狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

愚かな好奇心に揺られ 私は春を集める。

2020年03月24日 09時26分05秒 | 休日の日記
 本日は私はお仕事がお休みの日であります。
 最近は精神的にかなり凹んでいるのでせっかくの休日なので自閉症モードへ移行したいところなのですが、本日も私はプライベートの雑事でお外をぐるぐると廻ってこなければなりません。orz。
 嗚呼。私の安寧は今いずこ。
 ハイテンションモードにはなれませんが、テンションを上げて頑張って雑用を片付けてきたい。と思っているところなのでございます。

 では皆様。
 素敵な火曜日をお過ごしくださいませ。


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可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。我々という存在を規定するのは我々がもつ可能性ではなく我々がもつ不可能性である。

2020年03月23日 23時42分10秒 | VSの日記
 本日3月23日は、ベトナムで胡キリが少帝から皇位を簒奪して陳朝が滅亡した日で、天正遣欧少年使節がローマ教皇グレゴリウス13世に公式謁見した日で、江戸幕府が奉書船以外で海外渡航した日本人の帰国を禁止した日で、パトリック・ヘンリーが「自由を与えよ。然らずんば死を与えよ」の演説を行った日で、ロシア皇帝パーヴェル1世が暗殺された日で、ソビエト連邦が満州国に東清鉄道を有償譲渡する協定の調印がおこなわれた日で、ひめゆり学徒隊に動員令がくだった日で、解散寸前のプロ野球団広島カープが広島県・中国新聞などの再建策提出で存続を決定した日で、中国からの引揚げ第一船・興安丸が舞鶴に入港した日で、児玉誉士夫邸セスナ機特攻事件があった日で、パラグアイの副大統領ルイス・マリア・アルガーニャが暗殺された日で、能登半島沖不審船事件があった日です。
 今この時、星辰は正しい位置に付き、ルルイエは浮上する。

 本日の倉敷は晴れていましたよ。
 最高気温は十六度。最低気温は八度でありました。
 明日も予報では倉敷は晴れとなっております。




 私の知り合いのお方に突いてはいけない核心とか本質を突きたがるお方がいます。

 先日の事。
 その知人に、「あなたのボケは分かりにくい」と言われてしまいました。orz。
 そして「あなたは解りにくいボケをかます人だから、的確なツッコミの出来る人を相方に確保しなさい」と、言われてしまいました。orz。
 「ジョークを言っているのに理解されない可哀想な人になってますよ」と。

 うん。知ってた。薄々ながら知ってた。
 自覚するのは悔しいから認めてはいなかったけれども、薄々ながら知ってた。
 でも、囁くのです。私の魂(←魂と書いてゴーストと読む)が。隙あらばボケろと。分かりやすいとか分かりにくいとか考えずにボケろと。心の赴くままにボケろと。センスがあろうがなかろうがボケろと。笑いが取れなくてもボケろと。

 近頃は心に余裕がないせいか、ボケてもつまらないものや訳の分からないものしか出てきません。
 世知辛い世の中です。
 エレガントに笑いの一つも満足にとれない器の小さき人間が如何して世間の荒波をどんぶらこと乗りこなせましょうや。
 荒波に揉みくちゃにされた挙句、襤褸雑巾のように叩きのめされて冥府魔道に堕されてしまいます。
 あな怖ろしや。桑原桑原。
 もっとしなやかにもっと大きな器の人間にならねば。


 否。そんな事より、もしかしてひょっとしてひょっとしてもしかして知人は遠回しに「さっさとお相手のお方を見つけて結婚しろ!」と、言いたかったのでせうか?
 かかかかかっ。
 さっさとお相手のお方を見つけるようなことが出来れば苦労なんてしていないですよ。
 否。本当に苦労なんてしていないのですが。
 それが難しいからこその独り身なわけなのです。
 いいじゃん。独り身でも。
 気が楽だし楽しい。
 と、開き直るのも悔しい。orz。

 人をまつ身はつらいもの またれてあるはなほつらし されどまたれもまちもせず ひとりある身はなんとせう



 知人に突かれたくない核心を突かれて動揺している今日この頃なのでございます。


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『パグ・アクチュアリー ダメな私のワンダフル・ライフ』

2020年03月23日 21時11分25秒 | 映画・ドラマに関する日記
 昨日の夜は、映画『パグ・アクチュアリー ダメな私のワンダフル・ライフ』のDVDを観ていました。

 ロンドンで暮らす高校教師サラは現在、絶賛恋人募集中。
 ある日、サラの祖母が他界し、祖母が飼っていたパグ犬のパトリックを相続することになった。
 これまでペットを飼ったことのないサラはパトリックの世話に悪戦苦闘する。
 しかし、パトリックのおかげで気になる男性に出会うことになり……。

 監督は、マンディ・フレッチャー。
 出演者は、ビーティ・エドモンドソン、エド・スクライン、トム・ベネット、エミリー・アタック、ジェニファー・ソーンダース、エイドリアン・スカーボロー、など。
 愛犬に振り回される女性を描いたロマンティックコメディであります。


 犬を飼ったことがないなら、犬の行動は理解できないよね。
 意思疎通は出来ない相手、と思っていたら実は意思疎通が出来る相手だった……。
 人との付き合い方も似たようなものなのかもしれません。

 面白かったですよ。
 楽しめました。


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清き月夜 霞流るる 天へ行かば 畏きを眺ゆ

2020年03月22日 20時53分12秒 | VSの日記
 本日3月22日は、屋島の戦いがおこなわれた日で、南アフリカのインド移民を制限する法律に反対して弁護士ガンジーが不服従運動を開始した日で、袁世凱が中華帝国皇帝を退位した日で、イワノフカ事件がおこった日で、ニコラエ・チャウシェスクがルーマニア共産党総書記に就任した日で、三月学運で李登輝政権が学生の要求受け入れを表明した日で、公証人役場事務長逮捕監禁致死事件および地下鉄サリン事件で警視庁がオウム真理教に対する強制捜査を行った日です。

 本日の倉敷は晴れたり曇ったりしていましたよ。
 最高気温は二十度。最低気温は八度でありました。
 明日は予報では倉敷は晴れとなっております。









 靜な晩である。
 空気は柔かく湿つて、木々からは甘酸い酸性の馨りが快く重く眠たい夜気の中に放散し、新芽が澄みわたった宙にひつそりと影を泛べている。
 到るところに陰翳の錯綜があつた。
 冬と春の混り合つた穏やかな何処となく淋しい景物が、今ぱつと咲いた銀色の大花輪のやうな月光の下で微かに震えながら擁き合つている。

 何処にも動くものがなかつた。
 何処にもものを云う声が聴えなかつた。
 其の沈黙が一層聞えない囁きの優しさと見えない魂の団欒を想わせるような夜の内を二人はパブリツク・ハウスに向つていた。

 二人はいつかあらゆる日常生活の煩しさから開放されていた。
 単調になりがちな愛の経過にさつと差した輝きのやうな新鮮さが二人のうちに夢をかきたてた。
 忘我と魂の鼓動がまるで月光のやうに二つの心を耀かせているのである。

 長い林を抜けると道は急に開いて、二人の前には寝靜まつて森閑とした大通りが黒く現われた。
 其処を横切る踏切りを抜けて一二丁行つた処に二人が向かうパブリツク・ハウスが大きな樺の樹に覆われて建つているのである。
 過去幾年か通り過ぎ踏み馴れた其の道を今二人は輝きに騎るやうな心持で履み越えやうとしているのである。

 眠つた家々の屋根や動かない樹々の重い梢々が高い透明な大空の穹窿の下に見えない刻々を彫みながら少しばかりずつ地殻の彼方へずり落ちて行くような感じを与えた。
 樹蔭の闇から月光を反射する窓硝子や扁平な亜鉛屋根の斜面が不思議に悒鬱な銀色で周囲の闇を一層際立たせ、同じやうな薄ら寒い脊骨を刺すやうな光線は土に四本並んで這う鋼鉄の線路からも反射しているのである。
 線路の傍に小さく建つた番小屋の傍まで来ると、今まで先輩に体を持せかけるようにしていた狐は、急にぱつちりと眼を見開きながら身を起して、「好い月ですね」と云つた。

 先輩は「ん? 其の台詞は『我愛你』と捉えてよいのかな? ん?」と云つて澄ました顔をしている。
 狐は頭を傾けて彼方に流眄を与えると其の儘先輩の自信を無視して歩調を速めた。

 月が照つている。
 窓々の硝子は光り、樹々が眠つている。
 深閑とした夜の空気……。




 其のパブリツク・ハウスは極小さかつた。
 然しパンの神の額の下には赫い鉢に植ゑたゴムの樹が一本、肉の厚い葉をだらりと垂らしてゐた。


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『永世乙女の戦い方』第二巻/くずしろ

2020年03月22日 12時34分56秒 | 漫画・ゲームに関する日記
 昨日の夜は、くずしろの漫画『永世乙女の戦い方』の第二巻を読んでいました。

 高校2年生の早乙女 香は、女流棋士。
 彼女は女流7冠の天野香織と対戦することを夢見ている……。

 女流棋士の女子高校生が主人公のお話であります。



 勝負師ならではのメンタルの強さと弱さと思い込みの強さが描かれています。
 人生を1点賭けした者同士ならではの狂気じみたぶつかり合いの表現が見事であります。
 良い塩梅で狂っておりますなぁ。
 良いですよ良いですよ。


 面白かったですよ。
 続きが楽しみです。


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師に答えを求めるな! 教えを説く師は自分で答えを導き出したのだぞ! 学ぶ者よ、創造せよ!

