こんにちは!「フクシマン土屋」です。
今回訪れたのは猪苗代町、
安達太良山麓にある「沼尻温泉♨」の「源泉」。
沼尻温泉の宿は山からパイプで源泉を引き込んでいるんだけど、
その「源泉」が「自噴」している、
つまり温泉が地中より湧き出している!
そんな「生まれたての湯」に
どばーんと入りに行ってきたゾ!
しかし!まず断っておきたい。
旅にしても、アウトドアにしても、なんにしても
楽しい中には当然リスクもつきものだ。
特に自然の中では人の考えの及びもしない…
そんな出来事が次々と起こる。
だから少なくとも想像できる範囲の危険、
それに対応する準備や情報集め、
迷ったときにはムリはしない!
ということを守って楽しんで欲しい。
さあ行こう!
安達太良山は過去に噴火を繰り返してきた活火山だから、
周辺には温泉も多い。
「沼尻温泉♨」もその中の一つだ。
温泉宿のお風呂へは何度も入りに来たことはあった。超濃厚な硫黄泉♡。
源泉かけ流しで、入れば2~3日は「におい」が取れないし、洗濯物もしかりだ。
覚悟して入れ!(笑)
この源泉が山より引かれていて、しかもそこでは
「川がそのまま温泉になっている!」
なんて聞いたら確かめずにはいられないよね!!
「ぜったいに行きます!」と即答した次第だ。
というのも情報提供というか誘ってくれたのは、
フクシマンの尊敬する
アウトドアアクティビティの達人
「Mr.KSさん」だ(以下「ミスター」)。
とにかく、すごい人で
フクシマンは勝手に「師匠」と思っているのだが、
紹介しだすと長くなるので
こちらの「ミスター」については
また今度ご紹介させていただく。
紹介地そこは硫黄川上流の「沼尻元湯」。
フクシマンは初めてだ。っていうか知らなった。
福島県第1号の道の駅である
「道の駅つちゆ」で「ミスター」と待ち合わせ、
ワクワクしながらバイクで目的地へと向かう。
沼尻温泉は沼尻スキー場の隣に位置するんだけど、そこから先へは脇道のダート(未舗装路)を走りスキー場の上部へ。しばらく行くと登山道入り口の駐車場に着いた。(メイン写真がそれ!)
ここからは登山になるけれど、
登山道はひとつかと思いきや
目立たない谷側にも道があった。
前に来たときはまったく気づかなかった。
「登山」ではなく「温泉」が目的なら谷側の道からアプローチするほうが近い。
先に言ってしまうと30分もあれば着いてしまう。
風呂に入るだけの軽装な方もいる。
しかしあくまで「登山道」であって、
途中足場の悪いところもあるし、
滑落すれば自力で上がれないような斜面も。
しかも火山地帯だからガスが出ている場合がある。
実際そのガスでさらに上部の「沼の平」では、
1997年に登山者が亡くなっている。
そういう場所だと認識して、自己責任のうえ複数人で訪れることを強く推奨する。
途中ビューポイントの「白糸の滝」を左手に眺めつつ足を進める。
景色が一気に変わる。そして
「なんじゃここ!こんなスゴイところが近くにあったのかっっっ!」
ってのがフクシマンの感想だ(笑)
視界が開けたそこは荒涼とした谷間。
規模こそ小さいが以前に訪れたことのある秋田県の「川原毛地獄」を思い出した。
安達太良山の噴火で移動したらしいが、昔はここに硫黄鉱山と温泉宿があったらしい。
「硫黄川」の名前には納得だ!
川は白濁していて、いかにも温泉成分たっぷりな感じだ。
早く川に飛び込みたい(笑)
そんな気持ちを抑えつつ、手で川の温度を確かめながら上流へ進む。
すると我々だけだと思っていたら先客が!
