「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

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「ジョーカーウーマン」の「明日もボブで狂うわよ!」(第六回) 2019年春ヨーロッパツアー雑感(その3)

2019-08-01 13:40:17 | BOB DYLAN

このまま梅雨が終わらないのではと思ってましたが、しっかり夏がやってきました。
皆様いかがおすごしでしょうか?

さて、そうこうしてる間に初夏ツアーも成功裏に終了しましたね。
ツアー最後は、ニール・ヤング御大とのダブルヘッドライナーで、ハイドパークとアイルランド(の聞いた事ない町!)とか、、、ニュースを聞いた際にはてっきりデマかと思ってしまいました。

実際、初夏ツアー前にボブがフィル・レッシュのツアーの一部のショーに参加するかもという話もあり、、、そちらはしっかりデマ(チケットマスターのミス?)だったので。

しかし、ニール・ヤングについては堂々実現!

しかもハイドパークの前のStuttgartでは長年君臨して一部ファンからは「辟易」との心無い声も目立った他人の名曲(?)Things Have Changed(ニックネーム THC)が消え、一曲目が人気曲のBallad Of A Thin Manへ!!!
フェスを意識した仕様かしらん?

しかし、最終日のアイルランドではもっと衝撃的なことが!

なんとニール・ヤングが出てきて仲良くWill The Circle Be Unbroken?を一緒に歌った模様です。
模様ですっていうか普通にYouTubeで見れるのです。ありがたいことです。

凄い!!!!!
セカンドアンコールとかではなく、通常セットリストのPay In Bloodの後、その事件はハプンしたようですので、会場にいたリアルタイムの観客の驚きと喜びといったら、、、想像を絶するものだったことでしょう!

動画で確認したところ、ボブカッコいいです。。。
大好き!

近年は固定セットリストとなって、完成度の高いショーを追求してるのかもしれません。
一部の隙もない感じです。バンドメンバーは完璧で、ボブの気に障る事をすると怖い目で睨まれます。
よく睨まれていたギタリストは昨年で去ってしまいました(好きだったのに)。

ボブ、ちょっと出だしがマイクに通ってなかったみたいですが、そんなヘタレな出だしも大好きなんですよ!!!
ああ。
ボブ、いい。。。(うっとり)

選曲が死を意識する歌なので70代の二人に歌われるとちょっとチクリとするけど。。。
(まだまだ空の家とかには帰ってほしくないです)
これを期にシナトラ系じゃない昔の歌もガンガン歌って欲しいです。
20歳くらいの時にこの歌歌ってる有名なテープがあり、それも超良いですが、
超良いというか、、「この子天才!」と多くの人を唸らせたと思いますが、、
今ボブもなんかもう、本来のギフト+何もかも絶妙で、PC前で煩悶し続けるレベルです。

現地参加者も「これを撮らずにどうする!」と思ったのか、ステージ近め、遠め、右から左から、スクリーンを映したものと各種アップされてるようです。
色々楽しい事が起こり続け、一時ボブ・ディランから目が離せませんね♪


***


さて、衝撃のあまり、長く語ってしまいましたが、先月の続きの春のツアーの記憶続編に行きたいと思います。
【パリ】

ボブはパリが好きだと思う。なんとなく。

会場はボブが何度か使ってるLe Grand Rexという古い映画館だった。
初演は、ちょっと調べるのが面倒だから「知らない」と言い切るが、
少なくとも私は1990年2月の “infinity on trial” というWanted Man Music製海賊盤CDを持っていて(内容素晴らしいです)、2013年はYouTubeでも公演と出待ちの狂乱(既にバンドメンバーのみ)を確認することができます。

また、2013年も連続3日でその時、ボブは他所では見た事のない驚くほどゴージャスな刺繍のスーツを着ていたことが忘れられない。

「ボブはパリが大好きで、パリに来るといつもより少しお洒落をする」と心に焼きついたのです。
(今回は全然他の街と同じ衣装)

パリ公演は3日共驚愕の素晴らしさだった。
3日公演で3日とも素晴らしいって、とても幸運。

強いて違いを言うなら、
やや不安定感ある立ち上がりからのエネルギーのシフト、シフト、またシフトの連続に感銘を受けた初日。
また2日目は最初から噴出するようなエネルギーに満場釘付け状態となった疑問の余地の無い名演(特にERKは必聴)。
3日目の完成感は抜群。

こんな三日間ありえるのか!!

ボブ・ディランだから基本絶対良い。
あえて「普通」とか「OKショー」とか言ってる時でも、普通に凄く良いから!
基準かなり高めで平均値に比してのOKだから!

しかし、この3日間は激しく期待を超えた日々だった。

ボブ凄い、パリも凄い。

ボブに新時代が到来したに違いない。
(先月も熱弁をふるったような気がするが)、
初日のテープを聴いた印象とパリ3日間の凄い日々に結論をつけた。

パリ観客は熱く、連夜開演のずっと前からボブを待ち望んでいた。
観客年齢層は日本より高め、古くからのファン多い様子。

プラハ2日目に観客を天国と地獄のジェットコースターに乗せたTom Thumb's Blues,
実際に体験すると感動的だった。

間違いなく素晴らしいバンド、バンドメンバー紹介が終わったのはいつなのか?既に誰も覚えていない(多分調べたらすぐわかるが)。
Tom Thumb's Bluesをインストで演奏する企画は、ファンが惜しみなく、それぞれのメンバーに賛辞を送る貴重な時間となった。

他のアーティストの場合(嘘、もうボブしか見ないから半分記憶、半分推測)、構成を考えて、観客が最後に満足して帰るようライブを組み立てると思うのだけど、ボブって結構自分のやりたいことやりっぱなしで帰るように思う。

ボブ・ディランのコンサートは、「ボブがやりたいことやり終わって帰る」、ということで終わる。

それで成り立ってるんだから凄いし、そんなボブ沼に一度はまってしまうと他では物足らなく、、、というか興味持てなくなってしまったのだけど。
(また、物凄く構成考え抜いて、あの感じだったら、それはそれで凄いと思う)

このインスト曲演奏のお蔭で、観客皆のエネルギーが一つにまとまって非常に良い感じで終わる。
まるで普通のコンサートのようだ、この企画結構続くといいなぁと思う。(※その後すぐ終わりました)

続くウィーンは、、、
と続く予定だったのですが、今月も長くなったのでこの辺で。
来月は春のウィーン公演まとめの予定です。

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ゲスト・ライター陣紹介
〈ジョーカーウーマン〉
日本を代表する
「ボブ好き5人衆」
の一人。
 
お金が有ればもちろん、
無ければローンを組んででも
海外まで出掛け
「ボブ・ディランLive」
をGetsし続ける「重鎮」
 
俺「Mash」とは
「ボブの音楽的部分」
そして
「ユーモラスに笑える部分」
にて合致!
 
今回の新連載で
より深く「ボブ」を掘り下げる!
 
ジェリーズ軍団では
「Starman☆アルチ」
「ハウリンメガネ」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。