2020年03月22日 12時18分27秒 | その他の日記
 もう既に様々な情報が公開されているにもかかわらず、「隠蔽されている!」とマスメディアが述べるのは調査能力が皆無であることを示しています。
 本来ならば、専門家や公的機関が公表している情報を分かりやすく伝えるのがマスメディアの職務ですが、陰謀論を述べるマスメディアはまともに取材する気はないようです。能力がないのかやる気がないのかは分かりませんが。

 これまで、もう既に公開されている情報が無視され続けてきました。
 専門家や公的機関が公表している情報が無視され続けてきました。
 人の命が係っていることであっても、マスメディアは専門家や公的機関が公表している情報を無視し続けました。
 現場の人間の切実な訴えもマスメディアは無視し続けてきました。
 空虚な正義感を訴え不安を煽り、実際の手順や決まり事や約束事を無視し、勝手に結論を出してそれを人々に押し付ける。
 私達は、もはやマスメディアの情報ではなく、原文をあたらなければなりません。

 マスメディアは原文を読まずに勝手に妄想で記事にしたリ番組を作ったりしています。
 マスメディアが原文とは全く違うことを平気で主張するのは、原文を読んでいないから、と見做すべきです。
 マスメディアがデマを大量に発するのは、事実をまともに調べる能力がないから、と見做すべきです。
 私達は、原文を調べるべきです。

 今は様々な機関から情報が発せられています。
 当事者が情報を発しています。
 それらは簡単に手に入ります。
 まずは現物を調べるべきです。
 その上でマスメディアの情報を利用すべきです。
 マスメディアが信用できないのならば、自分で情報を取りに行くべきです。
 これまでもマスメディアは散々、デマを拡散させ続けました。
 私達は自分で調べて自分で判断すべきです。
 今はそれが可能だ、と思うのです。


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偉人は鷲の如し。其の巣を高き孤独に造る。

2020年03月21日 21時29分30秒 | VSの日記
 本日3月21日は、源義経が藤原秀衡の庇護下に入った日で、イングランドの宗教改革指導者トマス・クランマーが女王メアリー1世の命により火刑に処せられた日で、フランス民法典(ナポレオン法典)が発布された日で、横浜村のペリー応接所の庭で日本で初めて模型の機関車が運転された日で、オットー・フォン・ビスマルクがドイツ帝国の初代宰相に就任した日で、日本国産初のカラー映画『カルメン故郷に帰る』が公開された日で、南アフリカ共和国のヨハネスブルグ近郊のシャープビルでシャープビル虐殺事件が発生した日で、アメリカのサンフランシスコ湾にあるアルカトラズ島の連邦刑務所が閉鎖された日で、高松塚古墳で極彩色壁画が発見された日で、アメリカ合衆国大統領ジミー・カーターがソ連のアフガニスタン侵攻に抗議して同年夏のモスクワオリンピックのボイコットを表明しやがった日で、プランクによる測定で宇宙の年齢は137.98±0.37億年であると発表があった日です。

 本日の倉敷は晴れでありましたよ。
 最高気温は二十度。最低気温は五度でありました。
 明日は予報では倉敷は曇り一時雨となっております。お出かけの際はお気を付けくださいませ。





 或る夜の事。

 狐は何心なく場内を眺めている内に不思議なことに注意を惹かれた。
 其の夜は、大正、昭和、平成と経て白寿になつた或る藝術家の御方の為に開かれた祝賀の会なのであつた。
 狐は其の宴席の末席でミルクで割つた火酒を舐めていた。
 此の燈火の煌いた華やかな宴席には、もう何年も前に名を聞き知つているばかりでなく多くの業績を目の当たりにして狐なりに其々に受け入れているような大家達も席を連ねている。
 狐は大家達の強烈な威圧感にぷるぷる震えながら只管に火酒を舐めていた。
 まぢげろ怖い……。
 取つて食われそう……。

 司会者の方の何か特別な意図が含まれていたのであらうか?
 祝宴の主人公である其の御方の坐つている中央の卓子は、純然の家族席としてまとめられている。
 夫人。成人して若い妻となつている令嬢。其の良人。其の幼い和服姿の男の子。或は先夫人かと思わるるやうな婦人。
 正座の画家を巡つて花で飾られた卓子の周囲をきつしりと取り囲んでいるのである。
 一応は和気藹々たる其の光景は主人公が他ならぬ白寿の御方であるといふことから、むしろ異様に孤独に鬼気さえも孕んで忘れがたい感銘を与えられた。

 藝術の道を往く時、藝術家にとつて道連れは今こうやって卓子に何か雑然と無意味な賑やかさで着いている大小さまざまの家族達であらうか?
 其れとも友達や同時代人、或は先輩後輩達であらうか?
 仮に狐が当夜の主人公であり、藝術家として何十年かの果にかういう席の割当ての白寿の祝を催されたとしたら狐は戦慄を禁じ得なかつたであらうと思ふ。
 藝術家は孤独を恐れない勇気を常に持たなければならない。
 けれども恐るべき性質の孤独があるとをいふことをも知らなければならない。



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『ZOKURANGER』/森 博嗣

2020年03月21日 20時54分33秒 | 小説・本に関する日記
 昨日の夜は、森 博嗣の小説『ZOKURANGER』を読み返していました。

 民間企業の研究所から転職して大学の准教授に就任したロミ・品川。
 彼女は研究環境改善委員会に所属することになった。
 単なる学内委員会で何の問題もないはずだった。
 しかし、5人の委員にはそれぞれ色違いのユニフォームとヘルメットが配布されることになっていて……。

 『ZOKU』『ZOKUDAM』と続いた森博嗣の理系莫迦小説シリーズ『Zシリーズ』の第3作目です。
 Zシリーズはそれぞれ独立していますが出てくるキャラクターは一緒。スターシステムってやつですね。

 今回は戦隊モノがモチーフ。
 なのだけれども、大学のお話とキャラクター達の妄想が炸裂するお話となっています。
 シュールで脱力感満載の莫迦小説であります。
 面白いですよ。


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観見二つのこと。観の目強く、見の目弱く。遠き所を近く見、近き所を遠く見ること。それが兵法の要である。

2020年03月21日 13時15分49秒 | その他の日記
 以下の文は、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の『「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年3月19日)』の転載であります。


 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年3月19日)

 本専門家会議は、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の下、新型コロナウイルス感染症の対策について医学的な見地から助言等を行うために設置されました(令和2年2月14 日 新型コロナウイルス感染症対策本部決定)。
 この見解は、新型コロナウイルス厚生労働省対策本部クラスター対策班が分析した内容等に基づき、専門家会議において検討した結果をまとめています。
 現在までに明らかになってきた情報をもとに、現状の状況分析を行い、その正確な情報提供に努めるとともに、政府及び自治体に対し提言を、国民の皆様及び事業者の方々に対しお願いをすることとしています。
 分析結果等はあくまでも現時点のものであり、随時、変更される可能性があります。

 Ⅰ.はじめに
 新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、わずか数か月ほどの間にパンデミックと言われる世界的な流行となりました。
 この感染症については、まだ不明の点も多い一方、多くのことが明らかになってきました。
 例えば、この感染症に罹患しても約80%の人は軽症で済むこと、5%程の方は重篤化し、亡くなる方もいること、高齢者や基礎疾患を持つ方は特に重症化しやすいことなどです。
 これまで世界で19 万人以上の感染者と、8,000 人近い死亡者が報告されています。
 本専門家会議は、新型コロナウイルス感染症について十分な注意と対策が必要な感染症であると考えています。
 特に、気付かないうちに感染が市中に拡がり、あるときに突然爆発的に患者が急増(オーバーシュート(爆発的患者急増))すると、医療提供体制に過剰な負荷がかかり、それまで行われていた適切な医療が提供できなくなることが懸念されます。
 こうした事態が発生すると、既にいくつもの先進国・地域で見られているように、一定期間の不要不急の外出自粛や移動の制限(いわゆるロックダウンに類する措置)に追い込まれることになります。
 私達は、我が国がこのような事態を回避し、できるだけ被害を小さくするための提案として、本提言を取りまとめました。
 政府や国民の皆様などには内容をご理解いただき、我が国の被害を少しでも減らすための政策や行動につなげていただきたいと考えています。

 Ⅱ.状況分析等

 1.WHOによるパンデミックとの認識(3月11 日)と日本の対策について
 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、2020 年3月11 日の会見において、世界で感染が拡がりつつある新型コロナウイルスについて、「パンデミック(世界的な大流行)とみなせる」と表明しました。
 中国、韓国以外での感染状況が加速する現状に強い懸念が示されましたが、「事態をパンデミックと描写することそれ自体が、ウイルスの脅威に対するWHOの評価や、WHOの対応、各国の対応を変えることにはならない」とも述べています。
 以上のことから、専門家会議としては、現時点では、社会・経済機能への影響を最小限としながら、感染拡大防止の効果を最大限にするという、これまでの方針を続けていく必要があると考えています。
 そのため、「①クラスター(患者集団)の早期発見・早期対応」、「②患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保」、「③市民の行動変容」という3本柱の基本戦略は、さらに維持、必要に応じて強化し、速やかに行わなければならないと考えています。
 さらに、これまで報告の少なかった欧州や米国などの諸外国で新規感染者数が急増しており、中東、東南アジア、アフリカなどでも大規模感染が拡がっていることが推定されることなどから、感染者ゼロを目指す国内での封じ込めは困難な状況です。
 このため、こうした国々から、我が国に持ち込まれる新型コロナウイルスへの対応や、国内においても、後述する、クラスター(患者集団)の感染源(リンク)が追えない事例が散発的に発生していることなどへの対策は依然として必須であり、クラスターの早期把握とともに、地域ごとの状況に応じた「市民の行動変容」や「強い行動自粛の呼びかけ」をお願いすることなどにより、いかにして小規模な感染の連鎖に留め、それぞれの地域において適切な制御を行った上で収束を図っていけるかが重要になってきています。

