「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

《 マシュメガネ対談 》 今こそ「イーノ(ENO)」から見る「Rockの歴史」を語る!(Part 2)

2020-10-01 11:24:36 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

《ハウリンメガネ》
おはようございます、編集長。
{ 編集長「Mash」}
♪Good morning! Little schol girl!
《メガネ》
オールドロックンロールで朝からゴキゲンですね!
{ 編集長 }
久しぶりに「Five Live Yardbirds」を聴いたんだよ!
アレはいつ聴いてもギター弾きには勉強になるな。
《メガネ》
挨拶もそこそこに恐縮ですが前回の流れで
今回から「イーノで紐解くロックの歴史」ということで。
まあ、さっそくヤードバーズが出ましたが・・・。
どこからやりましょうかね?
まあ、ホントはファブから始めるべき……
{編集長割ってファブを語りだす}
そもそもクラプトンも含め、ヤードバーズだって
ビートルズの人気にアヤカロウとしてさあ!
《メガネ》
……なんでしょうが、それをやると
あなたがこの様に止まらないのが目に見えて……
{すでに止まらない編集長}
で、ストーンズも悔しいんだよ!
ビートルズがモテ過ぎだからクソーってさ!
《メガネ》
……ですので、やはり前回からの流れで
ベルベット・アンダーグラウンドから……
{まだ止まらない編集長}
キンクスやアニマルズも全部ビートルズの影響下!
だから結局ビートルズしか残らない!
初期60年代ブリテッシュグループだと他にも・・・
《メガネ》
編集長!ベルベッツです!
ベルベッツの話からにしましょう!
{ようやく止まる編集長}
なんだよ。調子出て来たところなのに・・・
《メガネ》
はい……(笑)。
というわけでベルベッツからやりましょう。
ファブの話だけで紙面が尽きるから(笑)。
{ 編集長 }
急に現実に戻されたけれど、
実は奴らもビートルズの影響下で生まれたんだよね。
ニューヨーク・ガレージ・サイケとも云えるが、
ガレージって結局ブリティッシュ・バンドブームが
アメリカに飛び火して、彼らが自宅のガレージで練習した
その結果でシーンに飛び出して来たバンドが多かったんだ。
《メガネ》
さて、前回
「どう考えてもイーノの初期の影響源はベルベッツだろ!」
とツッコまれたわけですが、そこで改めて
「イーノに与えた影響」って観点で聴き直してみたんです。
{ 編集長 }
ホホウ。良い心掛けだ。
《メガネ》
改めてルー・リードの作るメロディのリリカルさは
実にいいなぁって思った(笑)。
この辺のメロディの良さってのは、
確かにイーノのメロディに通じると思う。
この人も頻繁にコードチェンジをしない人ですよね。
わりと少ないコードの中で
美しいメロディをたくさん紡ぐタイプという。
{ 編集長 }
良い音楽ってコードチェンジ少ないのよね。
ブルースなんて3つでしょ?
コードの数を気にして曲を作る人もいるけれど
あまり必要ないと思うね。
《メガネ》
強面とパブリックイメージのせいか
ロックンローラー的な取り上げられ方が多いけど、
この人は基本的にメロディも綺麗だし、
声も優しいですよね。
まあ、歌ってる内容はえげつないけど(笑)。
{ 編集長 }
大切なのはメロディですよ!
ルー・リードのピークってこのVUの1stと
もう一枚挙げるとしたら
ソロの「マジック&ロス」だと思うね。
《メガネ》
いろいろ作風も書ける人だけど、
カントリー的なメロディが多くないですか?
ジョン・デンバーとかに通じるものがある・・・
と思ったんだけど。
{ 編集長 }
うーん。
俺は結局「初期ビートルズとボブ・ディラン」
の影響が濃いと思うね。
詩への傾倒はこの後も進むけれど
曲は停滞していく気がしている。
