績にあげた。2期目の公約の柱の一つとして、国際金融都市として「稼ぐ」東京の実現を目指し、国際競争の中で成長戦略進める考えを示した。
○○ 来年に延期された東京五輪・パラリンピックについては、新型コロナウイルスに打ち勝つという「目標」として、中止にするのではなく、簡素化や費用の最小化などを進めていく方針を強調した。
東京アラート解除
◐◐ 小池氏は東京都のコロナ対応を指揮。記者会見や動画配信で連日のように情報発信し、存在感を見せた。6月2日には「東京アラート」を発動したが、新規感染者の増加が一定程度に抑え込むことができたとして11日に解除。休業要請緩和も12日から最終段階の「ステップ3」に移行し、一部を除き、経済社会活動が本格的に再開することになった。新型コロナ対策を盛り込んだ補正予算も10日に成立した。
出馬表明のタイミングについて小池氏は、コロナ対策が一段落したためと説明した。12日の都内の新規感染者数は25人だった。
¤¤¤ 毎日新聞などが5月23日に実施した世論調査では、新型コロナへの対応で最も評価する政治家として、大阪府の吉村洋文知事が首位となり、小池氏は2位で、安倍晋三首相を上回った。
防衛相や環境相を歴任した小池氏は、2016年の都知事選に自民党の推薦を受けず出馬し、同党が擁立した元総務相の増田寛也氏らを破って初当選。17年の都議会議員選挙では、小池氏が率いる地域政党「都民ファーストの会」が圧勝し、改選前に第1党だった自民党を抑えて最大会派となった。同年の衆院選に「希望の党」を結党して挑んだが、民進党の一部合流を拒否した「排除の論理」で支持が離れ、失速した。
◑◑ 都議会自民党は小池氏と対立するものの、同党の二階俊博幹事長は、以前から小池氏を支援する意向を表明。9日の記者会見でも、小池氏が「最善最適の候補と思っている」とした上で、推薦要請があれば「直ちに推薦する、積極的に応援する」と述べていた。ただ、共同通信は12日、自民党は幹部会合を党本部で開き、都知事選は自主投票とする方針を決めたと報じた。
□□ 都知事選挙には、元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏が立候補を表明。立憲民主党は同氏を支援する方向の一方で、国民民主党の玉木雄一郎代表は応援や推薦をしない方針を示しており、野党統一候補の実現は困難のもよう。このほか熊本県の小野泰輔・前副知事も出馬を表明した。小野氏に対しては、日本維新の会が推薦を決定した。このほか実業家の堀江貴文氏、れいわ新選組の山本太郎代表の立候補も取りざたされている。
(小池都知事の会見内容を追加し、更新しました)
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