■江戸城登城当日朝の慶光院屋敷
早朝、新院主は浴室で身を清める
紫の法衣、金襴の袈裟という尼僧としての第一礼服を身にまとう
足袋は履かせてもらう
足袋に触れるとその手は穢れ数珠が持てないからだ
将軍に謁見するのは10時からだ
■大手門下乗橋
大名たちの駕籠もここまで
供は供待に残して、供頭・傘持ち・草履取りだけで本丸玄関まで徒歩
例外は日光・上野の輪王寺門跡の駕籠だけで玄関式台まで横付けされる
慶光院は伊勢神宮奉仕の清僧であることと、皇女を開基とする格式によって院主の駕籠は通行を許され、供は3人徒歩で付き添う
玄関の遥か手前で駕籠をとめ、殿中に上がる時は1人だけ付き添う
御殿には慶光院用の休息所がある
■慶光院新院主はまず春日局と対面
初対面の挨拶の後
春日局は新院主の品定めをし、
付き添いの者には大奥権力を現す
その春日局の態度を見た新院主は、並々ならぬ手腕と実力を持つ女性と思い、単純な反感のみでは批判できぬものを感じる
■将軍との対面
寺社奉行の先導で侍2人、春日局に付き添われ松の大廊下を歩き、将軍のいる白書院へ入る
将軍は白書院上段の間
簾が半ばたれている
慶光院新院主は上段の次の間に座を与えられた。敷物は無し。畳の上に平伏状態。手の甲を畳につける。神聖な紫衣と数珠に触れる手のひらは畳につけぬ作法だ
■将軍のとの会話
寺社奉行が紹介する
「伊勢度会郡宇治郷内、慶光院比丘尼、跡目御礼にまかり上られました」
尼君、わずかに面をあげ御礼の言葉
「この度は先代跡目相続おうせつけられありがたくぞんじ奉ります」
そして将軍と一問一答
打てば響く、あざやかな一問一答
家光の声が響く
「春日、慶光院をようもてなせ」
家光は座を立ち去った
春日局も「これは!(いい女だ)」という表情をした