狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

Komm, süsser Tod

2018年10月10日 23時20分52秒 | 曲名がタイトルの日記







 本日10月10日は、日本銀行が開業した日で、辛亥革命が始まった日で、袁世凱が初代中華民国大総統に就任した日で、中国国民党が結成されて孫文が総理に就任した日で、疎開学童の帰京が始まった日で、鹿苑寺が再建されて落慶法要があった日で、第18回夏季オリンピック・東京オリンピックが開幕した日で、マグロの日で、坂田銀時のお誕生日です。

 本日の倉敷は曇り時々雨でありましたよ。
 最高気温は二十三度。最低気温は十八度でありましたよ。
 明日は予報では倉敷は雨となっております。お出かけの際はお気を付けくださいませ。








 或る夜の事。




 …………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。
 狐が薄々と眼を覚ました時、熊蜂の唸るような音はまだその弾力の深い余韻を狐の耳の穴の中にはつきりと引き残していた。
 其れをぢいつと聞いている内に……今は真夜中だな……と直覚した。
 そうして何処か近くでぼんぼん時計が鳴っているんだな……とぼんやりと思い、又もやうとうとしている内に、其の熊蜂の唸りの様な余韻は何時となく次々に消え薄れて行つてそこいら中がひつそりと静まり返つてしまつた。

 狐は括と眼を開いた。
 かなり高い白塗の天井裏から薄白い塵埃に蔽れた裸の電球がたつた一つぶら下がつている。
 其の赤黄色く光る硝子球の横腹に大きな蝶が一匹泊まっていて凝然としている。
 其の真下の固い冷めたい人造石の床の上に狐は丸くなつて寝ていたやうである。

 ……おかしいな…………。
 狐は丸くなつた儘に凝然と動かず、瞼を一ぱいに見開いた。
 さうして眼の球だけをぐるりぐるりと上下左右に廻転さしてみた。
 蒼黒い混凝土の壁で囲まれた二間四方ばかりの部屋である。
 ……おかしいぞ…………。
 狐は少し頭を持ち上げて自分の身体を見廻わしてみた。
 白い新しい見知らぬ絹の着物を着ている。
 下着はない。のーぱんである。
 体中に奇妙な痕がある。
 蛇が絡みついたかのような痕。
 顔を指で触ると顔に白くカサカサとしたものが付着している。

 ……いよいよおかしい……。
 胸の動悸がみるみる高まつた。
 早鐘を撞くように乱れ撃ち初めた。
 呼吸が其れに連れて荒くなつた。
 やがて死ぬかと思うほど喘ぎ出した。
 かと思うと又、ひつそりと静まつて来た。
 ……此処は何処……。
 ……森閑とした暗黒が部屋の外を取巻いて何処までも何処までも続き広がつていることがはつきりと感じられる……。
 ……夢ではない……たしかに夢では…………。


 狐は飛び上つた。
 否……あれは夢だ……夢の中だ……。
 窓の前に駈け寄って磨硝子の向うを覗いた。
 暗闇の中で銀色の羽根を大きく広げた獣が歯を剥き出しにして唸りながら金色の瞳で狐を睨んでいる……。
 あそこに私の本性がゐる……。
 野生の私が唸つている……。
 閉じ込めた私を恨んでいる……。
 獣は狐を睨み乍ら舌なめずりをしてゆつくりと狐の近づいてくる。
 ……嗚呼、私はいつかあの獣に食われる……。
 ……あの獣に凌辱の限りを尽くされて、穢されて汚されて辱められて、ありとあらゆる痴態を晒されて、心まで穢されて支配されて、地獄の奈落に突き堕とされた後に、生きたまま貪り食われてしまう……。
 獣は、狐が硬直して逃げられないことを察して高嗤いを上げ乍ら、ゆつくりと近づいてくる……。
 野生の猛々しさを誇示し口から涎を垂らし獲物を見据えてゆつくりと近づいてくる……。