 2.クラスター対策の現状について
 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、2020 年3月13日の事務局長のステートメントにおいて、日本が「クラスター(患者集団)の早期発見・早期対応」という戦略をとって様々な取組を進めてきたことを高く評価しています。
 諸外国では数百~数千人規模の感染者数になるまで介入されなかったことが死亡者数の急増を引き起こしたものと考えられますが、日本では少人数のクラスター(患者集団)から把握し、この感染症を一定の制御下に置くことができていることが、諸外国との患者発生状況と死亡者数の差につながっていると判断しています。
 これまで、厚生労働省のクラスター対策班では、感染者、濃厚接触者、保健所、地方公共団体のご協力を得て、クラスター(患者集団)を早期に発見し、その方々に対して人と人との接触をできるだけ絶つよう要請しながら、継続的に健康状態を確認する、という活動をしてきました。
 その結果、急速な感染拡大を抑制することに成功している地域も出てきています。
 しかしながら、現在の国及び地方公共団体におけるクラスター対策の実施体制には、そもそもクラスター(患者集団)対策を指揮できる専門家が少ないことや、帰国者接触者相談センターへの対応を含めて保健所における労務負担が過重になっており、クラスター対策に人員を割けないことなど様々な課題が存在しています。

 3.北海道の感染状況と対策の効果について
 【注意】※:新型コロナウイルス感染症の感染から発病に要する潜伏期間の平均値は約5日間であり、発病から診断され報告までに要している平均日数は約8日間となっています。そのため、我々が今日見ているデータは、その約2週間前の新規感染の状況を捉えたものである、すなわち3月上旬頃の状況であるというタイムラグがあることをご理解下さい。
 急激な感染拡大の兆候があった北海道においては、2020年2月28日に知事より緊急事態宣言が発出され、週末の外出自粛要請のほか、大規模イベントの開催自粛、学校の休校などが行われました。
 その他にも、道民や事業者、若者が主体となった啓発の取組みが、いち早く進展しています。
 北海道の感染状況をみると、緊急事態宣言が出される前の2月27日、28日には10 名を超える新規感染者の報告が続きましたが、その後急激な感染拡大を示す状況は認められておらず、直近の数日では0~5名以内の報告に留まっています(図1 左)。
 流行規模の拡大には至っていませんが、他方、感染源(リンク)が追えない新規感染者数は横ばいに留まっており、コミュニティにおける伝播は確実には止まっていません。
 また、図1に示すように、実効再生産数(感染症の流行が進行中の集団のある時刻における、1人の感染者が生み出した二次感染者数の平均値)は、日によって変動はあるものの概ね1程度で推移していましたが、緊急事態宣言の発出後は1を下回る日も増えています。(図1の青い線を参照)。
 緊急事態の発生前と発生後の同一期間(2月16日~28日と29日~3月12日)で実効再生産数を推定すると0.9(95%信頼区間:0.7、1.1)から0.7(95%信頼区間:0.4、0.9)へと減少しました。
 さらに、北海道においては、感染者、濃厚接触者、地方公共団体、保健所の皆様のご協力とご努力により、クラスター(患者集団)を十分に把握できたことで、この感染症の爆発的な増加を避けることができたと考えています。
 以上の状況から、専門家会議としては、北海道では一定程度、新規感染者の増加を抑えられていることを示していると判断していますが、依然として流行は明確に収束に向かっておらず憂慮すべき状態が続いていると考えています。
 また、北海道知事による緊急事態宣言を契機として、道民の皆様が日常生活の行動を変容させ、事業者の方々が迅速に対策を講じられたことについては、急速な感染拡大の防止という観点からみて一定の効果があったものと判断しています。
 ただし、緊急事態宣言、大規模イベントの自粛要請等のうち、どのような対策やどのような行動変容が最も効果を上げたかについては定かではありません。
 また、決してこの先について楽観視できる状況になったわけではなく、最近、患者数が増加傾向にある札幌などを含め、引き続き、これまで集団感染が確認された場に共通する3つの条件を避けるための取組を行っていく必要があります。





 4.現在の国内の感染状況と対策の効果について 【注意】※

 (1)国内の感染状況について
 北海道以外の新規感染者数は、日ごとの差はあるものの、都市部を中心に漸増しており、3月10日以降、新規感染者数の報告が50例を超える日も続いています。
 また、高齢者福祉施設で集団感染が発生する事例があります。
 このことは、既に一定の地域では感染が広がりつつあり、高齢者など感染に弱い立場の方々に症状が現れてしまったことを意味しています。
 図2に示したように、日本全国の実効再生産数は、日によって変動はあるものの、1をはさんで変動している状況が続いたものの、3月上旬以降をみると、連続して1を下回り続けています。
 今後とも、この動向がどのように変化するのか、注意深く観察を続けながら、状況に応じた必要な対応をその都度、機敏に講じることが求められます。
 また、図3に示したように、感染源(リンク)が分からない感染者の増加が生じている地域が散発的に発生しています。
 今後、クラスター(患者集団)の感染源(リンク)が分からない感染者が増えていく場合は、その背景に、どのような規模の感染者が存在しているかがわからなくなることを意味しています。
 現時点では、こうした感染経路が明らかではない患者が増加している地域は局地的かつ小規模に留まっているものの、今後、こうした地域が全国に拡大し、さらに、クラスター(患者集団)の感染源(リンク)が分からない感染者が増加していくと、いつか、どこかで爆発的な感染拡大(オーバーシュート(爆発的患者急増))が生じ、ひいては重症者の増加を起こしかねません。
 以上の状況から、日本国内の感染の状況については、3月9日付の専門家会議の見解でも示したように、引き続き、持ちこたえていますが、一部の地域で感染拡大がみられます。
 諸外国の例をみていても、今後、地域において、感染源(リンク)が分からない患者数が継続的に増加し、こうした地域が全国に拡大すれば、どこかの地域を発端として、爆発的な感染拡大を伴う大規模流行につながりかねないと考えています。






 (2) 国内での様々な対策の効果について

 北海道以外の地域においても、政府によって要請された大規模イベント開催自粛や、全国一斉休校が実施されたほか、急速な感染拡大が危惧される地域における的確な積極的疫学調査の実施などが行われました。
 この結果、たとえば、時差出勤への協力により、首都圏ではピーク時の乗車率が減少するなど、事業の特徴に応じた事業継続方法の変更や働きやすい環境整備に工夫が凝らされています。
 それらがなかったこととの比較はできないものの、現時点では、「メガクラスター(巨大な患者集団)」の形成はなされていないと推測されます。
 また、図3で示したように、都市部を有する地域を中心に発症者の漸増が認められています。
 一方、日本全国で見れば、大規模イベント等の自粛や学校の休校等の直接の影響なのか、それに付随して国民の行動変容が生じたのか、その内訳までは分からないものの、一連の国民の適切な行動変容により、国内での新規感染者数が若干減少するとともに、効果があったことを意味しています。
 しかしながら、海外からの流入は続いており、また、一般に感染症の増減には一定の小幅なサイクルが存在していることなどから、引き続き、その動向を注視していくとともに、市民や事業者の皆様に、最も感染拡大のリスクを高める環境(①換気の悪い密閉空間、②人が密集している、③近距離での会話や発声が行われる、という3つの条件が同時に重なった場)での行動を十分抑制していただくことが重要です。

 (3)重症化する患者さんについて

 日本国内では、2020年3月18日までに、感染が確認された症状のある人758 例のうち、入院治療中の人は579例おり、そのうち、軽症から中等度の人が337(58.2%)、人工呼吸器を使用または集中治療を受けている人が46名(7.9%)となっています。
 また、150 例(25.9%)は既に軽快し退院しています。
 図4に示すように、日本国内では、2020年3月18日までに確認された死亡者数は29名であり、イタリアなどの国と比べて、入院者に占める死亡者数の割合も低く抑えられています。
 このことは、限られた医療資源のなかであっても、日本の医師が重症化しそうな患者さんの大半を検出し、適切な治療ができているという、我が国の医療の質の高さを示唆していると考えられます。
 しかしながら、既に地域によっては軽症者や回復後の観察期間にある患者等によって指定感染症病床が圧迫されてきていること、死亡者数が増加傾向にある状況も鑑みると、専門家会議としては、欧州で起きているような爆発的な感染拡大の可能性や、それに伴う地域の医療提供体制が受けるであろう影響の深刻さについても、十分考慮しておかなければならないと考えています。




 5.今後の見通しについて

 今日我々が見ているこの感染症の感染者数のデータは、感染から発病に要する潜伏期間と発病から診断され報告までに要する期間も含めて、その約2週間前の新規感染の状況を捉えたものにすぎません。
 すなわち、どこかで感染に気付かない人たちによるクラスター(患者集団)が断続的に発生し、その大規模化や連鎖が生じ、オーバーシュート(爆発的患者急増)が始まっていたとしても、事前にはその兆候を察知できず、気付いたときには制御できなくなってしまうというのが、この感染症対策の難しさです。
 もしオーバーシュートが起きると、欧州でも見られるように、その地域では医療提供体制が崩壊状態に陥り、この感染症のみならず、通常であれば救済できる生命を救済できなくなるという事態に至りかねません。
 このため、爆発的患者急増が起きたイタリアやスペイン、フランスといった国々(図5)では、数週間の間、都市を封鎖したり、強制的な外出禁止の措置や生活必需品以外の店舗閉鎖などを行う、いわゆる「ロックダウン」と呼ばれる強硬な措置を採らざるを得なくなる事態となっています。