彼の盤ではDボウイがプロデュースした
「トランスフォーマー」が名盤とされ
ルーのイメージが決定付けられたけれど、
ベルベッツ(以下VU)の1stには到底かなわんね。
《メガネ》
ふんふん。で、そういうメロディを書くルーがいる一方で、
もう一人、ベルベッツサウンドの要である男
ジョン・ケイルがいた、と。
{ 編集長 }
ケイルがグループに居たのは大きいよ。
楽器も色々達者だし
「VUで唯一の音楽家!」的存在だったよね!
《メガネ》
もう頭にケイル=ジョン・ケージ、
ラ・モンテ・ヤングの弟子、っていう情報が
入っちゃってるから、この頃の前衛的なアレンジは
やっぱりケイルのアイデアが大半なのかな?
って思うんだけど、ホントのところはどうだったんだろう?
ルーも前衛的……
というかサイケ的なアプローチ好きじゃないですか。
{ 編集長 }
この頃は誰もが実験的だと思うよ。トリップ時代だから。
《メガネ》
まあ、後に「メタル・マシーン・ミュージック」
を出した男だもんねぇ(笑)。
{ 編集長 }
同じ時代にシスコにはデッドが居たでしょ?
あそこにもフィル・レッシュというベーシストが居るんだが
彼が実験的なアイデアを結構持っていたんだよ。
彼はクラシック音楽を勉強していたからね。
VUのケイルはよく似た位置だと思うし、
彼の存在こそ「1st」を名盤にした要因だと思うね!
《メガネ》
ケイルが抜けた「3rd」以降は明らかに
「1st」「2nd」より
ずっとポップな方に向かってるから
やっぱり前衛的なアレンジについては
ケイルが主導してたんですね。
{ 編集長 }
間違いなく彼だね!
《メガネ》
で、そのアレンジの話ですわ。
確かにイーノの影響源として聴いたら
「ヘロイン」のテンポの加減速とか、
「オール・トゥモローズ・パーティー」
のドローンサウンドとかモロなんですよね。
特に前者は後のイーノのテープループの
回転数変化アプローチに凄く近い。
もともとはドラッグのアップダウンを
サウンド表現してるんだろうけど、
そういう「ドラッグ感覚の音楽的再現」
ってのを発展させていくと「音楽で空間を作る」
っていうアンビエントの思想に通じるのかな?
{ 編集長 }
ドラッグ・サウンドってデッドて言う
「アシッド・テスト」だよね。
これもビートルズからスタートした
「LSDサウンド」が広まった結果だと思うね。
「LSDを用いたら何が起こるか?」
っていう実験でさぁ。
このサイケデリックと呼ばれる数年間は
生活にドラッグが不可欠な時代だったからこそ、
その中から生まれたサウンドやファッション
当然グループも多いのが確かさ!
この時代のサウンドは掘り下げれば堀り下げるほど
多様で面白いんだよ!
《メガネ》
確かに!ただ、それ以上に「あっ」と思ったのはリズム。
VU、ひいてはルーのソロにもいえるけど、この人たち、
リズムのとり方が土着的なんですよね。
4ビートとか8ビートとかバックビートの刻み
の上でプレイするんじゃなくて、
ワンビートで刻んでる上でどこに自分の符割りを乗せるか
っていう、すごくプリミティヴな、
ブラックミュージックに通じる……
で、これってイーノが70~80年代のプロデュースで
やりまくったニューウェーブのリズムなんだよね。
{ 編集長 }
この話は少し時代を戻らなきゃならんよ。
土着と言うけれど、彼ら60年代にこれらのリズムって
ボ・ディドリーの「ジャングルビート」を
ストーンズがカバーした恩恵なんだよ。
それをスローにしたり早くしたりって具合でさ。
皆が試していたし、簡単だから取り入れたんだよ。
《メガネ》
「1st」でもそのリズム感はもう出てるんだけど、
それがもっと全面に出るのが「2nd」ですよね。
後にジーザス・アンド・メリーチェーンが踏襲すること
になったあのとんでもなくささくれだった
ノイジーなサウンドに焦点が当たりがちなんだけど
「2nd」の面白さはあのリズムだと思うな……
私、実を言えば「1st」より「2nd」の方が
