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明石のブルースマン「ハウリンメガネ」が贈る…「どこまでもヴァイナル中毒!(第10回)」アレサ・フランクリン編 Part2

2018-10-08 12:42:18 | 『ハウリンメガネ』コラム集

読者諸賢ご機嫌いかが?
ハウリン・メガネである。

台風は毎週のように来るわ、
地震は収まらないわ、
猛暑日はぶり返すわ、
でもう無茶苦茶な日々だな。

被害に合っている方は大変だと思う。
そんな人に私のこのコラムがなにか有効なのか?
と問われれば、「そんな無茶な話を言うな!」
と返すしかあるまい。

もちろん、それでもやめない!
それは誰かと(例えば今コレを読んでいる君)と
この喜びを分かち合いたいからだ。

いつになるのかは分からなくとも、
いつかこのコラムを読んだあなたと
「あれ、いい盤だよねぇ」
と話せる日がくると、メガネは思っているからだ。

書く理由はそれだけ!
だから諸君、ぜひ当コラムを御笑覧あれ。
私のコラムを笑って読んでくれれば、それでいい。

さてさて最近、前書きが長くなりがちでいけない。
さあ盤の話をしよう!

今回も前回に引き続き
「ソウルの国の女王陛下」
アレサ・フランクリンのお話!

前回ご紹介した「アレサ(86年)」に引き続き、
今回ご紹介するのは
85年作「Who's Zoomin' Who?(邦題フリーウェイ・オブ・ラヴ)」である!
(日本盤帯つきオリジナル!)
前回ご紹介した盤の前年作だ!

豆知識として
この時期の日本盤は不思議と音のいい盤が多い。
時期的に日本マーケットが異常に肥大化し始め
本国アメリカンも、このマーケットに一目置き出し
より売ろうと試みるレコード会社も見られた。

その中でもアリスタの様な振興レーベルは
特に顕著だったのだ。

この盤もプロデュースは
ナラダ・マイケル・ウォルデン。
この盤でもやはり彼らしい80'sサウンドの流行を
しっかりとらえた音で勝負しているのだけど、
やっぱりアレサはアレサ。

サウンドプロダクトがどう変化しようと、
彼女の本質は変化せず、やはり歌にこそ
彼女の全てがつまっている
(ちなみにこの盤、個人的には前回紹介した「アレサ」より好きなんだよねぇ...)。

ボスのEストリートバンドからビッグマンこと
クラレンス・クレモンズが参加している
[A-1 Freeway of Love]を筆頭に、
個人的に本作で一番セクシーに感じる
表題曲[A-4 Who's Zoomin' Who?]や、
ユーズリミックスが参加(プロデュースも)している
[B-1 Sisters Are Doin' It for Themselves]
(ちなみにこの曲、ユーズリミックス自身の85年作「Be Yourself Tonight」にも収録されている)。
ピーター・ウルフ(J・ガイルズ・バンド)がデュエットで参加している[B-4 Push](ちなみにギターソロはカルロス・サンタナ!)
そしてこの[B-4]からシームレスに
「これぞソウルマナー!」と雄叫びを上げてしまいそうになる[B-5 Integrity]へ!
(ちなみにこの曲は作曲、プロデュースともアレサ本人が担当)

うーん、聴けば聴くほどいいのだけれど、
何でこんなにいいのかねぇ?(笑)

ここでちょいと同年代のR&Bの名盤を
引き合いに出してみよう。

個人的に大好きなチャカ・カーン!
彼女の「I Feel For You(84年作)」だ!
(いいんだよ!この盤!素晴らしいの!
プリンス直系(なにせ殿下自身が楽曲提供してる!)のミネアポリスサウンド大炸裂盤だ!
ちなみに筆者の所有盤は日本ホワイトプロモ盤なのだけど、帯のキャッチコピーが最高!
「忘れるために抱いたわけじゃない」シビレるぜ...)

前述の通り、全体はプリンス直径のミネアポリスサウンド!
これに乗るチャカのセクシーな歌が
前述のコピー「忘れるために抱いたわけじゃない」を想起させる!

カッコいい!...んだけど悲しいかな、
アレサを聴いた直後だと正直、歌が細く聴こえる...
(チャカファンの方、怒らないで!筆者もショックだったのだ...)

当然チャカは決して凡庸なボーカリストではない。
むしろこの世代の人達の中では突出していると言っていい。
そんなチャカですらアレサを先に聴いてしまうと霞んでしまう...

いや、チャカはチャカで本当にカッコいいのよ?
でもアレサが"女王"ならチャカは"姐さん"だ。
アレサの貫禄には敵わない...
やっぱり彼女の歌は尋常じゃない!

アレサが歌うから、アレサの歌が素晴らしいから、この盤は何度も針を落としたくなるのだ!
逆にチャカの後にメアリーJ姉さんを聴いて欲しい。
チャカの凄味が倍増するから!

余談になるが、
この時期のアレサの客演を収録したJBのライブDVDがある(写真の「Soul Session 1987」)。

どうもTVの企画かなにかだったらしく、むちゃくちゃ豪華な面子が参加している。
(アレサはもちろん、ウィルソン・ピケット、ジョー・コッカー、ロバート・パーマー!しまいにはビリー・ヴェラまで!R&B好きなら垂涎ものだ!)

もうね、ここで歌ってるアレサを是非見て欲しいんだよ、俺は!
パッと見、ちょっと小太りの黒人のおばちゃんなのにさ、見てくれよ!
この軽やかさを!気品のあるセクシーさを!
全然力んでないのに響き渡るこの歌声を聴いてくれよ!

俺は「Jimmy Lee」を演ってるのを見て、
家で思わず「ウヒョー!」と叫んじまったよ!
その後の「Please, Please, Please」で思わず拳を握っちまったよ!

そしてエンディングで全員集合した状態で歌われる「Living in America」で俺は何故か涙を流していたよ。

いやはや、興奮して話が少々脇にそれてしまったが、80年代のアレサも、やはり素晴らしい!

人によっては、この時期の彼女について評価が分かれるのだけど、
少なくとも私としてはアレサの歴史の中でも脂の乗っていた時期だと思う。

諸君、レコード屋で、もしこの盤を見かけたら
絶対に手に入れてくれ!
少なくともここまでグレートな歌が聴ける盤は
そうそうないぞ(DVDも見つけたらマスト・バイだ!)

さて、次回はどの頃のアレサの話になるかな?
乞うご期待!

アレサを聴けばキミもハウる!
ハウリン・メガネでした!