 注:報告日付(横軸)別の国別感染者数の推移。イタリア、スペイン、ドイツ、フランスなどで同様の増殖率で指数関数的増殖が見られる(オーバーシュート)。

 図5.国別の累積感染者数の推移



 日本のある特定地域(人口10 万人)に、現在、欧州で起こっているような大規模流行が生じ、さらにロックダウンに類する措置などが講じられなかったと仮定した場合にどのような事態が生じるのでしょうか。
 北海道大学西浦教授の推計によれば、図6 のとおり、基本再生産数(R0:すべての者が感受性を有する集団において1人の感染者が生み出した二次感染者数の平均値)が欧州(ドイツ並み)のR0=2.5 程度であるとすると、症状の出ない人や軽症の人を含めて、流行50 日目には1 日の新規感染者数が5,414 人にのぼり、最終的に人口の79.9%が感染すると考えられます。
 また、呼吸管理・全身管理を要する重篤患者数が流行62 日目には1,096 人に上り、この結果、地域における現有の人工呼吸器の数を超えてしまうことが想定されるため、広域な連携や受入体制の充実を図るべきです。
 ただし、もちろん今回の推計に基づき各地域ごとに人工呼吸器等を整備するべきという趣旨ではなく、今回示した基本再生算数がもたらす大幅な感染の拡大が生じないよう、クラスター対策等強力な公衆衛生学的対策を講じることで、これから各都道府県が整備しようとしている医療提供体制を上回らないようにするべきです。(各地域で整備すべき医療提供体制についての考え方は6で示すとおり)
 なお、オーバーシュートが生じる可能性は、人が密集し、都市としての人の出入りが多い大都市圏の方がより高いと考えられます。




 このため、有事に備え、十分な医療提供体制が必要になることは当然のこととして、こうした状況を可能な限り回避するための取組がより重要になります。
 それには、多くの人々の十分な行動変容を通じた協力が不可欠であり、地域クラスター対策の抜本的拡充だけでは全く不十分です。
 すなわち、もし大多数の国民や事業者の皆様が、人と人との接触をできる限り絶つ努力、「3 つの条件が同時に重なる場」を避けていただく努力を続けていただけない場合には、既に複数の国で報告されているように、感染に気づかない人たちによるクラスター(患者集団)が断続的に発生し、その大規模化や連鎖が生じえます。
 そして、ある日、オーバーシュート(爆発的患者急増)が起こりかねないと考えます。
 そして、そうした事態が生じた場合には、その時点で取り得る政策的な選択肢は、我が国でも、幾つかの国で実施されているロックダウンに類する措置を講じる以外にほとんどない、ということも、国民の皆様にあらかじめ、ご理解いただいておく必要があります。
 したがって、我々としては、「3つの条件が同時に重なる場」を避けるための取組を、地域特性なども踏まえながら、これまで以上に、より国民の皆様に徹底していただくことにより、多くの犠牲の上に成り立つロックダウンのような事後的な劇薬ではない「日本型の感染症対策」を模索していく必要があると考えています。
 このため、地域別の予兆を少しでも早く把握しながら、もし、特定地域にオーバーシュートの兆しが見られた場合には、まずは、地域別の対応を徹底していただくとともに、全国的にも、より一層の行動変容が必要であると考えています。
 特に、これまでの事例を見ると、症状が軽い方が、感染に気がつかないまま、街を出歩いて感染を拡大させている可能性があり、こうした方々を含め、地域の皆さん全員が「3つの条件が同時に重なる場」を避けるなどの行動変容を徹底していただくことが極めて重要です。
 また、これまでにわかってきたこととしては、オーバーシュートのリスクを高めるのが、「3つの条件が同時に重なる場」を避けにくい状況が生じやすい、「全国から不特定多数の人々が集まるイベント」であるといえます。
 イベントそのものがリスクの低い場で行われたとしても、イベントの前後で人々が交流する機会を制限できない場合には、急速な感染拡大のリスクを高めます。
 また、規模の大きなイベントの場合は、会場に感染者がいた場合に、クラスター(患者集団)の連鎖が発生し、爆発的な感染拡大のリスクを高めます。
 現時点では、安全な規模や地域による基準を設けられるような科学的な根拠はなく、これまでの事例から判断するしかない状況です。
 「3つの条件が同時に重なる場」を避けるなど適切な対応をとられれば、オーバーシュートを未然に防ぐこともあり得ますが、国内外の現在の感染状況を考えれば、短期的収束は考えにくく長期戦を覚悟する必要があります。

 6.地域ごとに準備が必要な医療提供体制について

 上記患者数の見通しに基づき、各地域で完全な医療提供体制を構築することは到底不可能です。
 また、現時点で有効な治療薬、ワクチンは存在せず、人工呼吸器やエクモといった重症患者に有効な医療機器も使用するためには高度に訓練された医師、臨床工学技士、看護師等が多数必要であり、既存の医療従事者で対応可能な数しか増加させることはできません。
 そのため、最もこの感染症による死者を減らすために、まずは各地域で初期に考えられる(すでに各地域に示した患者推計モデルに基づいた)感染者数、外来患者数、入院患者数、重篤患者数に応じた医療提供体制が整えられるよう、この感染症を重点的に受け入れる医療機関の設定や、重点医療機関等への医療従事者の派遣、予定手術、予定入院の延期等できうるかぎりの医療提供体制の整備を各都道府県が実施することが早急に必要と考えます。
 また、毎日の陽性患者数のデータ等を通じて、必要に応じ特に重篤患者に係る広域調整を行うため、都道府県を越えた広域調整本部の設置準備等があらかじめ必要と考えられます。

 7.地域ごとの対応に関する基本的な考え方

 今後、日本のどこかでオーバーシュートが生じた場合には、地域ごとに断続的に発生していくことが想定されます。
 こうした状況下では、社会・経済機能への影響を最小限としながら、感染拡大防止とクラスター連鎖防止の効果を最大限にしていく観点から、地域の感染状況別にバランスをとって必要な対応を行っていく必要があります。
 感染状況が拡大傾向にある地域では、まん延のおそれが高い段階にならないように、まずは、地域における独自のメッセージやアラートの発出や一律自粛の必要性について適切に検討する必要があります。
 その場合、社会・経済活動への影響も考慮し、導入する具体的な自粛内容、タイミング、導入後の実施期間などを十分に見極め、特に「感染拡大が急速に広まりそうな局面」や「地域」において、その危機を乗り越えられるまでの期間に限って導入することを基本とすべきだと考えます。
 感染状況が収束に向かい始めている地域並びに一定程度に収まってきている地域では、後述するように、人の集まるイベントや「3つの条件が同時に重なる場」を徹底的に回避する対策をしたうえで、感染拡大のリスクの低い活動から、徐々に解除することを検討することになると考えます。
 ただし、一度、収束の傾向が認められたとしても、クラスター(患者集団)発生の早期発見を通じて、感染拡大の兆しが見られた場合には、再び、感染拡大のリスクの低い活動も含めて停止する必要が生じえます。
 感染状況が確認されていない地域では、学校における様々な活動や、屋外でのスポーツやスポーツ観戦、文化・芸術施設の利用などを、適切にそれらのリスクを判断した上で、感染拡大のリスクの低い活動から実施してください。
 ただし、急激な感染拡大への備えと、「3 つの条件が同時に重なる場」を徹底的に回避する対策は不可欠です。

 8.学校等について

 政府は、2月27 日に、全国の小中高・特別支援学校の一斉臨時休校を要請しました。
 学校の一斉休校については、3.で触れたように、北海道においては他の取組と相まって全体として一定の効果が現れていると考えますが、学校の一斉休校だけを取り出し「まん延防止」に向けた定量的な効果を測定することは困難です。
 また、この感染症は、子どもは重症化する可能性が低いと考えられています。
 一方では、中国等では重症化した事例も少数例ながら報告されており、更に、一般には重症化しにくい特性から、無症状又は症状の軽い子どもたちが、高齢者等を含む家族内感染を引き起こし、クラスター連鎖のきっかけとなる可能性などを指摘する海外論文なども見られており、現時点では、確たることは言えない状況であると考えています。
 ただし、上記7.の「感染状況が拡大傾向にある地域」では、一定期間、学校を休校にすることも一つの選択肢と考えられます。

 Ⅲ.提言等
 1.政府及び地方公共団体への提言

 (1)クラスター対策の抜本的な強化

 現在の実施体制では、クラスターの早期発見・早期対応という戦略を更に継続するのは厳しく、爆発的な感染拡大を伴う大規模流行を回避できなくなる可能性があります。
 このため、専門家会議としては、抜本的なクラスター対策の拡充を迅速に実施すべきであると考え、その一刻も早い実現を政府に強く要望します。
 具体的には、①地域でクラスター(患者集団)対策を指揮する専門家を支援する人材の確保、②地方公共団体間の強力な広域連携の推進を図った上で、③地方公共団体間で保持する感染者情報をそれぞれの地域のリスクアセスメントに活用できるシステムを作ること、④保健所が大規模なクラスター対策に専念できる人員と予算の投入等が挙げられます。

 (2)北海道及び各地方公共団体へのお願い

 この先、新たな感染者やクラスターの発生もあり得ますので、引き続き注意深く警戒を続けながら、今後は、適宜、必要に応じて、今回と同様の対応を講じることも視野に入れておく必要があります。
 一方で、この北海道の経験は、他の地域においても、政府との緊密な情報連携により、地方公共団体の首長による独自のメッセージやアラートの発出等が、地域住民の行動変容につながり、一定の効果を上げる可能性を示唆していると考えます。
 感染状況が拡大傾向にある地方公共団体におかれましては、まん延のおそれが高くならないように、厚生労働省からもたらされた情報等を基に、まずは、地域住民の行動変容につなげるための自発的な取組の実施も考慮していただきたいと考えます。

 (3)「3つの条件が同時に重なった場」を避ける取組の必要性に関する周知啓発の徹底まん延の防止に当たっては、国民の行動変容を一層徹底していく必要があります。
 このため、専門家会議としては、国に対しては、3つの条件が同時に重なった場を避けることの必要性についての周知広報の充実を求めます。