好きなんですよね(笑)。
アーシーさでいえば「2nd」でしょう(笑)。
{ 編集長 }
「2nd」は「1st」の残りカスに俺は感じるね。
《メガネ》
そうかなぁ……
曲の良さとか、カラフルさでいえば……
やっぱり「1st」に軍配が上がるかな……
やっぱり大名盤なんですよね、あれ。
{ 編集長 }
10代の頃、俺は「日曜日の朝」に
必ずアレを聴いていたよ。空気感が素晴らしいね!
この「1st」にはロックの新しい交差点が見える。
ビートルズの「ラバーソウル」「リヴォルバー」
を聴いてから出されているワケでしょ!
で、この「VU 1st」の約3ヶ月後に
ビートルズは「Sgt」を出す。
ホントあの66~67年ってたった1年で
「凄い急カーブをロックは描いた」
わけじゃない?
そんな時代を幼少期に体験してご覧よ。
「リヴォルバー」を聴いたルーやケイルが
この「1st」に注いだ気持ちが
痛いほど分かるぜ!
《メガネ》
イーノをして
「ベルベッツの1stは3万枚しか売れなかったが、
その3万枚を買った人間は全員バンドを始めた」
と言わせしめた盤ですからね。
{ 編集長 }
まあその後、ルーやケイルの活躍で
累計では凄い数が世界中で売れたけれどね!
《メガネ》
あのバナナジャケのインパクトってのは凄い。
見ただけで「ただのロックバンドじゃないぞ」って
プンプン匂ってくる(笑)。
あと名前がいいよね(笑)。
「ベルベット・アンダーグラウンド」より、
最後に「アンド・ニコ」って入るだけで
すごくポップに感じません?
{ 編集長 }
ニコの役割がこの盤を傑作にしているんだよ!
誰も言わんがネ(笑)。
あのツタナイ歌声にこそ、時代が映るよな!
《メガネ》
そのへんはさすがポップアートの巨匠
Aウォーホルのプロデュースだなぁ・・・
って感じですよね。
前回、あなた「ビートルズは別の扉を開く」
って話をしてたけど、それって、裏を返すと
「ビートルズと違う土俵で勝負するしかなくなった」
ってことでもあるわけですよね?
{ 編集長 }
ビートルズって今も昔も凄い影響力なんだよ!
で、特にあの時代は「追い付け、追い越せ」でさ。
《メガネ》
ビートルズって「扉」から入って、
ビートルズと違う土俵で勝負しようとしたバンド、
ミュージシャンがまた「別の扉」を開く……
その中の特大級のバンドがベルベッツであり、
そのベルベッツが開けた「扉」から
さらに「別の扉」を開けようとした中の一人がイーノであり、
その「次の扉」をまた別のバンドが開け……と、
確かにこりゃあ「ロックの歴史」を辿らざるを得ませんな。
{ 編集長 }
最初の話に戻るが、
ビートルズが世に出て来なきゃ誰も存在せんのよ!
この「VU 1st」をビートルズの誰かは
もしかしたら、聴いたかもしれない。
ただ、この路線はビートルズに何の影響も与えていないでしょ?
独自に「Sgt」を出し、そのトータルアルバムの作風を
逆に他が追従する・・・ストーンズやフーが有名だゼ!
《メガネ》
結局この人と「ロックの歴史」をやりだすと
ビートルズに話が戻っていくんだよなぁ……
{ 編集長 }
あのなぁ、ビートルズが出て来なきゃ
アメリカからバーズも出て来ないワケよ。
それじゃ、ボブはずっとフォークのままじゃない?
ロックの「数多ある名盤」は全く生まれなかった
そーいうコトになるだろ?
「Highway 61」も「CSN」や「デジャブ」も!
それから「ベガーズ」や「トミー」
はたまた「レイラ」だって、それと・・・
《メガネ》
あ、こりゃしばらく終わらんわ。
読者の皆様、次回もお楽しみに!
{ 編集長 }
他にもたくさんあるぞ!
U2「ユシャトゥリー」は勿論
ニルヴァーナーやベックだって・・・
《メガネ》
あなたはテレビ討論会のトランプ大統領ですか?
トランプ同様、もう結構です(苦笑)

<つづく>



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