ある雨の日、和菓子屋くるりやにバイトのあかねが例によって手際よく、足りなくなった細々な備品をきっちり買い込んで出勤してきた。そこはどうでもいい。今回のヒロインは同じ雨の日にくるりやを訪れた、二十代後半のデパートの企画担当者、木崎。卓三とは既に何度も仕事をしている。
好評だった和菓子展の礼に来た木崎は、以前仕事中の卓三が「終わったら一緒に食事に行きましょう」と言った話を持ち出してきた。もちろんホイホイそれに食い付いた卓三は、深川での食事の約束を取り付けた。
深川とは門前仲町界隈。富岡八幡宮等を有する東京の下町だが、寺社を中心に発達した為か割りと小綺麗な町並みでもある。その富岡八幡宮で木崎と待ち合わせた卓三は、少し早く来た自分より更に早く来ていた木崎に舞い上がる。
イベリコバル門仲でイベリコ豚のしゃぶしゃぶを食べる二人。いい雰囲気だったが、木崎は正月の特選フェア用に限定和菓子の製作依頼を切り出した。突然の食事の誘いの事情を了解した卓三は「うちも年末年始はお得意さんで手一杯でして」硬い口調で断る卓三。
食事後、気まずくなった二人。一度はお開きになる流れだったが、続けて門前仲町を散歩するという卓三に木崎は付き合うと言う。戸惑う卓三だったが、受け入れることにした。「ブラっと、行こうか」
八幡橋、清澄庭園、千疋屋製造直売所(臨時休業日)、深川不動尊、折原酒店(角打ち酒屋)と廻り、角打ちで酒を飲む中で酔った? 木崎と「卓三さん」「みゆきちゃん」と呼び合う流れとなり、卓三はすっかり骨抜きにされた。夕方、永代橋まで来るといよいよお別れとなり、思い余った卓三は「みゆきちゃん! 特選和菓子フェアの件、少し考えさしてもらっていいかな?」と言い出してしまった。
2に続く
好評だった和菓子展の礼に来た木崎は、以前仕事中の卓三が「終わったら一緒に食事に行きましょう」と言った話を持ち出してきた。もちろんホイホイそれに食い付いた卓三は、深川での食事の約束を取り付けた。
深川とは門前仲町界隈。富岡八幡宮等を有する東京の下町だが、寺社を中心に発達した為か割りと小綺麗な町並みでもある。その富岡八幡宮で木崎と待ち合わせた卓三は、少し早く来た自分より更に早く来ていた木崎に舞い上がる。
イベリコバル門仲でイベリコ豚のしゃぶしゃぶを食べる二人。いい雰囲気だったが、木崎は正月の特選フェア用に限定和菓子の製作依頼を切り出した。突然の食事の誘いの事情を了解した卓三は「うちも年末年始はお得意さんで手一杯でして」硬い口調で断る卓三。
食事後、気まずくなった二人。一度はお開きになる流れだったが、続けて門前仲町を散歩するという卓三に木崎は付き合うと言う。戸惑う卓三だったが、受け入れることにした。「ブラっと、行こうか」
八幡橋、清澄庭園、千疋屋製造直売所(臨時休業日)、深川不動尊、折原酒店(角打ち酒屋)と廻り、角打ちで酒を飲む中で酔った? 木崎と「卓三さん」「みゆきちゃん」と呼び合う流れとなり、卓三はすっかり骨抜きにされた。夕方、永代橋まで来るといよいよお別れとなり、思い余った卓三は「みゆきちゃん! 特選和菓子フェアの件、少し考えさしてもらっていいかな?」と言い出してしまった。
2に続く