 (4)重症者を優先する医療体制の構築

 重症患者に対する診療には、特別な知識や環境、医療機器を要するため、診療できる人員と資源を継続的に確保することが重要な課題です。
 そのため、一般医療機関のうちどの機関が感染者の受入れをするか、あらかじめ決めておく必要があります。
 その上で、関係医療機関の連携・協力の下、受入病床数を増やすだけでなく、一般医療機関の医療従事者にも新型コロナウイルス感染症の診療に参加していただく支援が不可欠です。
 そこで、専門家会議としては、重症者を優先する医療体制へ迅速に移行するため、地域の感染拡大の状況に応じて、受診、入院、退院の方針を以下のように変更する検討を進めるべきだと判断します。
 重症化リスクの高い人(強いだるさ、息苦しさなどを訴える人)又は高齢者、基礎疾患のある人については、早めに受診していただく。
 入院治療が必要ない軽症者や無症状の陽性者は、自宅療養とする※。ただし、電話による健康状態の把握は継続する。
 入院の対象を、新型コロナウイルス感染症に関連して持続的に酸素投与が必要な肺炎を有する患者、入院治療が必要な合併症を有する患者その他継続的な入院治療を必要とする患者とする。
 症状が回復してきたら退院及び自宅待機にて安静とし、電話による健康状態の把握は継続する。
 また、症状が軽い陽性者等が、高齢者や基礎疾患がある人と同居していて家族内感染のおそれが高い場合は、接触の機会を減らすための方策を検討する。
 具体的には、症状が軽い陽性者等が宿泊施設等での療養を行うことや、同居家族が受診した上で一時的に別の場所に滞在することなど、家族内感染リスクを下げる取組みを行う。
 このような基本的考えに立って、地域の実情に応じた、重症度などによる医療機関の役割分担をあらかじめ決めておくことが重要です。
 ※ 現在は、まん延防止の観点から、入院治療の必要のない軽症者も含めて、観戦症法の規定に基づく措置入院の対象としています。

 (5)学校等について

 春休み明け以降の学校に当たっては、多くの子どもたちや教職員が、日常的に長時間集まることによる感染リスク等に備えていくことが重要です。
 この観点から、まずは、地域ごとのまん延の状況を踏まえていくことが重要です。
 さらに、今後、どこかの地域でオーバーシュートが生じた場合には、Ⅱ.7の地域ごとの対応に関する基本的な考え方を十分踏まえていただくことが必要です。
 また、日々の学校現場における「3つの条件が同時に重なる場」を避けるため、①換気の悪い密閉空間にしないための換気の徹底、②多くの人が手の届く距離に集まらないための配慮、③近距離での会話や大声での発声をできるだけ控えるなど、保健管理や環境衛生を良好に保つような取組を進めていくことが重要です。
 併せて、咳エチケットや手洗いなどの基本的な感染症対策の徹底にもご留意ください。
 児童生徒や学校の教職員については、学校現場で感染リスクに備えるとともに、学校外での生活で感染症の予防に努めていくことが重要です。
 日頃から、集団感染しやすい場所や場面を避けるという行動によって急速な感染拡大を防げる可能性が高まります。
 例えば、できるだけ換気を行って密閉空間を作らないようにしたり、咳エチケットや手洗いなどの基本的な感染症対策を徹底したり、バランスのとれた食事、適度な運動、休養、睡眠などで抵抗力を高めていくことにも心がけてくださるようお願いします。
教職員本人やその家族等が罹患した場合並びに本人に発熱等の風邪症状が見られる場合には、学校へ出勤させないよう徹底してください。
 また、児童生徒にも、同様の取組の徹底を図るようにしてください。
 また、大学等におかれては学生等に対して、本提言に記載した感染リスクを高める行動を慎むよう、正確な情報提供や周知をお願いいたします。
 特に春休み期間に、感染症危険情報が高い国・地域に海外旅行や海外留学等で渡航した学生等が帰国する際などには、新たな渡航の慎重な検討や一時帰国を含めた安全確保の対応方策の検討に加え、帰国して2週間は体調管理を行い、体調に変化があった場合には、受診の目安を参考に適切な対応を取るよう、学生等への情報提供や周知をお願いいたします。

 2.市民と事業者の皆様へ

 (1)3つの条件が同時に重なった場における活動の自粛のお願い
 これまでに明らかになったデータから、集団感染が確認された場に共通するのは、①換気の悪い密閉空間であった、②多くの人が密集していた、③近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われたという3つの条件が同時に重なった場ということが分かっています。
 例えば、屋形船、スポーツジム、ライブハウス、展示商談会、懇親会等での発生が疑われるクラスターの発生が報告されています。
 皆さんが、「3つの条件が同時に重なった場所」を避けるだけで、多くの人々の重症化を食い止め、命を救えます。

 (2)感染者、濃厚接触者等に対する偏見や差別について

 感染者、濃厚接触者とその家族、この感染症の対策や治療にあたる医療従事者とその家族に対する偏見や差別につながるような行為は、断じて許されません。
 誰もが感染者、濃厚接触者になりうる状況であることを受け止めてください。
 報道関係者におかれましては、個人情報保護と公衆衛生対策の観点から特段の配慮をお願いします。
 感染症対策に取り組む医療従事者が、差別等されることのないよう、市民等は高い意識を持つことが求められます。

 (3)積極的疫学調査へのご協力のお願い

 この感染症との闘いは、今後一定期間は続き、国内で急速な感染の拡大を抑制できたとしても、流行地から帰国する邦人や来日する外国人からの感染も増える見込みのため、さらに警戒を強める必要があります。
 感染者、濃厚接触者の方々は、保健所による積極的疫学調査にご協力ください。
 詳しい行動歴を調査することで感染源を突き止め、他の感染者を早期に発見することが感染拡大の防止のために不可欠となります。
 また、事業者におかれましては、集団感染が発生した場合には、その情報を公開することにご協力ください。
 速やかな情報の公開が、感染者の早期発見につながります。

 (4)高齢者や持病のある方など重症化リスクの高い皆様へのお願い

 新型コロナウイルスの国内ならびに海外での分析によっても高齢であれば比較的健康であっても感染し、重症化する可能性が高いことがわかっています。
 また、持病にも様々なものがありますが、できるだけ良好なコントロールをしていただくようにし、また感染リスクを下げるような行動をお願いします。
 また通常の予防接種も、感染症の複合にならないために重要です。
 これまでは外出機会の多かった方におかれましても、今後は感染リスクを下げるよう注意をお願いします。
 特に、共有の物品がある場所、不特定多数の人がいる場所などへの訪問は避けてください。
 なお、外出機会を確保することは日々の健康を維持するためにも重要になります。
 お一人や限られた人数での散歩などは感染リスクが低い行動です。

 (5)高齢者や持病のある方に接する機会のある職業ならびに家庭の方へのお願い

 高齢者や持病のある方に接する機会のある、医療、介護、福祉ならびに一般の事業者で働く人は一層の感染対策を行うことが求められます。
 発熱や感冒症状の確認ならびに、感染リスクの高い場所に行く機会を減らすなどの対応が当分の間求められます。
 これまでの国内外の感染例でも、家庭内での感染の拡大はよくみられています。
 同居の家族、特に、そのご家庭の高齢者を訪問される際には、十分な体調確認を行った上で、高齢者の方と接していただくようにしてください。

 (6)若者世代の皆様へのお願い

 若者世代は、新型コロナウイルス感染による重症化リスクは高くありません。
 しかし、無症状又は症状が軽い方が、本人は気づかずに感染を広めてしまう事例が多く見られます。
 このため、感染の広がりをできるだけ少なくするためには、 改めて、3つの条件が同時に重なった場に近づくことを避けていただきますようにお願いします。
 特に、オーバーシュート(爆発的患者急増)のリスクを高めるのが、「3つの条件が同時に重なる場」を避けにくい状況が生じやすい、「全国から不特定多数の人々が集まるイベント」であることもわかってきました。
 イベントそのものがリスクの低い場で行われたとしても、イベントの前後で人々が交流する機会を制限できない場合には、急速な感染拡大のリスクを高めますので、十分に注意して行動してください。
 また、ご自身が新型コロナウイルスに罹患した場合やその家族等が罹患した場合並びに発熱等の風邪症状が見られる場合には、ご自身の経過観察をご自宅で継続するとともに外出を避けるように徹底してください。

 (7)医療従事者の皆様へのお願い

 今後、患者数の漸増やオーバーシュート(爆発的患者急増)が起こると、感染症指定医療機関等だけでは対応が困難となりますので、多くの医療機関(診療を原則行わない医療機関を除く)が新型コロナウイルス感染症の診療を行うことになります。
 その際、地域における医療機関ごとの役割分担(軽症者は在宅療養、重症者は高次医療機関、その他は診療所や一般医療機関で診療するなど)を踏まえ、医療ニーズの低減努力(一般患者の外来受診間隔を開ける、ファクス処方の利用、待機的入院・手術の延期等)をお願いいたします。
 また、各医療機関におかれましては、それぞれの診療継続計画に基づき、医療従事者の適切な配置等をご検討ください。
 医療につきましては、新型インフルエンザ等及び鳥インフルエンザ等に関する関係省庁対策会議「平成25年6月26日(平成30年6月21日一部改訂)新型インフルエンザ等対策ガイドライン」のⅥ 医療体制に関するガイドラインが準用可能ですのでご参照ください。

 (8)PCR検査について

 新型コロナウイルス感染症においては、医師が感染を疑う患者には、PCR検査が実施されることになっています。
 また、積極的疫学調査において検査の必要性がある濃厚接触者にもPCR検査が実施されます。
 このように適切な対象者を検査することで、新型コロナウイルスに感染した疑いのある肺炎患者への診断・治療を行っているほか、濃厚接触者の検査により、感染のクラスター連鎖をとめ、感染拡大を防止しています。
 すでに、検査受け入れ能力は増強されており、今後も現状で必要なPCR検査が速やかに実施されるべきと考えています。
 今後は、わが国全体の感染状況を把握するための調査も必要です。
 なお、PCR検査法は優れた検査ではありますが、万能ではなく感染していても陽性と出ない例もあります。
 したがって、PCR検査のみならず、臨床症状もあわせて判断する必要があります。
 また、迅速診断法や血清抗体検査法などの導入により、より迅速で正確な診断が期待されています。

