「ボブ・ディラン史上最高最強のツアー」
と絶賛の最新ツアーについて
私なりの「雑感」をまとめてみます。
(※最終日 5月7日 スペイン ヴァレンシア公演)
「ボブは5年前よりずっといいと思わないか?」
「5年前って?テンペストツアーの時のことですか?5年前も凄く良かったけど。。。」
「いや、そういう意味じゃなく、例えば、2017年より2018年、2018年より2019年のツアーが圧倒的にいいと感じるんだ」
ウィーン2日目の終演後、あちこちで顔を見るアメリカ人男性との会場出口付近での会話。
「私も今年の方が去年より遥かに良いと思います」
本当だろうか?
大体オッカケというのは、
基本ボブ・ディランに酔っぱらっていて、
だからこそ航空運賃他各種経費をも物ともせず、
永遠とオッカケている!のである。
ボブ・ディランのツアーは
「人生5本の指に入る位の優先事項」
ですから、毎年毎回同じ事を言うのも不思議ではない。。。
「このツアーのボブ、史上最高!!!
スーパーアメージング!」
とか何とか(毎回本気)
どちらにしろ、去年と今年どちらが良いか等、
意味が無いし、そもそも比べられない。
しかし、何百回もコンサートを観ているはずのオッカケに毎回こう言わせるのが
ボブの凄さなのだと思うんです。
とにかく
今回の「Bob Dylan&His Band@ヨーロッパ」が
とてつもなく強力だったことは間違い無い。
(確かに毎年同じ事を言ってる)
段々年老いていってるはずなのに、不思議。
衰えるどころか益々よくなってる。
「凄い!」と圧倒されるばかりだ。
ボブもいくら元気と言っても、78歳。
死を意識してるのかもしれない。
全てのショーが真剣で、研ぎ澄まされている。
なんか真剣、本気、とてつもない集中力を感じる。
バンドも最強。彼らは完璧。
「固定セットリスト」にしたのが
良かったのかもしれない。
本ツアー、初日3/31ドイツの3デュッセルドルフ公演の録音が早々に出回り、
早速聞かせていただく。
(いつもの仕事早いテーパーさんに感謝。長年の貢献ありがとうございます。)
観客の歓声に、PCの前で固唾を飲む世界中の狂ったボブファンの息吹が重なってすら感じる。
昨年12月以来約4ヶ月の休暇後のボブ。。。。
3/31 デュッセルドルフは
「異色のショー」だったようだ。
どこかで皆、初日は若干リハーサルショー覚悟で行く。
ネガティブな意味だけでなく、
「公開リハーサル、死ぬほど観たい!」的な意味も含めて。
また、初日だけ登場するレア曲があったり
ハプニングがあったり。
去年の極東ツアー初日のソウルでは確かギターを弾いて、入ってないマイクに向かって
All Along The Watchtowerを歌ってたような。。。
しかも録音物が出回らず伝説のショーとなってるような。。。
(前回はフル録画が出回ったのに!)
油断できない。
それは置いておいて、3/31 デュッセルドルフ。
リハーサルショーには程遠い、重厚で確信に満ちたショー。
そして去年とは違う歌い方の抑揚の部分で、
なんだかボブがとても色っぽい、、、。
歌い方の独自の抑揚で感情を表現、、、
というより、一体なにを表現してるのか?
まったく判らん、
喜怒哀楽の感情とかじゃなくて、
呪術とか魔術だよな、
ボブ・ディランって呪術師系かも!
なんか凄いのよね、
種から芽が出てそれから木になったり花が咲いたり、文明が興って栄えて滅びたり、
そんなのボブがつけた抑揚の1秒間の中で
全部起こっちゃった様な気がしたりする。
生命の噴出。
素晴らしすぎる!
デュッセルドルフでは
「去年とはかけ離れたもの」
を感じて戸惑いつつも、
思いきりいい歌いっぷり、
声の艶っぽさにどぎまぎし、
何度も聴くことになる。
。。。が、続々と「公演テープ」が
アップされて来るのである。
(つづく)