Mash氏のブログ読者諸賢初めまして。ハウリン・メガネである。
現在明石在住の私がここでヴァイナルレビューをすることになった経緯はおいておく。
ただ、一言だけ。
どんな音源もCDでは無くヴァイナル!
そう、レコード(アナログ)盤で聴け!
と言うこと。
重要なのは盤である。
さあ、盤の話をしよう!
さて、今回ご紹介する盤はトラベリング・ウィルベリーズの1st、「Traveling Wilburys Volume One」
(EUオリジナル盤 西ドイツプレス)
ご存知
ネルソン
オーティス
ラッキー
レフレィ
という
「ウィルベリー兄弟」
に
チャーリー・T・ジュニア
を加えたファミリーバンド...
って、んな訳あるか!
もう皆さんご存知でしょう。
このウィルベリーズは覆面バンドなのだ。
そのメンバーはこちら!
・ジョージ・ハリスン(ネルソン役)
・ボブ・ディラン(ラッキー役)
・ジェフ・リン(オーティス役)
・ロイ・オービソン(レフティ役)
・トム・ペティ(チャーリー役)
見よ、この泣く子も黙らず笑ってしまう面子。
そう、このウィルベリーズ、とんだ覆面バンドなのである。
そもそもの始まりはジョージの名作「Cloud Nine」からの
EPカット時にB面曲を作る為
ジェフとロイに声をかけたのがきっかけだ。
「B面だけでいいや」と声をかけたはずが、
びっくりするほどいい曲が出来てしまい、
アルバム単位の作品に発展したらしい。
(可笑しいのはディランのスタジオを借りたついでにディランを誘い、トムに貸していたギターを返してもらう時にトムも誘ったというエピソード。フレンドリーなジョージらしい話)
肝心の内容だが、
上記のエピソードのとおり、
アルバムまで発展したのが納得の出来なのね。
で、ここからはあくまで
「レコードで聴いたレビュー」である。
※CDだと声と演奏の生々しさが消え てしまい、
端的に言って、ダラダラしたプレイに聴こえてしまう。
※レコードからは
「バンドの」ウィルベリーズが聴こえてくるが、
CDだと悪い意味で
「スーパーグループ」的な音になってしまっている。
※(最悪なのはこのバンドの良さである
コーラスやハーモニーが「のっぺり」と聴こえてしまい、
せっかく集まった5人の声の良さを殺していることだ。
※私やMash氏が
「ヴァイナルだ!ヴァイナルしかねえんだ!」
と言っている理由はこういう改悪というべき事がCDだと多すぎるからだ)
それでは、曲を追って行こう!
A-1の「Handle With Care」
からジョージ、ロイ、ボブ&トムが代わる代わる歌い、
カラフル&ビートリーな印象で始まる。
(というか、この曲だけでジョージのスライドやボブのハープがきっちりキメられており、
この曲だけでも「おなか一杯」である。
ちなみにこれが当初B面に入るはずだった曲。)
そこからボブがメインボーカルを張るA-2や
リンが気持ちよく声をドライヴさせるA-3へなだれ込む。
ちょっと「Ob-La-Di, Ob-La-Da」っぽくもあるA-4は
メインボーカルのトムにロイが柔らかく絡み、
A面最後を飾るA-5「Not Alone Any More」は
これぞELO!と言うリン感の強いバックに
哀愁の男ロイが歌い上げるこれまた良曲。
続いてB面。
B-1の「Congratulations」は
近年のボブのアルバムに入っていてもおかしくない、
レイドバック感たっぷりの歌い上げロック。
ボブのしゃがれた声に寄り添う全員のコーラスが美しい。
ELOをバックにボブが歌う趣きのB-3では
ジョージのスライドがクールにキまっている。
続くB-4はこれまたボブが往年の吐き捨てるような歌い方で
バキバキにキメている
(ちょっとHurricaneぽい)
最後のB-5はジョージをメインに
全員がヴァースを回していく、
このバンド
(これはプロジェクトではなくバンドだ)
らしいエンディング。
以上、あっという間の30分強である。
総括すると、
ジョージの「Cloud Nine」から発展しただけあり、
全面的にジェフ・リンのサウンドプロダクションが目立つ。
目立つのだが、
そこにそれぞれ十分すぎるキャリアを積んだベテランたちが絡んでいる為、
各自の色がハッキリと出ており、
リンの色が抑えられて聴こえる。
(個人的にリンのサウンドプロダクトって
一発で「リンだ!」と分かりすぎるのでちょっと過剰に思うのだが、
この盤ではいいバランスで整っており、前述の「Cloud Nine」辺りと聴き比べても面白い。)
...とまあ、間違いなく、名盤である。
名盤であるのだが、その評価は続くウィルベリーズの2ndで覆されることになる。
...長くなるので、また次回!
「Traveling Wilburys Vol.3」
へ続く。
次回も存分にハウル!
ハウリンメガネでした!。