 (9)大規模イベント等の取扱いについて

 2月26日に政府が要請した、全国的な大規模イベント等の自粛の成果については、その効果だけを取り出した「まん延防止」に対する定量的な効果測定をできる状況にはないと考えていますが、専門家会議としては、以下のような観点から、引き続き、全国的な大規模イベント等については、主催者がリスクを判断して慎重な対応が求められると思います。
 全国規模の大規模イベント等については、①多くの人が一堂に会するという集団感染リスクが想定され、この結果、地域の医療提供体制に大きな影響を及ぼしかねないこと(例:海外の宗教行事等)。②イベント会場のみならず、その前後などに付随して人の密集が生じること(例:札幌雪まつりのような屋外イベントでも、近辺で3つの条件が重なったことに伴う集団感染が生じていること)、③全国から人が集まることに伴う各地での拡散リスク、及び、それにより感染者が生じた場合のクラスター対策の困難性(例:大阪のライブハウス事案(16 都道府県に伝播))、④上記のリスクは屋内・屋外の別、あるいは、人数の規模には必ずしもよらないこと、などの観点から、大規模イベント等を通して集団感染が起こると全国的な感染拡大に繋がると懸念されます。
 このため、地域における感染者の実情やその必要性等にかんがみて、主催者がどうしても、開催する必要があると判断する際には以下①~③などを十分注意して行っていただきたい。
 しかし、そうしたリスクへの対応が整わない場合は、中止又は延期をしていただく必要があると考えています。
 また仮にこうした対策を行えていた場合でも、その時点での流行状況に合わせて、急な中止又は延期をしていただく備えも必要です。
 ①人が集まる場の前後も含めた適切な感染予防対策の実施、②密閉空間・密集場所・密接場面などクラスター(集団)感染発生リスクが高い状況の回避、③感染が発生した場合の参加者への確実な連絡と行政機関による調査への協力、などへの対応を講ずることが求められます。
(別添「多くの人が参加する場での感染対策のあり方の例」参照)

 (9)事業者の皆様へのお願い
 以下の事項に留意して、多様な働き方で働く方も含めて、従業員の感染予防に努めてください。
・労働者が発熱などの風邪症状が見られる際に、休みやすい環境の整備
・テレワークや時差通勤の活用推進
・お子さんの学校が学級閉鎖になった際に、保護者である労働者が休みやすいように配慮
・感染拡大防止の観点から、イベント開催の必要性を改めて検討
・別添「多くの人が参加する場での感染対策のあり方の例」の2)クラスター(集団)感染発生リスクの高い状況の回避のための取組に準じて、従業員の集団感染の予防にも十分留意してください。
・海外出張で帰国した場合には、2週間は職員の健康状態を確認し、体調に変化があった場合には、受診の目安を参考に適切な対応を取るよう職員への周知徹底をしてください。

 Ⅳ.終わりに

 この状況分析・提言については、今後、国際的な状況、新規感染者数の動向、国民や行政に知らせるべき新たな重要な知見等が生じた場合に、政府が、「緊急事態宣言」の発動も含めた必要な対応が迅速かつ果断にとれるよう、適宜、必要に応じて検討を行い、見直しを行うものとします。




  別添 【多くの人が参加する場での感染対策のあり方の例】

 1)人が集まる場の前後も含めた適切な感染予防対策の実施

 ○参加時に体温の測定ならびに症状の有無を確認し、具合の悪い方は参加を認めない。
 ○過去2週間以内に発熱や感冒症状で受診や服薬等をした方は参加しない。
 ○感染拡大している地域や国への訪問歴が14 日以内にある方は参加しない。
 ○体調不良の方が参加しないように、キャンセル代などについて配慮をする。
 ○発熱者や具合の悪い方が特定された場合には、接触感染のおそれのある場所や接触した可能性のある者等に対して、適切な感染予防対策を行う。
 ○会場に入る際の手洗いの実施ならびに、イベントの途中においても適宜手洗いができるような場の確保。
 ○主に参加者の手が触れる場所をアルコールや次亜塩素酸ナトリウムを含有したもので拭き取りを定期的に行う。
 〇飛沫感染等を防ぐための徹底した対策を行う(例えば、「手が届く範囲以上の距離を保つ」、「声を出す機会を最小限にする」、「咳エチケットに準じて声を出す機会が多い場面はマスクを着用させる」など)

 2)クラスター(集団)感染発生リスクの高い状況の回避

 ○換気の悪い密閉空間にしないよう、換気設備の適切な運転・点検を実施する。定期的に外気を取り入れる換気を実施する。
 ○人を密集させない環境を整備。会場に入る定員をいつもより少なく定め、入退場に時間差を設けるなど動線を工夫する。
 ○大きな発声をさせない環境づくり(声援などは控える)
 〇共有物の適正な管理又は消毒の徹底等

3)感染が発生した場合の参加者への確実な連絡と行政機関による調査への協力

 ○人が集まる場に参加した者の中に感染者がでた場合には、その他の参加者に対して連絡をとり、症状の確認、場合によっては保健所などの公的機関に連絡がとれる体制を確保する。
 ○参加した個人は、保健所などの聞き取りに協力する、また濃厚接触者となった場合には、接触してから2週間を目安に自宅待機の要請が行われる可能性がある。

4)その他

 ○食事の提供は、大皿などでの取り分けは避け、パッケージされた軽食を個別に提供する等の工夫をする。
 ○終了後の懇親会は、開催しない・させないようにする。
※ 上記は例であり、様々な工夫が考えられる。


                                転載終わり。



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むばたまの闇のうつつは さだかなる夢に幾らもまさらざりけり

2020年03月20日 22時52分14秒 | VSの日記
 本日3月20日は、一ノ谷の戦いがあった日で、オランダが東インド会社を設立した日で、赤穂浪士が預かりの大名屋敷で切腹した日で、エルバ島を脱出したナポレオンが軍勢を伴ってパリに入城した日で、高田事件があった日で、ドイツ帝国皇帝ヴィルヘルム2世が首相オットー・フォン・ビスマルクを解任した日で、国民党のリーダー・宋教仁が袁世凱の放った刺客により銃撃された(3月22日に死亡)日で、蒋介石が反共クーデターを起こした日で、地下鉄サリン事件(13人が死亡、5510人が重軽傷)が起きた日で、イラク戦争が勃発した日です。

 本日の倉敷は晴れでありましたよ。
 最高気温は十五度。最低気温は八度でありました。
 明日も予報では倉敷は晴れとなっております。



 又あすこへ来たな。という寒い様なぞくぞくする魅力が狐を慄かせた。
 又あの夢だ。

 銀色の暗闇が狐の全世界を覆い尽していた。
 音も匂ひも触覚さえもが狐の身体から蒸発して了つて煉羊羹の濃やかに澱んだ色彩ばかりが狐の周囲を包んでいた。
 頭の上には夕立雲の様に真つ暗に層をなした木の葉が音もなく鎮まり返つて、其処からは巨大な黒褐色の樹幹が滝をなして地上に降り注ぎ、観兵式の兵列の様に目も遙かに四方にうち続いて末は奥知れぬ暗の中に消えていた。
 幾層の木の葉の暗の其の上にはどの様な麗らかな日が照つているか或いはどの様な冷い風が吹き荒んでいるか、狐には少しも分らなかつた。
 ただ分つていることは狐が今、果てしも知らぬ大森林の下で闇を行方定めず歩き続けている、其の単調な事実だけであつた。

 歩いても歩いても幾抱えの大木の幹を次から次へと迎え見送るばかりで景色は少しも変らなかつた。
 足の下には此の森が出来て以来、幾百年の落葉が湿気の充ちた絨毯を為して、歩くたびにじくじくと音を立てているに相違なかつた。
 聴覚のない薄暗の世界は、此の世からあらゆる生物が死滅したことを感じさせた。
 或は又、不気味にも森全体が盲たる魑魅魍魎に充ち満ちているが如くにも思われないではなかつた。
 蛇の様な山蛭が真つ暗な天井から雨垂れを為して狐の襟首に注いでいるのが想像された。
 狐の眼界には一物の動くものとてなかつたけれど、背後には海月の如き妖しの生き物がうようよと身を擦り合せて声無き笑いを合唱しているのかも知れなかつた。
 でも暗闇と暗闇の中に住むものとが狐を怖がらせたのは云うまでもないけれど、それらにも増していつも乍ら此の森の無限が奥底の知れぬ恐怖を以つて狐に迫つた。
 其れは生れ出たばかりの嬰児が広々とした空間に畏怖して手足を縮め恐れ慄くが如き感じであつた。
 狐は叫びそうになるのをやつと堪え乍ら一刻も早く暗の世界を逃れ出そうと足掻いた。
 併し足掻けば足掻く程、森の下闇は益々暗さを増していつた。

 どれ程の間、狐は其処を歩き続けたことであらう! 
 其処には時というものがなかつた。
 日暮れも夜明けもなかつた。
 歩き始めたのが昨日であつたか、何十年の昔であったか、其れさえ曖昧な感じであつた。
 狐は、ふと未来永劫の森の中に大きな大きな円を描いて歩きつづけているのではないかと疑い始めた。
 外界の何物よりも私自身の歩幅の不確実が恐しかつた。
 狐は嘗て右足と左足との歩き癖にたつた一吋の相違があった為に沙漠の中を円を描いて歩き続けた旅人の話を聞いていた。
 沙漠には雲が晴れて陽も出よう。
 星も瞬こう。
 併し、暗闇の森の中には何時迄待つても何の目印も現れては呉れないのだ。
 世に試し無き恐れであつた。
 狐は其の時の心の髄からの慄きを何と形容すればよいのであらう。
 狐は生れてからこの同じ恐れを幾度と知れず味わつた。
 併し、一度たび毎にいい知れぬ恐怖の念は、そして其れに伴うあるとしもなき懐かしさは共に増しこそすれ決して減じはしなかつた。
 その様に度々のことながら、どの場合にも不思議なことには何時何処から森に入つて何時又何処から森を抜け出すことが出来たのやら少しも記憶していなかつた。
 一度ずつ全く新たなる恐怖が狐の魂を圧し縮めた。
 巨大なる死の薄暗を豆粒の様な狐という獣が息を切り汗を流していつまでもいつまでも歩いていた。