 …………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。
 狐が薄々と眼を覚ました時、熊蜂の唸るような音はまだその弾力の深い余韻を狐の耳の穴の中にはつきりと引き残していた。
 其れをぢいつと聞いている内に狐は……今は真夜中だな……と直覚した。
 そうして何処か近くでぼんぼん時計が鳴っているんだな……とぼんやりと思つた。
 ……寝惚けているのだな……。
 ……変な夢を見た……。
 そして、又もやうとうとしている内に、其の熊蜂の唸りの様な余韻は何時となく次々に消え薄れて行つてそこいら中がひつそりと静まり返つてしまつた。





 狐は再び甘い眠りの中にふらふらと堕ちていつたのでありました。

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『河よりも長くゆるやかに』/吉田秋生

2018年10月10日 18時49分55秒 | 漫画・ゲームに関する日記





「この河だって上流のほう行きゃきれーなんだよなあ……。それがまあこんなに汚れちゃって」

「でも海に近くなるじゃん。最初はさ、きれいかもしれないけど流れも急だし幅もせまいだろ。でも海に近づくにつれて汚れはするけどさ深くて広くてゆったりと流れるじゃないか」

「どっちがいい?」

「うん。そうだな。俺はどっちかっていうと……」






 昨日の夜は、吉田秋生の漫画『河よりも長くゆるやかに』を読み返していました。

 主人公の能代季邦は高校生。米軍基地の町で姉の幾世と二人暮らしをしている。
 両親は離婚していて、季邦と幾世は母親に引き取られたのだけれども、母親は1年も経たないうちに亡くなっている。
 父親から養育費を受け取っているが、幾世は水商売で働いていて季邦もバイト代が高いという理由で米兵相手のゲイバーでバイトをしている。

 ある日、季邦は米兵相手に女性を斡旋していることがバレてヤクザのリンチを受けて倒れているところを米兵のジェイムズ・ダンに助けられる。
 それをきっかけに彼は季邦の姉・幾世と親しくなり……。


 1980年代の高校生のお話であります。




 かなりハードな背景を持つキャラクター達がしたたかに生きていくお話なのであります。
 高校生の楽しい日常を描きながらもその裏の部分も描いて閉塞感や窒息感を描いております。
 尖らずにしたたかに図太く生きていく高校生達。

 面白いですよ。
 お勧めであります。



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手抜きというのは実際に省かれているのは人の心である。それを敏感に感じとった時はどんなに立派に見えるものであっても人が感動することはない。

2018年10月10日 17時39分35秒 | その他の日記




 山の急斜面やかつて水田であった場所に太陽光発電パネルがびっしりと並んでいる光景をよく見かけるのですが……。
 太陽光発電パネルは建築物ではないと解釈されているので建築確認はありません。
 なので造成をしなくてよいことになり、開発行為ではないと解釈されます。なので開発行為許可申請は必要ない、となります。
 明らかに強風に弱い形状の太陽光発電パネルの建設に関してその安全性を行政が確認するシステムが無いのです。
 風で飛んだりしない、自然災害で二次災害を起こさせない、そのようなチェック機能が無いのです。

 さらに太陽光発電パネルは廃棄する際に通常の廃棄物として処理できません。
 太陽光発電パネルの大量廃棄が起こった場合、その処理方法が現在は無い状態です。

 何でこんなことになるのですかね?
 景観は滅茶苦茶になるし、森林を刈り取ってパネルを建てるから保水力も格段に落ちるし、誰もチェックしないから杜撰な建て方をする者が出てきて災害時に災害を増幅させるし、大量に廃棄された時の処理方法も未定だし。
 崖崩れや山崩れを誘発しかねない建て方をしているところがあるのですが、しかし、誰もチャック出来ない状態なのです。
 いずれ太陽光発電パネルの大量廃棄問題も出てくるでしょう。
 2019年には固定価格買い取り制度が終わります。