もう入浴されている。邪魔しては悪いのでもう少し上流へ。
ここは完全な「野湯」。
お金はかからないけど湯船もない脱衣所もない。
谷間を流れる川が温泉というだけで(珍しいことだが)、登山道の脇を流れる自然の川場だ。
これまでの先客が作ったであろう「湯だまり(湯船)」らしきところが何か所かあるが、大雨でも降ればすっかり流されてしまうだろう。
ここには互いに譲りあったり、自分たちで湯だまりを作ったりと「野湯」ならではの
醍醐味とルールが存在する。
我々は梅雨の合間に来たので、雨のせいか水温が低くなかなかポイントが見つからない。
普通の川へ超熱い源泉が流れ込む感じで、冷たいか火傷するほど熱いかのどちらか!
ちょうどいい場所なんてない。
それは、自分たちの入る湯だまりは自分たちで作ることを意味していた。
したがってここへ来るときは「スコップ」が必需品だった!
バイクできた我々はそんなものを持っておらず、板や手で川を掘って湯だまりを作った!
もちろん素っ裸だ(笑)
夢中でやって、気が付いた時には上の登山道に部活なのだろうか、学生らしき団体が通過しているところだった。
我々が手を振ると、手を振り返してくれた。
しかしおっさん二人が裸でムキになって川を掘っていたのだから、きっと笑っていたのだろう。。。
なんとか腰が隠れるくらいの湯だまりを完成させ、待ってましたと飛び込む!
「冷たっ!! あちっ!!!」
絶えずかき混ぜていないと
こんな調子で落ち着かない(笑)
それでも大自然に囲まれた中、
裸という「生まれたての姿」で「生まれたての湯」に入るのは最高に気持ちいい!!
来た甲斐あり!だ。
我々が悪戦苦闘しているのを見かねたのか、
下流にいた先客グループの方が
「ご一緒にどうですか?」
と声を掛けてくれた。
フクシマンは耳を疑った。
なぜならそのグループは3人組で
その中の1人はおそらく女性!
いや間違いなく女性!!
それは「ミスター」とも途中話題にしていたのだった。
我々はお言葉に甘えることにした(早っ!)
期待と不安に胸膨らませ(なんのこっちゃ)
おっさん二人はグループのもとへ。
これは!!!
湯だまりではないっ!
湯船だ!!
なんて見事なつくり!!
えっ?
そこじゃない!?(笑)
先客3人組は30歳そこそこか。
女性はもっと若いかも。
聞けばカップルとそのお友達とのことで、
カップルは各地の「野湯」巡りが趣味で、
昨夜に岐阜から8時間かけて来たらしい。
旅慣れていて我々よりよっぽど落ち着いている。
5人が入れてしまう素晴らしい湯船でしばし旅談義。
もちろん素っ裸だ。
チキン野郎のフクシマンは目のやり場に困ったが、旅好きな同じにおいのする素敵な方たちであった。
お邪魔しました、ありがとう!
こうして「沼尻元湯」初挑戦は、
まさかのハプニング付きで
(もちろん「ミスター」のお陰)
印象に残る旅となった。
改めて言う!
ここへ来るのは先に言ったリスクがあること、
そしてこんなハプニングは本当にそう起こることではないってこと。
それを踏まえて、みんなも旅を楽しんでくれ!
〔追伸〕
東北には混浴の文化が残っているところが
まだ、あちこちあるんだ。
東北人らしいとても素晴らしい文化だと思う。
とはいえ最近はルールが乱れ問題になったり、
数も減ってきていると聞く。
時代が変わっているのだから仕方ないのだけれど
古き良き文化の一つ。
残っていくといいね。
そんな東北を福島を
俺、フクシマンはこれからも旅してまわりたい!
今日も「イイトコ探訪 福島県!」を読んでくれてありがとうございました。
後日、いちばん長く湯に触れていた足の裏の皮がボロボロにむけキレイになりました(笑)
薬効が強いようだから、その辺も気を付けてね~