 ふと気がつくと、狐の周囲には異様な薄明りが漂い初めていた。
 其れは例えば幕に映った幻燈の光の様に此の世の外の明るさではあつたけれど、でも歩くに随がって闇はしりえに退いて行つた。
 何だ。これが森の出口だつたのか。
 狐は其れを如何して忘れていたのであろう。
 そしてまるで永久に其処に閉じ込められた者の様に怖じ恐れていたのであろう。
 狐は水中を駈けるに似た抵抗を感じながら、でも次第に光りの方へ近づいて行つた。
 近づくに従って森の切れ目が現れ懐しき大空が見え初めた。
 併し、あの空の色はあれが私達の空であつたのだろうか?
 そして其の向うに見えるものは、嗚呼、狐はやつぱりまだ森を出ることが出来ないのだつた。
 森の果てとばかり思い込んでいた所は、その実、森の真中であつたのだ。
 其処には、直径一町ばかりの丸い沼があつた。
 沼の周囲は少しの余地も残さず直ちに森が囲んでいた。
 其の何方の方角を見渡しても末は菖蒲も知れぬ闇となり、今迄、狐の歩いて来たのより浅い森はない様に見えた。

 度々森をさ迷いながら狐は斯様な沼のあることを少しも知らなかつた。
 それ故、森を出離れて沼の岸に立つた時、其処の景色の美しさに狐は眩暈を感じた。
 万花鏡を一転して、ふと幻怪な花を発見した感じである。
 併し、其処には万花鏡の様な華かな色彩がある訳ではなく空も森も水も、空はこの世のものならぬ燻銀、森は黒ずんだ緑と茶、そして水はそれらの単調な色どりを映しているに過ぎないのだ。
 其れにも拘わらず、此の美しさは何物の業であらう?
 銀鼠の空の色か、巨大な蜘蛛が今、獲を目掛けて飛びかかろうとしている様な奇怪なる樹木達の枝ぶりか、固体の様に押黙って無限の底に空を映した沼の景色か、其れもさうだ。
 併しもつと外にある。
 得体の知れぬものがある。
 音もなく匂いもなく肌触りさえない世界の故か?
 そして、それらの聴覚、嗅覚、触覚がたった一つの視覚に集められている為か? 其れもさうだ。
 併しもつと外にある。
 空も森も水も何者かを待ち望んで、はち切れそうに見えるではないか?
 彼等の貪婪極りなき慾情が息吹となつて吹き出しているのではないか?
 併し其れが何故なれば斯くも狐の心をそそるのか?

 狐は何気なく眼を外界から狐自身の訝しくもすつぽんぽんの裸の身体に移した。
 そして其処に人の体を見出した時、狐は獣であつたことを打ち忘れてさも当然の様に微笑んだ。

 嗚呼。此の肉体だ!
 狐は余りの嬉しさに心臓が喉の辺まで飛び上るのを感じた。
 狐の肉体は極貧層な体であった。
 ちんちくりんな五体、蛇の腹の様に艶やかに青白き皮膚の色、此の肉体を以て狐は目立たぬよう世界に溶け込んでいた。
 狐は誰にも意識されることなく世界を回遊してきた。
 今こそ何もかも明白になつた。
 狐は不思議な沼の美しさを漸く悟ることが出来たのだ。
 「嗚呼。貴方達はどんなに私を待ちこがれていたことであらう。幾千年? 幾万年? 空も森も水もただ此の一刹那の為に生き永らえていたのではないか。さあ私は今、貴方達の烈しい願いを叶えてあげるのだよ」
 此の景色の美しさは其れ自身完全なものではなかつた。
 何かの背景としてそうであつたのだ。
 そして今、狐が禍々しき演者として彼等の前に現れたのだ。

 闇の森に囲まれた底なし沼の深く濃やかな灰色の世界に狐の青白の肌えが如何に調和よく如何に輝かしく見えたことであらう。
 何という大芝居だ。
 何という奥底知れぬ美しさだ。
 狐は一歩沼の中に足を踏み入れた。
 そして黒い水の中央に同じ黒さで浮んでいる一つの岩を目掛けて静かに泳ぎ初めた。
 水は冷たくも暖かくもなかつた。
 油の様にとろおりとろりとして手と足を動かすにつれて其の部分だけ波立つけれど、音もしなければ抵抗も感じない。
 狐は胸の周囲に二筋三筋の静な波紋を描いて丁度真白な水鳥が風無き水面を滑る様に音もなく進んで行つた。
 やがて、中心に達すると黒くぬるぬるした岩の上に這い上がる。
 其の様は例えば夕凪の海に踊る死神の様にも見えたであらうか?

 今、狐は其の岩の上にすっぽんぽんですつくと立上つた。
 嗚呼、何と素晴らしい世界。
 狐はあらん限りの肺臓の力を以て花火の様な叫びを上げた。
 胸と喉の筋肉が無限の様に伸びて一点の様に縮んだ。
 其れから極端な筋肉の運動が始められた。
 其れがまあどんなに素晴らしいものであつたか。

 青大将が真二つに千切られてのたうち廻るのだ。
 尺取虫と芋虫と蚯蚓の断末魔だ。
 無限の快楽に或は無限の痛苦にもがく獣だ。

 踊り疲れると狐は喉を潤す為に黒い水中に飛び込んだ。
 そして胃の腑の受け容れるだけ水銀の様に重い水を飲んだ。
 そうして踊り狂いながらも狐は何か物足らなかつた。
 狐ばかりでなく周囲の背景達も不思議に緊張を緩めなかつた。

 彼等はこの上にまだ何事を待ち望んでいるのであらう?
 さうだ。紅の一色だ!
 狐ははつと其処に気がついた。
 此の素晴らしい画面にはたつた一つ、紅の色が欠けている。
 若し其れを得ることが出来たならば獣の目が生きるのだ!
 奥底知れぬ灰色と蒼白い肌とそして紅の一点、其処で何物にもまして美しい獣の目が生きるのだ!

 したが狐はどこに其の絵の具を求めるべきか?
 此の森の果てから果てを探したとて一輪の椿さえ咲いてはいないのだ。
 立並ぶ彼の蜘蛛の木の外に木はないのだ。

 待ち給たまへ。
 其れ其処に素晴らしい絵の具があるではないか。
 心臓という搾り出し。こんな鮮かな紅を何処の絵の具屋が売つている?

 狐は薄く鋭い爪を以て、全身に縦横無尽の掻き傷を拵らえた。
 傷口から滴る血糊が川を為して狐の身体は真赤な彫り物に覆われた。
 血潮の網襯衣を着た様だ。
 其れが沼の水面に映つている。

 火星の運河!
 狐の身体は丁度或の気味悪い火星の運河だ!

 其処には水の代りに赤い血糊が流れている。
 さうして狐は又狂暴なる舞踊を初めた。

 きりきり廻れば紅白だんだら染めの独楽だ。
 のたうち廻れば今度こそ断末魔の長虫だ。
 或る時は胸と足を後ろに引いて極度に腰を張り、むくむくと上つて来る太股の筋肉の塊を出来る限り上の方へ引きつけてみたり、或る時は岩の上に仰臥がして肩と足とで弓の様に反り返り尺取虫が這う様に其の辺を歩き廻つたり、或る時は股を広げ其の間に首を挟んで芋虫の様にごろごろと転つてみたり、又は切られた蚯蚓を真似て岩の上をぴんぴんと跳ね廻つて腕と云わず肩と云わず腹と云わず腰と云わず所嫌わず力を入れたり抜いたりして、狐はありとあらゆる曲線表情を演じた。
 快楽に身を包む浅ましく淫らな血塗れの舞踏。
 奥底知れぬ灰色に肌えの蒼白色と血の深紅が舞い踊る。

 狐はこの世界を慰める為、命の限り此の素晴らしい大芝居のハレの役目を勤める……………………………。
 狐の眼は狂気に満ちた金色に輝いていた……。




 狐はこの夢が何を暗示しているのか知らない。
 狐は狐の心の内に潜む獣を恐れる。
 浅ましく凶暴で淫らで恥知らずで狂気に満ちた獣を恐れる。



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『パドマーワト 女神の誕生』

2020年03月20日 17時03分25秒 | 映画・ドラマに関する日記
 昨日の夜は、映画『パドマーワト 女神の誕生』のDVDを観ていました。

 13世紀末。
 西インドの小国メーワールの王ラタン・シンは、シンガール王国の王女パドマーワティと恋に落ち、彼女を妃に迎える。
 その頃、北方のデリーでは、強大なハルジー朝のアラーウッディーンが叔父を殺し、スルタンの位に就いていた。
 野心に満ちたアラーウッディーンは、絶世の美女パドマーワティの噂を聞き、軍をメーワールの都に向ける……。

 監督は、サンジャイ・リーラー・バンサーリー。
 出演者は、ディーピカー・パードゥコーン、シャーヒド・カプール、ランヴィール・シン、アディティ・ラーオ・ハイダリー、ジム・サルブ、ラザー・ムラード、アヌプリヤー・ゴーエンカー、ウッジワール・チョープラー、ディーパク・シュリーマリ、アーヤム・メフタ、ヴィバーヴ・ロイ、バーワニー・ムザーミル、アシュウィン・ダール、など。

 絶世の美女パドマーワティの逸話を脚色した歴史スペクタルドラマであります。
 邪悪なスルタンと高潔な王。単純明快なお話の筋。
 でも主役は王妃パドマーワティなのであります。

 豪華絢爛な歴史絵巻。
 面白かったですよ。
 楽しめました。


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誰かに濡れ衣を着せ、彼等を貶す為に嘘を吐くことは、嘘を暴かれることによってあまりにも大きい利益を相手に与えることになる。

