中国でのデモこそ下火になったが水道の蛇口を締めただけ、外交・貿易とデモ以上の姿勢が目立つ。国連での演説は顕著な例である。さらに拡大しあらゆる手段で締め付けてくるだろう。軍国戦略として的を得ている。
一方の日本でも政治の流れは右へと舵を切った。先の自民党総裁選でも候補に立つのは右寄りと思われている人々である。民主党でも元気の良い発言が目立つ。さすがに政権党であるため、極論は聞こえないが内部ではあるだろう。台湾、韓国、ロシアと周辺国の中で友好的な関係は見いだせない。少しづつではあるが国民の意識に変化が感じられる。平和ボケしていると言われているが、先の敗戦の記憶の無い国民が大多数となった今、躊躇はない。決断しない内閣は嫌われている。「絆」や「寄り添う」など情緒に訴えるフレーズが共感を得る。瓢箪から駒の例えはよくないが、思わぬ方向へ一気に行く国民性のあるキャンペーン民族である。こうなると自衛隊員のサラリーマン化が頼りである。
されば、と言って妙薬はない。
世界経済が悪化若しくは縮小する中ではナショナルリズムが台頭し、自国のことのみに専念して他国を無視する意見が幅を利かす。100年前なら一触即発と言ってよいだろう。日本は国力に似合わない戦力しか持っていない。その上国内に原発を抱え、いざとなれば攻撃目標となるだろう。10基の原発が攻撃爆破されればゲームオーバーである。空爆に耐ええる構造になっているのだろうか。否と思う。
戦前の連合艦隊ぐらいの艦船があるのだろうか。電子化されたイージス艦はあっても周辺諸国全部と戦えるほどであるのか。場合によればアメリカとも戦える力があるだろうか。否である。ペリー来航より和魂洋才と近代化を血の汗で行い、築き上げてきた歴史は1948年まで戻るのか。1万人の技術者と美術品さえ残せば日本国民は必要ないと思われているだろう。
かって伊藤博文が朝鮮王朝の役人と交渉した際このように言われたそうです。
「伊藤よ、何を猿真似の服を着てやって来たのだ。日本には立派な民族服があるだろう」その時伊藤博文は西洋の礼服を着用し、外交の場に臨んだそうです。伊藤は世界の情勢、外交常識から説いたそうですが朝鮮の服を着た役人は冷笑したそうです。
この嘘か本当かわからない話であるが、国民性は変わっていないと思う。日本は確かに朝鮮を併合した。しかし日本がしなかったら、確実にロシアが手に入れていた。ロシアが手に入れていたら敗戦国ではないので、現在も朝鮮半島はロシア領です。そうすると当時の朝鮮王朝役人には先見の明があった。
ロシア領なら良いが日本の植民地になったのは許しがたい、なるほど、なるほど。
さて、今でも小生は中国を友人の国と思っている。隣国で殴り合いをして得をするのはどの国ですか。日清戦争まで持ち出して、香港は昨日まで英国領だったはずです。これには文句を付けないのですか。アヘン戦争で負けた結果でしょう。中国が手に入れた周辺国(自治区)は何となりますか。解放と言っても誰も信じていません。
されば、過去の歴史は学ぶものであって争いの種にするものではありません。
争いになって苦しむのは普通の国民で弱い者です。釣魚島により中国の国威が傷つけられたと思うかもしれません。しかし「小異を捨てて大同につく」と言ったのは何処の指導者だったでしょう。日本人が感動する言葉はデモのプラカードにありません。
国威発揚の場は「鼓腹撃壌」にあると信じます。中華人民共和国誕生当時、飢えに苦しむ多数の国民を救う努力に世界は尊敬しているのであって、粛清に感動していません。中国共産党の指導者は人民の中に入り、一杯の粥を啜り合い国を作ってきた・・・・・・と、これからも思っていきたいのです。