 そう言えば旧民主党政権時に首相をしていた菅直人氏はソフトバンクの孫正義氏とどのような関係なのですかね?
 当時の民主党政権時代の政策は妙に孫正義氏の事業に有利に働いていたように思えるのですが、それは下種の勘繰りなんですかね?
 ま、不正が無かったのならば、菅直人政権が愚かな政権で杜撰な仕事しかしなかった、という結論となります。


 何でこんなことになったのですかね?
 太陽光発電システムをきちんと普及させて稼働させたいのならば、きちんと考えるべきです。
 きちんと考えてきちんと安全を確保するべくシステムを構築すべきだと私は思うのであります。


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正直とは真実を語ることである。つまり言葉を現実に合わせることである。それに対して誠実とは現実を言葉に合わせることである。つまり約束を守り期待に応えることなのだ。

2018年10月10日 14時28分49秒 | その他の日記




 立憲民主党の幹事長の福山哲郎参議院議員は日本獣医師政治連盟から100万円の献金を受け取っていませんでしたっけ?
 収支報告書が存在していますよね?
 立憲民主党の幹事長を務めている人物が日本獣医師政治連盟から100万円の献金を受けていて日本獣医師政治連盟に有利になる発言を繰り返していることは立憲民主党の幹事長として適切な行為なのですかね?

 加戸守行前愛媛県知事によると、『国からけんもほろろな扱いを受けていた(その間、第一次安倍内閣も含む)獣医学部新設の構想は、旧民主党政権の誕生によって実現の兆しが見え始めた。しかし日本獣医師政治連盟による旧民主党所属議員への献金をきっかけに機運が乏しくなった』のだそうなのです。
 要は、旧民主党内での江田五月を中心とする文教族と日本獣医師政治連盟の影響下にあった連中との内部抗争でしかないのですよ。
 江田五月が政治家を引退して、旧民主党内で日本獣医師政治連盟の影響下にあった連中が江田五月に遠慮する必要が無くなったので、事実を無視し事実を伏せてガセネタで現政権を攻撃する材料にしているだけなのですよ。
 そして江田五月が政治家を引退したことで、旧民主党内で日本獣医師政治連盟の影響下にあった連中が、日本獣医師政治連盟の意向を叶えるべくガセネタで獣医学部新設の話を潰そうとした、という話なわけですよ。
 彼らもガセネタであることは分かっているのですよ。
 元々は岡山理科大学の獣医学部新設の構想は旧民主党政権が始めたことなのですから。

 これはマスメディアももう知っているはずです。
 知らないのならばマスメディアは超無能ということになります。
 大量の資料が存在し、獣医学部新設のプロセスは最初から公開されています。

 
 いわゆる加計学園問題で『疑惑がある』と騒いでいる連中は事実は興味が無いのでしょう。
 「騒げればよい」と考えているのでしょう。
 騒いだ結果がどのようなことになろうと知ったことではないのでしょう。
 事実を無視し、風評被害を広げ、民間人を犯罪者扱いし、人々を煽り人々の分断を図り不和と憎悪を生み出し、社会を混乱させ、迷う人々を虚偽の情報で扇動する。
 勝手に善と悪を規定して、「悪を殲滅しろ」と人々を煽る。
 しかし、煽った結果にどのようなことが起ころうとマスメディアは絶対に責任を取りません。
 日本を戦争に導いた手法を今でもマスメディアは取り続けます。
 
 事実を無視し事実を述べる気が無いのならばマスメディアには価値はありません。
 情報の発信で商売をしているのならば、事実を無視して事実を述べないという行為は、不良品を売りつけているということになります。
 不良品を店頭に出されても消費者は困るのですよ。

 最初から、「自分達はフィクションの情報を売っている」と説明があるのならば良いのですよ。
 それならば、消費者はそのフィクションを楽しめるか楽しめないかの判断で利用するのです。
 しかし、報道機関と名乗っているのならば事実を述べてください。
 事実を無視し事実を述べる気が無いのならば報道機関と名乗らないでください。
 お願いします。









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