2020年03月20日 15時25分04秒 | その他の日記
 豊洲の問題は、沖縄基地問題でアメリカ大統領に「とらすとみー」と大見得を切って基地移転問題を見直すと主張して散々多くの人を引っ掻き回した後に結局は普天間基地を辺野古に移設する元のプランしかないと決定した旧民主党・鳩山政権と同じ展開でありました。
 ノープランで見直しを行って散々多くの人を引っ掻き回して槍玉に挙げて科学的根拠を無視して騒ぎ立てて風評被害をまき散らした挙句に、結局は最初のプランしかないと決定する。
 その結果、膨大な時間と莫大なお金と多くの人力を無駄にしました。
 この損失額は莫大な額となります。
 混乱と損失だけを生み出しました。
 有益なものは何も生み出さず被害だけを生み出しました。

 この一件で主力を務めたのは現東京都知事と日本共産党とマスメディアです。
 現東京都知事と日本共産党とマスメディアは、科学的な知見を無視し多くの人を出鱈目な情報で攪乱して膨大な時間と莫大なお金と多くの人力を無駄にし築地と豊洲に甚大な風評被害を与えました。
 そして東京都の都市プランを大きく停滞させました。
 さらに東京オリンピックの準備も大きく停滞させました。
 失ったお金は莫大な金額です。
 この損失はただ単にお金を溝に捨てた行為です。
 誰の役にも立ちません。
 この騒ぎは分断と憎しみを生み出しただけです。
 現東京都知事と日本共産党とマスメディアだけが大いに利益を得てそれ以外の人は大損害を受けました。  
 
 オリンピック開催に合わせていた道路の開通が、オリンピック閉幕の2年後に開通。
 阿呆の極みです。あり得ない事態です。
 騒ぎに騒いで得るものが何もない損害だけを生み出した愚行です。

 他にお金を使うべきだと東京オリンピックに反対した日本共産党は超巨額のお金を溝に捨てる行為を行いました。
 そして科学的な根拠を無視し誤解を与える情報を延々と発し人々を分断し不和と不信を生み出し憎悪も生みました。
 証拠も無しに根拠も無しに他者の吊し上げを行いました。
 失った時間と冨は帰ってきません。
 そして根拠も無しに他者を吊し上げたことで名誉を損なわれた人もいます。
 莫大な損失を被った人もいます。
 しかし日本共産党は全く責任を取っていません。

 現東京都知事と日本共産党とマスメディアは、多くの人達が知恵を絞って長い間議論して尽力して決めたことを、根拠も無しに科学的な根拠を無視して攻撃して、多くの人達の努力を無視して蔑ろにしました。
 何かを作り上げるのではなくただただ物事をぶち壊す。
 ぶち壊しておいて一切の責任を取らない。
 超巨額なお金を溝に捨て膨大な労力を無駄にし時間を浪費する。
 混乱を生み出し物事を停滞させ仕組みを破壊する。
 そして何も生み出そうとはしない。
 ただただ壊すだけ。
 ただただ他者を誹謗中傷しただけ。

 他にお金を使うべきだという日本共産党の主張は大嘘でただただ反対したかっただけというのがよく分かりましたよ。
 これだけのお金を無駄にしておいて日本共産党は反省も謝罪もありません。
 ふんぞり返って知らん顔をしています。

 現東京都知事と日本共産党とマスメディアは一切責任を取るつもりはありません。
 完全に開き直っています。
 馬鹿騒ぎをした挙句に、開き直って一切の責任を取らない。
 無責任の極みであり無能の極みです。

 他者を一切信用しない人達が自分の知らない分野に首を突っ込んで散々騒いで揉め事にした挙句に有益なものを何も生み出さずに損害だけを生み出し大勢の人を傷付けるという非常に迷惑な行為を行いました。
 しかし現東京都知事も日本共産党もマスメディアもその責任を取ろうとしていません。
 失った時間と失った超膨大な富は有効に使えば多くの人を救える筈のものでした。
 しかし現東京都知事と日本共産党とマスメディアは自分達だけが利益を得て、貴重な時間とお金を溝に投げ捨てました。
 沖縄基地問題でアメリカ大統領に「とらすとみー」と大見得を切って基地移転問題を見直すと主張して散々多くの人を引っ掻き回した後に結局は普天間基地を辺野古に移設する元のプランしかないと決定した民主党・鳩山政権と同じ行為です。
 反省も謝罪もなく責任を取ることもない。
 ふんぞり返って知らん顔をし続けています。

 このような連中が日本の政界の中枢にいたり日本の情報発信の中心にいたりするのです。
 さらに現在、マスメディアの中枢にいる人が科学的根拠を無視すると宣言するに至っています。
 事実を無視するならばそれは報道ではありません。
 事実を捻じ曲げ論点をすり替えて悪者を作り悪者とされた人を人権を無視して攻撃する。
 そのことを指摘して批判したら逆ギレしてレッテルを貼って論点をすり替えて攻撃する。
 マスメディア自身が人権を無視し言論の自由を無視して自由な言論の場を破壊する行為を行う。
 情報をコントロールできるマスメディアがこのような行為を行っているのです。

 何と恐るべき状態なのであろうか。と思っているところなのでございます。



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I spend the day your way.Call it morning driving thru the sound and in and out the valley.

2020年03月19日 23時11分24秒 | 職場に関する日記
 本日3月19日は、天武天皇が飛鳥浄御原令の制定を命じた日で、崖山の戦いでモンゴルによって南宋が滅亡した日で、太平天国軍が江寧(南京)を陥落させて天京と改称して首都とした日で、アドルフ・ヒトラーが焦土作戦を敢行するためにドイツ国内のインフラの破壊を指令した日で、欧州共同体6か国の変動相場制への移行が決定してスミソニアン体制が崩壊した日で、フォークランド紛争が始まった日で、アナコンダ作戦が終了した日で、イラク戦争が開戦した日です。

 本日の倉敷は晴れでありましたよ。
 最高気温は二十一度。最低気温は六度でありました。
 明日も予報では倉敷は晴れとなっております。



 本日は私は午前中はお仕事で瀬戸内市の方へ行っておりました。
 久々の車の運転でありました。
 麗らかなお天気で絶好のドライブ日和。
 超絶的な方向音痴の私なのですが、ナビがしっかりとリードしてくれるので無問題。
 良い作品を仕入れてきたので、「売ってやる。売りつくしてやる」と燃えているところなのでございます。



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『数えずの井戸』/京極夏彦

2020年03月19日 17時15分16秒 | 小説・本に関する日記
 昨日の夜は、京極夏彦の小説『数えずの井戸』を読み返していました。
 岡本綺堂の『番町皿屋敷』や多くの資料を基にして「皿屋敷」の怪談を再解釈した物語です。

 何故、お菊という女性の亡霊が皿を数える怪談が生まれたのか? が核心の部分で幽霊は出てきません。
 物語はお菊が旗本青山家の屋敷に奉公する前から始まります。

 各章で視点が変わりながら、まずは登場人物達の紹介と核心の周辺の説明。
 徐々に核心に迫っていきます。
 結末は最初に明示されていて、どのようにそこに行きつくか? そして何故、お菊という女性の亡霊が皿を数える怪談が生まれたのか? というお話。
 幽霊話ではなくどのような事件が起こったのか? というお話なのですが、怖い。
 主要人物達が抱えている考えかたや悩みは誰しも少なからず持っているもので、しかも単独では大したことはない。悪いものと言い切れないものもある。
 しかし重なり合って組み合わされると大きな力を持ってしまい、誰にも抗うことは出来ず皆で破滅に向かう。
 暗くどんよりとしたお話で、最初はゆっくりと途中から加速度を増して惨劇へと向かいます。

 面白かったですよ。
 お勧めです。


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雪柳(ユキヤナギ)その10。

2020年03月18日 23時52分48秒 | お花に関する日記
 本日3月18日は、ローマ皇帝アレクサンデル・セウェルスと母のユリア・マメアがマクシミヌス・トラクスにより暗殺された日で、エルサレムに入城した神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世が聖墳墓教会でエルサレム王として戴冠した日で、フランス国王フィリップ4世の命で捕えられたテンプル騎士団団長ジャック・ド・モレーが宗教裁判で異端とされて焚刑に処せられた日で、パリの民衆がアドルフ・ティエールの臨時政府に対し武器をとって蜂起した日で、ハワイ王国がアメリカ合衆国に対して独占的な通商権を与える条約を結んだ日で、ギリシャ国王ゲオルギオス1世が暗殺された日で、北京の段祺瑞政府打倒を叫ぶ民衆のデモに対し政府軍が発砲した三・一八事件が起きた日で、メキシコが国内にある外国所有下の石油資源をすべて国有化した日で、ナチス・ドイツ軍がハンガリーを占領した日で、早川電機とソニーが商用化された製品としては初の電子式卓上計算機を発表した日で、岡山県岡山市の原尾島交差点に点字ブロックが世界で初めて設置された日で、カンボジアでロン・ノル首相のクーデタによりノロドム・シアヌーク皇太子が亡命した日で、OPEC諸国が五か月に渡り続けていたアメリカ・ヨーロッパ・日本への石油輸出禁止措置を解除した日で、江崎グリコ社長が西宮市の自宅から「かい人21面相」に誘拐された日です。

 本日の倉敷は晴れでありましたよ。
 最高気温は十八度。最低気温は七度でありました。
 明日も予報では倉敷は晴れとなっております。




 上の写真に写っているお花は、「雪柳(ユキヤナギ)」です。
 雪柳のお花に関しては、2019年3月10日の記事2018年3月10日の記事2017年3月6日の記事2016年3月6日の記事2015年3月29日の記事2012年3月9日の記事2011年3月29日の記事2010年3月6日の記事2009年3月16日の記事も宜しかったらご覧くださいませ。
 2019年と2018年と2017年と2016年と2015年と2012年と2011年と2010年と2009年の雪柳のお花の記事です。

 雪柳のお花の花言葉は、「愛らしさ」です。



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